2026年9月12日、東京ドームで行われたセ・リーグ首位攻防戦、巨人対阪神の伝統の一戦。巨人が1-0で阪神を下し、開幕からリーグを引っ張ってきた阪神との差をわずか0.5ゲームにまで縮めた。
わずか2週間ほど前、甲子園での3連戦に巨人がまさかの3連敗を喫し、「阪神優勝はほぼ確定」とまで言われた状況からの急接近。ここにきて一気に現実味を帯びてきた「巨人の逆転優勝」の可能性を、過去の名場面とともに考察してみたい。
悪夢の甲子園3連戦から一転、わずか2週間での大接近
8月末、巨人は阪神との直接対決となる甲子園3連戦に臨んだが、まさかの3連敗。打線は3試合合計でわずか4得点に終わり、先発陣も踏ん張れずに星を落とし続けた。この結果、両チームのゲーム差は一時5.0ゲームまで拡大し、球界内外から「阪神優勝は決定的」との声が上がるほどだった。
シーズン終盤に差し掛かってのこの借金……多くのファンが優勝争いから事実上脱落したと感じたはずだ。しかし野球というスポーツは、最後まで何が起こるか分からない。あの3連敗から約2週間、巨人は着実に星を積み重ね、ついに直接対決でも結果を出し、ゲーム差を0.5まで縮めてみせた。
9月12日の一戦を振り返る
この日の東京ドームは42,461人の観客で埋まる大盛況。試合は巨人が2回に挙げた1点を最後まで守り切るという、投手戦を制する形での勝利となった。
- 試合結果:巨人 1-0 阪神
- 勝利投手:竹丸(10勝9敗)
- 敗戦投手:村上(10勝8敗)
- セーブ:マルティネス(39セーブ目)
打線の援護は最小限だったものの、僅差をものにできたことこそ、今の巨人の勢いを象徴していると言えるだろう。首位攻防戦でロースコアの接戦を制した経験は、今後の残り試合にも大きな自信となるはずだ。
巨人に立ちはだかる「残り試合数」の壁
今回の勝利により、巨人は70勝56敗2分、阪神は69勝54敗1分となった。注目したいのは残り試合数だ。
- 巨人:残り15試合
- 阪神:残り19試合
シーズン終盤において、巨人の残り試合数が阪神より少ないという点はやや不利な材料とも言える。ゲーム差を縮めるための「母数」が少ないためだ。とはいえ、裏を返せば阪神にとっても勝ち急げない試合が多く残っているということでもあり、両者の直接対決や、互いの上位チームとの対戦カードの結果次第では、情勢は目まぐるしく変わる可能性が高い。
巨人の逆転優勝、実は"お家芸"と言える実績がある
「ここから逆転できるのか?」と疑問に思うファンも多いだろう。しかし巨人というチームは、過去に幾度となく大きなビハインドをひっくり返してきた歴史を持つ球団でもある。
2008年「メークレジェンド」―最大13ゲーム差からの大逆転
2008年、阪神は開幕から独走態勢を築き、7月8日時点で巨人に最大13ゲームもの大差をつけていた。しかし北京五輪への主力選手離脱などをきっかけに阪神が失速すると、巨人は9月11日から12連勝するなど猛追。10月8日の直接対決を3-1で制して単独首位に浮上すると、10月10日についに13ゲーム差からの逆転優勝を達成した。この歴史的大逆転は「メークレジェンド」と呼ばれ、今なお語り継がれている。
1994年「10.8決戦」―最終戦の直接対決を制する
1994年は中日ドラゴンズとのデッドヒートの末、シーズン最終戦を同率首位で迎えるという異例の展開に。10月8日、ナゴヤ球場での事実上の優勝決定戦は、平均視聴率48.8%というプロ野球中継史上最高の数字を記録する国民的一戦となった。巨人は3投手の継投と落合・松井のアベックホームランなどで中日を下し、劇的な優勝を果たしている。
2024年 広島の大失速を突いた巨人
記憶に新しいのが2024年シーズンだ。広島は8月20日時点で貯金14を積み上げ、6年ぶりの優勝も見えていたはずだった。しかし9月に入ると一転して大失速。この隙を突いた巨人が4年ぶり39度目のリーグ優勝を手にしている。まさに「終盤の失速」が優勝の行方を左右した典型例と言えるだろう。
今回は「メークレジェンド2.0」となるか
もちろん、2008年ほどの大差ではなく、現時点ではまだ0.5ゲーム差という接戦状態だ。しかし過去の実績が示す通り、巨人というチームはシーズン終盤の追い上げ、そして直接対決での勝負強さを幾度となく発揮してきた球団でもある。
甲子園での3連敗から一転、わずか2週間で首位を射程圏内に捉えた今の巨人の勢いは本物か。残り試合、そして今後予定される阪神との直接対決の行方次第では、今シーズンもまた「メークレジェンド」と呼ばれる劇的な優勝劇が生まれるかもしれない。目が離せないセ・リーグ終盤戦、今後の動向を引き続き追っていきたい。