借金を完済し勢いに乗るDeNA。9月14日時点でセ・リーグ3位、首位阪神とのゲーム差は6.5、残り試合数は14。ここから逆転優勝は現実的にあり得るのか。過去、9月時点で大きなゲーム差をひっくり返した歴代の事例と比較しながら検証する。
DeNAの現在地
| 順位 | チーム | 試合 | 勝敗分 | 勝率 | ゲーム差 | 残り試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 阪神 | 126 | 69-56-1 | .552 | ― | 17 |
| 2位 | 巨人 | 130 | 70-58-2 | .547 | 0.5 | 13 |
| 3位 | DeNA | 129 | 63-63-3 | .500 | 6.5 | 14 |
借金完済を果たしたとはいえ、首位阪神との差は6.5ゲーム。残り14試合という限られた試合数を考えると、決して小さな差ではない。
9月に大差を逆転した歴代事例
プロ野球史における「大差からの逆転優勝」は複数あるが、実はその多くが「7月時点で最大○ゲーム差」という形で語られるものであり、9月に入った時点ではすでに差が縮まっていたケースがほとんどだ。
| 年度 | チーム | 最大差の時期 | 9月時点の実際の差 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 1963 | 西鉄 | 7月に14.5差 | 8月以降49勝20敗2分で追い上げ | 逆転優勝 |
| 2008 | 巨人 | 7月に13差 | 9月時点で5〜6差 | 9月12連勝で逆転、10月に優勝 |
| 2016 | 日本ハム | 最大11.5差 | 9月時点で0.5差 | 逆転優勝 |
| 2010 | ソフトバンク | ― | 残り6試合で3.5差 | 首位と直接対決3連戦全勝、逆転優勝 |
この中で唯一、純粋に「9月(終盤)時点での大差」から逆転したと言えるのが2010年のソフトバンクだ。残り6試合を残して首位西武と3.5ゲーム差という状況から、直接対決3連戦に全勝し、最終戦で逆転優勝を決めている。
DeNAのケースはこれらと比べてどうか
DeNAの6.5ゲーム差・残り14試合という状況を、2010年ソフトバンクの3.5ゲーム差・残り6試合と比較すると、差自体は約2倍だが、残り試合数も2倍以上ある。単純計算では、1試合あたりの必要な"貯金ペース"はソフトバンクのケースとそこまで大きく変わらない。
ただし、2010年のソフトバンクは直接対決3連戦全勝という、限られたチャンスを一切取りこぼさない結果を出せたことが大きい。DeNAの残り日程を見ると、阪神とは9/20、9/21と9/25、9/26の2連戦が2回と10/4の計5試合、巨人とは9/15と10/3に試合が組まれている。阪神とは5試合をすべて勝ち切ると、ゲーム差にして5ゲーム差が縮まる。そして、残り試合を下位球団相手にどれだけ確実に勝ち星を積み重ねられるか、そして何より阪神・巨人の側に大きな失速が起きるかどうかが、逆転優勝の絶対条件になる。
「首位の失速」が起きるかどうかが最大の焦点
歴代の逆転優勝に共通するのは、追う側の驚異的な連勝だけでなく、必ず首位チーム側の失速が同時に起きているという点だ。2008年の巨人は阪神の9月失速と表裏一体だったし、2010年のソフトバンクも西武が終盤で星を落としたことが前提にあった。
現在の阪神は9月に入ってから6連敗を喫するなど、まさにこの「失速」の兆候を見せている。もし阪神の不振がこのまま続けば、DeNAにも十分逆転のチャンスが生まれる状況だ。
まとめ
DeNAの6.5ゲーム差・残り14試合という状況は、過去の"9月からの逆転優勝"の中で成功例と言える2010年ソフトバンクのケース(3.5差・残り6試合)と比べると、数字の上ではやや分が悪い。それでも不可能な差ではなく、鍵を握るのは自らの連勝はもちろん、首位阪神の失速がどこまで続くかだ。借金を完済した勢いそのままに、残り14試合でどこまで迫れるか注目したい。