2026年のJERA クライマックスシリーズ セ・ファーストステージが10月10日、東京ドームで開幕した。レギュラーシーズン2位の巨人と3位のDeNAによる第1戦は、1-1のまま迎えた9回表に度会隆輝が勝ち越しのソロ本塁打。DeNAが2-1で先勝し、ファイナルステージ進出に王手をかけた。
この記事では、第1戦の試合の流れと勝敗を分けたポイントを振り返る。
試合結果―DeNAが度会の決勝弾で先勝
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| DeNA | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 4 | 0 |
| 巨人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 |
- 勝利投手:浜地真澄(DeNA)
- 敗戦投手:マルティネス(巨人)
- セーブ:レイノルズ(DeNA)
- 本塁打:牧秀悟1号(1回ソロ)、度会隆輝1号(9回ソロ)
試合の流れ
1回表―牧秀悟が初球を先制ソロ
先制したのはDeNAだった。1回表一死、2番・牧秀悟が井上温大の初球、142キロのストレートをとらえ、レフトスタンドへ運ぶ先制ソロ。DeNAが幸先よく1点を奪った。
1回裏―巨人がすぐさま同点
巨人もすぐに反撃する。1回裏、先頭の吉川尚輝がフェンス直撃の二塁打で出塁すると、松本剛が送りバントを決めて一死三塁。3番・泉口友汰はツーシームをバットの先で引っかけて一塁ゴロとなったが、その間に吉川が生還し、1-1の同点に追いついた。
2回表―リクエストで宮﨑がけん制死
2回表、DeNAは先頭の宮﨑敏郎がセンター前ヒットで出塁した。しかし続く古市尊の打席で、井上の一塁けん制が一度はセーフと判定されたものの、巨人のリクエストによるリプレー検証で判定が覆りアウトに。DeNAは勝ち越しの足がかりを失った。
中盤―井上温大と東克樹の投手戦
3回以降は両先発の投手戦となった。巨人の井上は4回表、牧、筒香嘉智、エンカーナシオンを3者連続三振に仕留めるなど、DeNA打線に付け入る隙を与えない。5回に宮﨑に2本目のヒットを許したものの、古市の送りバントが小フライとなるなど、DeNAは走者を進められなかった。
一方のDeNAの東も、走者を背負いながら粘り強く投げた。3回裏には平山功太の内野安打と送りバントで一死二塁、6回裏にも吉川のヒットと進塁打で一死二塁とされたが、いずれも後続を断った。7回裏には大城卓三のヒットで出塁を許したものの、リチャードを6-4-3の併殺に打ち取る。巨人はこの判定にもリクエストを求めたが、判定は変わらなかった。東は7回を投げて5安打、無四球、1失点と試合をつくり、8回からは浜地真澄が3者凡退に抑えた。
9回表―度会隆輝が勝ち越しソロ
試合が動いたのは9回表だった。巨人は8回まで102球を投げた井上に代えて、今季39セーブで最多セーブのタイトルを獲得した守護神のマルティネスを投入する。しかし一死から打席に立った1番・度会は、カウント3-1から152キロのストレートを振り抜き、右中間スタンドへ飛び込む勝ち越しソロ。それまで3打数無安打だった度会の一振りで、DeNAが2-1とリードを奪った。
9回裏―レイノルズが一死三塁をしのぐ
9回裏、DeNAはレイノルズをマウンドに送った。巨人は先頭の松本が、6球目のカットボールをレフトへ運ぶ二塁打で出塁。泉口が送りバントを決めて一死三塁と、一打同点の場面をつくった。しかしレイノルズは4番・ダルベックを157キロのストレートで詰まらせて一塁フライに打ち取ると、最後は大城に対して5球すべてストレートで勝負。159キロの真っすぐでレフトフライに仕留め、試合を締めくくった。
両チームの野手成績
巨人
| 位置 | 選手 | 打数 | 安打 | 打点 | 得点 | 本塁打 | 三振 | 四球 | 犠打 | 盗塁 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 二 | 吉川尚輝 | 4 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 中左 | 松本剛 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 遊 | 泉口友汰 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 一 | ダルベック | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 捕 | 大城卓三 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 左 | 丸佳浩 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 走中 | 佐々木俊輔 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 三 | リチャード | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 右 | 平山功太 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 投 | 井上温大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
| 打 | 笹原操希 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 投 | マルティネス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 合計 | 29 | 6 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 |
DeNA
| 位置 | 選手 | 打数 | 安打 | 打点 | 得点 | 本塁打 | 三振 | 四球 | 犠打 | 盗塁 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 左 | 度会隆輝 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 二 | 牧秀悟 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 |
| 一 | 筒香嘉智 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
| 右 | エンカーナシオン | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 三 | 宮﨑敏郎 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 捕 | 古市尊 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 遊 | 成瀬脩人 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 中 | 蝦名達夫 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
| 投 | 東克樹 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 投 | 浜地真澄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 打 | 勝又温史 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 投 | レイノルズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 合計 | 30 | 4 | 2 | 2 | 2 | 11 | 0 | 0 | 0 |
両チームの投手成績
巨人
| 投手 | 投球回 | 球数 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 井上温大 | 8 | 102 | 3 | 1 | 10 | 0 | 1 |
| マルティネス(敗) | 1 | 14 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 |
DeNA
| 投手 | 投球回 | 球数 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東克樹 | 7 | 102 | 5 | 0 | 2 | 0 | 1 |
| 浜地真澄(勝) | 1 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| レイノルズ(S) | 1 | 20 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
勝敗を分けたポイント
DeNAはわずか4安打、2本塁打で2得点
DeNAの安打はわずか4本。そのうち2本が本塁打で、得点はすべてソロ本塁打によるものだった。11三振を喫し、走者を得点圏に進めることもほとんどできなかったが、牧と度会の一発で少ないチャンスをものにした。
井上温大は8回10奪三振の好投も報われず
巨人の井上は、8回を投げて3安打、10奪三振、無四球、1失点という見事な投球だった。許した失点は1回の牧の本塁打だけで、2回以降は二塁を踏ませていない。勝ち投手にはなれなかったが、短期決戦の初戦で十分すぎる役割を果たした。
巨人は送りバントからあと一本が出ず
巨人は6安打を放ち、送りバントを3つ決めて走者を進めたが、得点は1回の内野ゴロによる1点だけだった。1回は一死三塁から内野ゴロの間に1点を奪ったが、9回の一死三塁では同点の1点が遠かった。3回と6回の一死二塁でも後続が倒れ、つないだチャンスを生かしきれなかった。
両チーム無四球の締まった試合
この試合は両チームとも四球がゼロ。井上、東、そして両チームのリリーフ陣がストライクゾーンで勝負し続けたことで、1点の重みが増す展開となった。その中で、DeNAは長打で得点を挙げ、巨人は小技で1点をもぎ取った。最後に勝負を決めたのは、9回の度会の一発だった。
第2戦の展望
第2戦は10月11日、同じく東京ドームで行われる。予告先発は巨人が竹丸和幸、DeNAが石田裕太郎と発表された。
ファーストステージは3試合制で、先に2勝したチームがファイナルステージに進出する。DeNAは第2戦に勝てば突破が決まり、巨人は負ければ敗退となる。2007年から2025年までのファーストステージの成績を見ると、巨人は7度出場して4度突破、勝率.588。DeNAも7度出場して4度突破、勝率.556と、両チームともこのステージを比較的得意としてきた。DeNAが一気に決めるのか、巨人が逆王手をかけるのか、注目の一戦になる。