巨人が、広島・床田寛樹投手(31)の獲得調査を進めていることが分かった。デイリースポーツが10月12日に報じたもので、床田が今季取得条件を満たした国内フリーエージェント(FA)権を行使した場合に備え、出来高を含めて4年16億円を超える大型契約を準備しているという。巨人は同じ広島の森下暢仁、今季パ・リーグ最多勝のオリックス・エスピノーザについても調査を進めており、来季の覇権奪還に向けて先発投手の補強に本腰を入れている。
床田は4年連続で規定投球回に到達している広島の先発左腕で、巨人にとっては何度も苦しめられてきた相手でもある。この記事では、床田の年度別成績と通算成績を振り返ったうえで、今季2026年の成績を登板別、月別、対戦球団別に分析し、巨人が大型契約を用意してまで獲得を目指す理由を探っていく。
巨人が床田寛樹の獲得調査へ
報道によると、巨人は床田の権利行使に備えて獲得調査を進めており、出来高を含めて4年16億円超という大型契約を準備している。今季の巨人は、山﨑伊織がケガで開幕から出遅れ、勝負どころの夏場にはエースの戸郷翔征もケガで離脱するなど、先発陣が苦しい時期を過ごした。4年連続で規定投球回に到達している床田は、実績と経験の両面で補強ポイントに合致するという。
また、今季で契約が終了するエスピノーザは13勝を挙げ、初の最多勝のタイトルを獲得した。巨人は左の床田、右のエスピノーザと、去就が注目される左右の好投手の動向を注視しながら、先発陣の弱点を埋めていく方針だ。
床田がFA権を行使するかどうかはまだ決まっていない。今季は同じ広島の森下、坂倉将吾も国内FA権を取得しており、3人とも熟考の構えを見せている。
床田寛樹のプロフィール
- 生年月日:1995年3月1日(31歳)
- 経歴:箕面学園高-中部学院大-広島(2017年~)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:181センチ、94キロ
- ドラフト:2016年ドラフト3位(広島)
- 通算成績(9年):175登板 65勝59敗 防御率2.96
床田は中部学院大から2016年のドラフト3位で広島に入団した。ドラフト上位指名ではなかったが、着実に力をつけて先発ローテーションに定着し、今では広島の先発陣に欠かせない存在となっている。
年度別成績と通算成績
まずは床田のプロ入りからの年度別成績を見ていく。
| 年度 | 登板 | 勝 | 敗 | 完投 | 完封 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 防御率 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 17 1/3 | 16 | 2 | 16 | 3 | 5.19 | 1.10 |
| 2019 | 25 | 7 | 6 | 1 | 0 | 139 2/3 | 131 | 17 | 101 | 48 | 2.96 | 1.28 |
| 2020 | 15 | 5 | 8 | 0 | 0 | 76 2/3 | 101 | 10 | 56 | 23 | 4.93 | 1.62 |
| 2021 | 16 | 5 | 4 | 1 | 1 | 87 1/3 | 91 | 5 | 80 | 24 | 3.19 | 1.32 |
| 2022 | 17 | 8 | 6 | 1 | 1 | 114 | 87 | 10 | 74 | 28 | 2.84 | 1.01 |
| 2023 | 24 | 11 | 7 | 2 | 2 | 156 | 144 | 13 | 86 | 28 | 2.19 | 1.10 |
| 2024 | 26 | 11 | 9 | 0 | 0 | 167 | 170 | 9 | 95 | 48 | 2.48 | 1.31 |
| 2025 | 26 | 9 | 12 | 6 | 3 | 171 1/3 | 158 | 13 | 102 | 42 | 3.15 | 1.17 |
| 2026 | 23 | 8 | 6 | 1 | 0 | 143 1/3 | 141 | 14 | 84 | 36 | 2.76 | 1.23 |
| 通算 | 175 | 65 | 59 | 12 | 7 | 1072 2/3 | 1039 | 93 | 694 | 280 | 2.96 | 1.23 |
プロ1年目の2017年は3試合の登板にとどまり、2018年は一軍での登板がなかった。本格的に先発ローテーションに入ったのは2019年で、25試合に登板して7勝6敗、防御率2.96と飛躍のきっかけをつかんだ。2020年は防御率4.93と苦しんだが、2021年、2022年と防御率を3点前後まで改善させていく。
床田が広島の先発の柱となったのは2023年からだ。この年は24試合で11勝7敗、防御率2.19と自己最高の成績を残し、初めて規定投球回に到達した。2024年も11勝9敗、防御率2.48と2年連続で2ケタ勝利をマーク。2025年は9勝12敗と負け越したものの、自己最多の171回1/3を投げ、6完投、3完封とタフさを見せつけた。
今季は23試合で8勝6敗、防御率2.76。投球回は143回1/3で、規定投球回の143回をわずかに上回り、4年連続での到達を果たした。通算成績は175試合で65勝59敗、防御率2.96。直近4年間に限ると、毎年140イニング以上を投げて防御率2点台から3点台前半を記録しており、計算できる先発投手であることは数字が証明している。
直近4年間は防御率2.65
規定投球回に到達し続けている2023年から2026年までの4年間を合計すると、床田は99試合に登板して39勝34敗、637回2/3を投げて防御率2.65という成績を残している。1年あたりに換算すると、およそ25試合に登板して160イニング近くを投げてきた計算だ。この間の完投は9、完封は5を数える。
特に2025年は、9勝12敗と負け越しながらも6完投、3完封を記録した。先発が試合の最後までマウンドを守れば、リリーフ陣を休ませることができる。長いシーズンを戦ううえで、床田のように完投能力を持つ先発投手の価値は大きい。
投球指標の推移
続いて、奪三振率、与四球率、被本塁打率(いずれも9イニングあたり)とK/BB(奪三振÷与四球)の推移を見ていく。
| 年度 | 奪三振率 | 与四球率 | 被本塁打率 | K/BB |
|---|---|---|---|---|
| 2017 | 8.31 | 1.56 | 1.04 | 5.33 |
| 2019 | 6.51 | 3.09 | 1.10 | 2.10 |
| 2020 | 6.57 | 2.70 | 1.17 | 2.43 |
| 2021 | 8.24 | 2.47 | 0.52 | 3.33 |
| 2022 | 5.84 | 2.21 | 0.79 | 2.64 |
| 2023 | 4.96 | 1.62 | 0.75 | 3.07 |
| 2024 | 5.12 | 2.59 | 0.49 | 1.98 |
| 2025 | 5.36 | 2.21 | 0.68 | 2.43 |
| 2026 | 5.27 | 2.26 | 0.88 | 2.33 |
| 通算 | 5.82 | 2.35 | 0.78 | 2.48 |
床田は三振を多く奪うタイプの投手ではない。規定投球回に到達した2023年以降の奪三振率は、いずれも5点前後にとどまっている。その一方で、与四球率は2点前後と低く、被本塁打率も1を下回るシーズンが続いている。四球で走者をためず、長打も許さず、打たせて取る投球でイニングを重ねていくのが床田のスタイルだ。
今季は奪三振率5.27、与四球率2.26と、いずれも例年並みの数字を残した。被本塁打率は0.88と、2023年以降では最も高い数字になったが、大きく崩れたわけではない。投球スタイルに大きな変化はなく、安定した投球を続けたシーズンだったといえる。
2026年の成績を分析
今季の床田は23試合に登板し、8勝6敗、防御率2.76、WHIP1.23。登板ごとの内容を詳しく見ていく。
登板別成績
| 日付 | 相手 | 勝敗 | 投球回 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 自責点 | チーム得点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3/27 | 中日 | - | 5 | 9 | 5 | 0 | 2 | 6 |
| 4/3 | 阪神 | 敗 | 6 | 6 | 9 | 2 | 2 | 2 |
| 4/12 | DeNA | - | 6 2/3 | 7 | 2 | 0 | 4 | 5 |
| 4/19 | DeNA | 敗 | 8 | 6 | 2 | 1 | 2 | 0 |
| 4/28 | 巨人 | 勝 | 8 | 3 | 5 | 2 | 1 | 11 |
| 5/5 | DeNA | - | 6 | 6 | 5 | 2 | 2 | 5 |
| 5/12 | 巨人 | - | 6 2/3 | 8 | 3 | 0 | 3 | 3 |
| 5/19 | DeNA | 勝 | 6 | 3 | 3 | 2 | 0 | 3 |
| 5/26 | ロッテ | - | 7 | 7 | 8 | 0 | 0 | 1 |
| 6/3 | 日本ハム | 勝 | 6 | 7 | 4 | 2 | 1 | 3 |
| 6/9 | 西武 | - | 5 | 7 | 2 | 3 | 3 | 3 |
| 6/27 | 阪神 | - | 4 | 7 | 2 | 2 | 1 | 3 |
| 7/5 | 阪神 | 敗 | 5 | 8 | 6 | 2 | 2 | 4 |
| 7/12 | 中日 | 勝 | 6 | 2 | 4 | 2 | 1 | 5 |
| 7/20 | 巨人 | 敗 | 6 | 8 | 4 | 2 | 3 | 1 |
| 7/31 | 中日 | - | 7 | 6 | 2 | 2 | 1 | 3 |
| 8/18 | 中日 | - | 5 | 7 | 2 | 1 | 3 | 11 |
| 8/25 | DeNA | 勝 | 5 | 8 | 3 | 4 | 5 | 8 |
| 9/1 | 中日 | 勝 | 8 | 4 | 2 | 2 | 1 | 5 |
| 9/9 | 阪神 | 勝 | 8 | 4 | 3 | 1 | 0 | 3 |
| 9/17 | 阪神 | 敗 | 4 | 9 | 2 | 2 | 6 | 2 |
| 9/23 | 巨人 | 敗 | 6 | 4 | 1 | 2 | 0 | 1 |
| 10/1 | 中日 | 勝 | 9 | 5 | 5 | 0 | 1 | 5 |
クオリティ・スタートは23試合中15試合
今季の23試合のうち、6回以上を投げて自責点3以内に抑えたクオリティ・スタート(QS)は15試合。7回以上を投げた試合も7試合あり、4月19日のDeNA戦、4月28日の巨人戦、9月1日の中日戦、9月9日の阪神戦ではいずれも8回を投げ抜いている。シーズン最終登板となった10月1日の中日戦では、9回5安打1失点の完投勝利でシーズンを締めくくった。
一方で、5回以下で降板した試合も7試合あった。特に9月17日の阪神戦では4回9安打7失点(自責点6)と打ち込まれている。ただ、大きく崩れた試合は数えるほどで、多くの試合で先発としての役割を果たしている。
月別成績―夏場に一時調子を落とす
| 月 | 登板 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 | 被本塁打 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3月 | 1 | 0勝0敗 | 5 | 3.60 | 1.80 | 5 | 0 | 0 |
| 4月 | 4 | 1勝2敗 | 28 2/3 | 2.83 | 0.94 | 18 | 5 | 3 |
| 5月 | 4 | 1勝0敗 | 25 2/3 | 1.75 | 1.09 | 19 | 4 | 2 |
| 6月 | 3 | 1勝0敗 | 15 | 3.00 | 1.87 | 8 | 7 | 0 |
| 7月 | 4 | 1勝2敗 | 24 | 2.62 | 1.33 | 16 | 8 | 2 |
| 8月 | 2 | 1勝0敗 | 10 | 7.20 | 2.00 | 5 | 5 | 3 |
| 9月 | 4 | 2勝2敗 | 26 | 2.42 | 1.08 | 8 | 7 | 3 |
| 10月 | 1 | 1勝0敗 | 9 | 1.00 | 0.56 | 5 | 0 | 1 |
月別に見ると、床田は5月に4試合で防御率1.75と好調だった。4月もWHIP0.94と走者をほとんど出さない投球を見せている。一方で、6月はWHIPが1.87、8月は2試合で防御率7.20と、夏場に一時調子を落とした。7月31日の中日戦の後、次の登板は8月18日までおよそ2週間半空いている。
それでも9月以降は持ち直し、9月は4試合で防御率2.42、10月1日の最終登板は完投勝利。シーズン終盤にしっかりと立て直したことは、来季に向けても好材料といえる。
援護に恵まれた今季
同じ広島の森下が打線の援護に恵まれなかったのとは対照的に、床田は今季、比較的援護に恵まれた。床田が登板した23試合で、広島打線が挙げた得点は合計93点。1試合平均では4.04点で、広島のシーズン全体の1試合平均(3.01点)を1点以上上回っている。4月28日の巨人戦と8月18日の中日戦では、打線が11点を奪った。
ただし、6敗のうち5試合はチームの得点が2点以下で、4月19日のDeNA戦は8回2失点、9月23日の巨人戦は6回自責点0と好投しながら黒星がついた。勝ち星は8勝にとどまったが、防御率2.76という数字を考えれば、投球内容は十分に合格点だ。
巨人キラーとしての床田
| 相手 | 登板 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 | 被本塁打 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 巨人 | 4 | 1勝2敗 | 26 2/3 | 2.36 | 1.09 | 13 | 6 | 2 |
| 阪神 | 5 | 1勝3敗 | 27 | 3.67 | 1.59 | 22 | 9 | 3 |
| DeNA | 5 | 2勝1敗 | 31 2/3 | 3.69 | 1.23 | 15 | 9 | 4 |
| 中日 | 6 | 3勝0敗 | 40 | 2.02 | 1.00 | 20 | 7 | 5 |
| ロッテ | 1 | 0勝0敗 | 7 | 0.00 | 1.00 | 8 | 0 | 0 |
| 日本ハム | 1 | 1勝0敗 | 6 | 1.50 | 1.50 | 4 | 2 | 0 |
| 西武 | 1 | 0勝0敗 | 5 | 5.40 | 2.00 | 2 | 3 | 0 |
今季の床田は巨人と4試合で対戦し、1勝2敗、防御率2.36、WHIP1.09と好投した。4月28日の対戦では8回3安打1失点で勝利を挙げ、5月12日も6回2/3を3失点、7月20日は6回3失点とまとめた。9月23日の対戦では6回を投げて自責点0に抑えながら、味方打線の援護がなく敗戦投手となっている。4試合すべてで6回以上を投げ、巨人打線に大量点を許した試合は一度もなかった。
デイリースポーツは床田を「巨人キラー」と表現しており、巨人がチームとして苦しめられてきた左腕に白羽の矢を立てたと報じている。巨人にとって床田の獲得は、自軍の先発陣を強化すると同時に、ライバル球団から苦手な投手を引き抜くことにもつながる。
対戦球団別で最も相性がよかったのは中日で、6試合で3勝0敗、防御率2.02と好成績を残した。一方、阪神戦は5試合で1勝3敗、防御率3.67、WHIP1.59、DeNA戦も5試合で防御率3.69と、やや苦戦している。
森下暢仁との比較
巨人は床田と同じく、広島の森下暢仁の獲得調査も進めている。今季の2人の成績を比較してみる。
| 項目 | 床田寛樹 | 森下暢仁 |
|---|---|---|
| 登板 | 23 | 23 |
| 勝敗 | 8勝6敗 | 7勝11敗 |
| 投球回 | 143 1/3 | 137 2/3 |
| 防御率 | 2.76 | 3.60 |
| WHIP | 1.23 | 1.25 |
| 奪三振率 | 5.27 | 7.32 |
| 与四球率 | 2.26 | 3.33 |
| 被本塁打率 | 0.88 | 0.98 |
| QS | 15 | 13 |
| 巨人戦の防御率 | 2.36 | 2.97 |
| 登板試合のチーム平均得点 | 4.04 | 2.78 |
防御率は床田が2.76、森下が3.60と床田が上回り、クオリティ・スタートの数も床田が15試合と多い。与四球率も床田のほうが低く、今季に限れば安定感では床田が一歩リードしている。一方で、奪三振率は森下が7.32と大きく上回っており、三振を奪う力では森下に分がある。
勝敗の差には、打線の援護の違いも大きく影響している。床田が登板した試合のチーム平均得点は4.04点だったのに対し、森下は2.78点。防御率で見ても床田が上回っているが、勝敗ほどの大きな差があるわけではない。年齢は森下が29歳、床田が31歳と、森下のほうが2歳若い。
左腕の床田と右腕の森下は、タイプも異なる。巨人の先発陣は今季、竹丸和幸、井上温大と左腕が中心となって勝ち星を挙げており、ローテーションの左右のバランスを考えれば、右腕の補強も必要になる。巨人がどちらを優先するのか、あるいは両方の獲得を目指すのかも注目される。
巨人の先発陣と比べると
ここで、今季の巨人の主な先発投手の成績を確認しておく。
| 投手 | 登板 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|
| 井上温大 | 23 | 10勝8敗 | 147 | 2.02 | 0.98 |
| 竹丸和幸 | 22 | 11勝9敗 | 126 2/3 | 3.27 | 1.27 |
| ウィットリー | 14 | 3勝4敗 | 81 2/3 | 2.31 | 1.03 |
| 戸郷翔征 | 14 | 5勝3敗 | 80 | 2.48 | 1.03 |
| 田中将大 | 13 | 4勝4敗 | 68 1/3 | 3.42 | 1.42 |
| 小笠原慎之介 | 11 | 5勝4敗 | 66 1/3 | 2.31 | 0.98 |
| 西舘勇陽 | 14 | 2勝4敗 | 57 | 3.00 | 1.26 |
| ハワード | 7 | 3勝3敗 | 37 1/3 | 1.93 | 1.15 |
| 山﨑伊織 | 6 | 1勝1敗 | 33 1/3 | 4.59 | 1.47 |
今季の巨人では、井上が147回を投げて防御率2.02、竹丸が126回2/3で11勝と、若い左腕2人が先発陣を引っ張った。ウィットリー、戸郷、小笠原も防御率2点台と内容は悪くなかったが、いずれも80イニング前後にとどまっている。開幕投手の有力候補だった山﨑は6試合の登板で1勝1敗、防御率4.59に終わった。
床田の今季の143回1/3は、巨人の投手陣に当てはめれば井上に次ぐチーム2位の数字になる。防御率2.76も、今季の巨人で100イニング以上を投げた井上(2.02)と竹丸(3.27)の間に入る水準だ。巨人の先発陣に床田が加われば、井上、竹丸とあわせて先発左腕が3人そろうことになり、ローテーションの軸が一気に安定する。
もう1人の候補・エスピノーザ
巨人は床田とあわせて、オリックスのエスピノーザの調査も進めている。エスピノーザは今季23試合に登板して13勝6敗、防御率2.71、149回1/3を投げて136奪三振を記録し、北山亘基(日本ハム)と並んでパ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した。今季で契約が終了するため、去就が注目されている。
エスピノーザは右腕で、奪三振率は8点台と三振を奪える投手だ。打たせて取る左腕の床田とはタイプが大きく異なる。巨人が左右どちらの先発をどれだけ補強するのかによって、来季のローテーションの形は大きく変わってくる。
巨人が床田を求める理由
巨人が床田に大型契約を準備する最大の理由は、毎年規定投球回を投げ切ってくれる安定感にある。今季の巨人で100イニング以上を投げたのは井上(147回)と竹丸(126回2/3)の2人だけで、故障者が相次いだ先発陣は1年を通してローテーションを回すのに苦労した。4年連続で規定投球回に到達している床田が加われば、先発陣の計算は大きく立ちやすくなる。
また、床田は四球が少なく、打たせて取る投球で長いイニングを投げられる。リリーフ陣への負担を軽くできる点も魅力だ。今季の巨人は井上、竹丸という若い左腕が台頭したが、実績のある床田が加われば、左腕の層はさらに厚くなる。
獲得に向けた課題
一方で、懸念材料もある。床田は現在31歳で、4年契約となれば最終年の2030年には35歳を迎える。出来高を含めて4年16億円超という大型契約に見合う活躍を、4年間続けられるかどうかは未知数だ。
また、床田は奪三振が少なく、打たせて取るタイプの投手だ。本塁打が出やすいとされる東京ドームを本拠地とする場合、今季やや増えた被本塁打がどう影響するかも気になる点だ。さらに、床田本人がFA権を行使するかどうかもまだ決まっていない。残留の可能性も十分にある。権利を行使すれば、他球団との争奪戦になることも予想される。
まとめ
巨人が獲得調査を進める床田寛樹は、4年連続で規定投球回に到達し、通算65勝、防御率2.96を誇る広島の先発左腕だ。今季も8勝6敗、防御率2.76、クオリティ・スタート15試合と安定した投球を続け、巨人戦では4試合で防御率2.36と好投した。
巨人は出来高を含めて4年16億円超という大型契約を準備しているとされ、本気度の高さがうかがえる。床田がFA権を行使するのか、そして巨人が森下、エスピノーザとあわせてどのような補強を進めるのか。今オフの巨人の動向から目が離せない。