広島東洋カープの内野手・菊池涼介について、「週刊文春」が2026年9月16日、後輩選手への"根性焼き"疑惑を報じた。関係者の証言によると、静岡県での自主トレ中、飲めない酒を飲まされて眠り込んでいた後輩に、ライターで炙ったフォークを押し当てたとされる。文春は事前に「記事予告」を出し、選手名を伏せたシルエット写真のみを公開していたことから、SNS上では前日から選手名を巡る「犯人当てクイズ」状態となっており、公開直後から大きな反響を呼んだ。ここでは文春が報じた内容の詳細に加え、菊池涼介という選手の経歴・プロフィール、今季の成績、そして過去に報じられた女性トラブルについても振り返る。
週刊文春が報じた"根性焼き"疑惑の内容
文春オンラインによると、被害を訴えているのはすでにチームを離れている元カープ内野手・羽月隆太郎。羽月は自身のSNS配信で「ライターで炙ったフォークを首に当てられた」と語っており、この件について関係者は次のように証言している。
「これは菊池涼介選手のことです。静岡県で一緒に自主トレをしていたときに、食事の際、飲めないお酒を飲まされてうたた寝をしていた羽月にフォークを当てたそう。この場には2人の他に矢野選手や韮澤雄也選手(現NTT東日本)もいたと聞きました」(同前)
さらに関係者は、球団内の上下関係についても言及しており、「チームは『ザ・昭和』な雰囲気がいまだに色濃く残っています。先輩の言うことは絶対で、後輩は逆らうことができません」と、体質そのものに疑問を投げかけている。
告発した羽月隆太郎は、内野手として広島でプレーしていたが、指定薬物"ゾンビたばこ"を巡る事件でみずから有罪判決を受け、すでにチームを離れている。自身の裁判の初公判では「周囲にゾンビたばこを吸っているカープ選手がいた」と証言するなど、球団内の薬物問題を明るみに出す証言者としても注目を集めてきた人物であり、今回はその羽月自身が受けた被害を告発した形となる。
今回の疑惑が明らかになったのは、すでに他の不祥事でも渦中にあった羽月自身の告発がきっかけだった。本稿執筆時点では、菊池本人や球団からこの件についての正式なコメントは確認できていない。
菊池涼介とはどんな選手か―経歴とプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1990年3月11日(36歳) |
| 出身地 | 東京都 |
| 身長・体重 | 171cm・71kg |
| 投打 | 右投右打 |
| 経歴 | 武蔵工大二高-中京学院大-広島 |
| ドラフト | 2011年2位 |
| プロ通算年 | 15年目 |
菊池は東京都出身、武蔵工大二高から中京学院大を経て2011年ドラフト2位で広島に入団した。守備の名手として知られ、2014年から2023年にかけて二塁手として10年連続でゴールデングラブ賞を受賞。これはNPB史上でも屈指の記録であり、シーズン535補殺(二塁手歴代最多)や守備率10割のシーズンなど、数々の守備記録を打ち立ててきた球界を代表する守備型選手だ。攻撃面でも勝負強い一発と堅実な犠打を武器に長く一・二番を任され、2022年には通算100本塁打・300犠打をセ・リーグ史上初めて同時に達成している。侍ジャパンの一員として国際大会にも度々選出されており、2017年のWBC、そして2021年の東京オリンピックでは金メダル獲得にも貢献した。プロ15年目となる2026年シーズンも、広島の主力二塁手として出場を重ねているベテランだ。
2026年シーズンの成績
| 項目 | 2026年成績 | 通算成績(15年) |
|---|---|---|
| 試合 | 115 | 1,893 |
| 安打 | 98 | 1,888 |
| 打率 | .244 | .266 |
| 本塁打 | 7 | 142 |
| 打点 | 33 | 652 |
| OPS | .669 | .694 |
2026年シーズンは115試合に出場し、打率.244、7本塁打、33打点、OPS.669という成績を残している。得点創出力を示すwRC+は105とリーグ平均をわずかに上回る水準を保っており、四球比率(BB%9.4%)の高さやゾーン内コンタクト率92.3%の高さなど、選球眼とミート力の高さは健在だ。一方で守備指標(FRV)は-3.7とマイナスに沈んでおり、かつて10年連続でゴールデングラブ賞を受賞した"鉄壁の守備"にも、年齢による陰りが見え始めている。36歳というベテランの域に差し掛かる中、今回報じられた疑惑がチーム内での立場や今後の起用、さらには来季の去就にどう影響するかも注目される。
なお、上記のwRC+やFRVといった指標が「何を意味するのか気になった」という方は、以下の記事で仕組みから解説しているのであわせてどうぞ。
今季相次ぐカープの不祥事
広島を巡っては、2026年に入ってから不祥事の報道が相次いでいる。発端となったのは、指定薬物"エトミデート"(いわゆる"ゾンビたばこ")の使用による現役選手・元選手の摘発だ。その後も週刊文春は現役選手が吸引する動画を新たに入手するなど、球団内で薬物が広がっていた実態を継続的に報じてきたほか、選手のゴルフ中の喫煙マナーを問題視する報道も出るなど、広島というチーム全体のコンプライアンス体制そのものに疑問符が付く状況が続いている。今回の"根性焼き"疑惑は、こうした一連の流れの中から新たに浮上したものだ。
2020年にも報じられた女性トラブル
菊池を巡っては、今回が初めての"週刊誌ネタ"ではない。2020年にも、交際していた女性との間で金銭トラブルが週刊誌や法律系メディアで報じられている。当時の報道によると、菊池は知人の紹介で交際していた女性(以下B子さん)と、遠征先のホテルなどで月1~2回ほど会う関係を続けていたが、その後、元CAの女性(A子さん)との交際が始まり、同棲を経て結婚。菊池はB子さんに結婚を報告したところ、B子さんは「結婚を前提とした真剣な交際だった」として、8000万円の慰謝料を請求した。
菊池側は東京簡易裁判所に調停を申し立て、「軽い気持ちでの関係であり、恋愛感情はなかった」などとして請求額の妥当性を争った。弁護士ドットコムニュースの取材に応じた弁護士によれば、法的に慰謝料が認められるのは不貞行為か、法的保護に値する婚約の不当破棄に限られ、婚約の不当破棄が認められた場合の相場も一般に100万~200万円程度とされる。8000万円という請求額はこれを大きく上回るものであり、その妥当性を疑問視する声も当時上がっていた。最終的には調停の末、菊池側がB子さんに1000万円を支払う形で和解が成立したと報じられている。なお、この間に菊池はA子さんとの結婚を公表しており、まもなく第一子が誕生したことも明らかになっている。当時、球団側は取材に対し「選手のプライベートについてはお答えできません」とコメントするにとどまった。
まとめ
今回の"根性焼き"疑惑は、羽月隆太郎を巡る一連のカープ不祥事報道の延長線上で新たに浮上したものであり、2020年の女性トラブルに続く形で、菊池涼介という選手のイメージに再び影を落とす格好となった。10年連続ゴールデングラブ賞や東京五輪金メダルなど、球界を代表する実績を積み重ねてきたベテランだけに、今回の報道が与える影響は小さくない。事実関係の解明と、球団・本人からの説明が待たれる。続報が入り次第、改めてお伝えしたい。
スタジアム通信のおすすめ記事
スタジアム通信では、こうしたニュース記事のほかに、セイバーメトリクスを使った選手分析も発信している。野球データに興味を持った方は、こちらの記事もぜひ読んでみてほしい。