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巨人がエスピノーザの調査へ|パ最多勝右腕の年度別成績と2026年の投球を徹底分析、森下・床田とも比較【オリックス】

巨人が、オリックスのアンダーソン・エスピノーザ投手(28)の調査を進めていることが分かった。デイリースポーツが10月12日に報じたもので、巨人は広島の床田寛樹、森下暢仁とあわせて、今季パ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した右腕の動向も注視していくという。エスピノーザは今季でオリックスとの契約が終了するため、去就が注目されている。

エスピノーザは来日3年目の今季、13勝6敗、防御率2.71の好成績を残し、初のタイトルを手にした。この記事では、エスピノーザの来日からの年度別成績と通算成績を振り返ったうえで、今季2026年の成績を登板別、月別、対戦球団別に分析し、巨人が調査に乗り出した理由と獲得に向けた課題を整理する。

巨人がエスピノーザの調査へ

報道によると、巨人は来季の覇権奪還に向けて先発投手の補強を最大の課題に掲げており、FA権を取得した広島の床田には出来高を含めて4年16億円超の大型契約を準備しているという。それとあわせて調査を進めているのが、今季で契約が終了するエスピノーザだ。左の床田、右のエスピノーザと、去就が注目される左右の好投手の動向を注視しながら、先発陣の弱点を埋めていく方針だという。

今季の巨人は、山﨑伊織がケガで開幕から出遅れ、勝負どころの夏場にはエースの戸郷翔征もケガで離脱した。ウィットリー、ハワード、マタの外国人投手もそろって故障で途中離脱しており、1年を通してローテーションを守り抜ける先発投手が不足していた。

一方、オリックスにとってもエスピノーザは欠かせない存在だ。オリックスは今季、エースの宮城大弥と山下舜平大が肘の手術で長期離脱し、曽谷龍平も終盤に左肘の違和感で離脱するなど、先発陣の駒不足に苦しんだ。スポーツ報知は、エスピノーザに他球団が関心を寄せていると報じており、オリックスとしても残留交渉が重要な課題になる。

エスピノーザのプロフィール

  • 生年月日:1998年3月9日(28歳)
  • 出身:ベネズエラ
  • 投打:右投右打
  • 経歴:カブスなど-オリックス(2024年~)
  • 主なタイトル:最多勝(2026年)
  • NPB通算成績(3年):68登板 25勝23敗 防御率2.77

エスピノーザはベネズエラ出身の右腕で、メジャーリーグのカブスなどでのプレーを経て、2024年にオリックスに入団した。来日1年目から先発ローテーションに入り、3年間で68試合に登板している。

年度別成績と通算成績

まずはエスピノーザの来日からの年度別成績を見ていく。

年度球団登板勝敗完投完封投球回被安打被本塁打奪三振与四球防御率WHIP
2024オリックス227910133 2/31222113482.631.27
2025オリックス235810129 2/31313119472.981.37
2026オリックス2313611149 1/311811136332.711.01
通算-68252331412 2/3371163681282.771.21

来日1年目の2024年は22試合に登板して7勝9敗、防御率2.63。133回2/3を投げて被本塁打わずか2本と、長打を許さない投球で好成績を残した。2年目の2025年も23試合で防御率2.98と安定した投球を続けたが、5勝8敗と勝ち星には恵まれなかった。

そして3年目の今季、エスピノーザは一気に花開いた。23試合で13勝6敗、防御率2.71。自己最多の149回1/3を投げて136奪三振を記録し、日本ハムの北山亘基と並んでパ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した。WHIPは1.01と、走者をほとんど出さない投球が光った。

3年間の通算成績は68試合で25勝23敗、防御率2.77。3年連続で防御率2点台を記録しており、日本の野球に適応した安定感のある先発投手であることは数字が証明している。

投球指標の推移

続いて、奪三振率、与四球率、被本塁打率(いずれも9イニングあたり)とK/BB(奪三振÷与四球)の推移を見ていく。

年度奪三振率与四球率被本塁打率K/BB
20247.613.230.132.35
20258.263.260.212.53
20268.201.990.664.12
通算8.032.790.352.88

今季のエスピノーザで最も大きく変わったのは、四球の少なさだ。2024年と2025年の与四球率はいずれも3点台前半で、WHIPも1.27、1.37と走者を背負う場面が多かった。それが今季は与四球率1.99と大幅に改善し、K/BBは4.12と過去2年の2点台から大きく向上した。奪三振率は8点台を維持しており、三振を奪いながら四球を出さないという理想的な投球を実現している。

一方で、被本塁打は過去2年の2本、3本から、今季は11本に増えた。ストライクゾーンで積極的に勝負するようになったことで、長打を浴びる場面も増えたとみられる。それでも被本塁打率は0.66と低い水準にとどまっており、大きな弱点にはなっていない。

2026年の成績を分析

今季のエスピノーザは23試合に登板し、13勝6敗、防御率2.71、WHIP1.01。登板ごとの内容を詳しく見ていく。

登板別成績

日付相手勝敗投球回被安打奪三振与四球自責点チーム得点
4/1西武勝957104
4/8ロッテ勝764219
4/15西武勝648203
4/24日本ハム勝737113
5/2日本ハム-2 2/3731610
5/10日本ハム敗665320
5/20ソフトバンク勝645228
5/28DeNA-647101
6/4巨人敗7 1/359221
6/11ヤクルト勝745104
6/19西武-673156
6/27楽天敗678221
7/5西武勝752013
7/12ロッテ勝744227
7/21ソフトバンク勝748212
8/5楽天勝794213
8/12楽天敗576152
8/20西武勝849013
8/28ソフトバンク敗636120
9/5ロッテ-6610047
9/12楽天勝5 1/334525
9/19日本ハム勝765147
9/26日本ハム敗857010

クオリティ・スタートは23試合中17試合

今季の23試合のうち、6回以上を投げて自責点3以内に抑えたクオリティ・スタート(QS)は17試合。QS率は7割を超え、ほとんどの試合で先発としての役割を果たした。7回以上を投げた試合は12試合に上り、開幕直後の4月1日の西武戦では9回5安打無失点の完封勝利を挙げている。

崩れた試合は数えるほどしかない。5月2日の日本ハム戦では2回2/3を6失点で降板し、6月19日の西武戦と8月12日の楽天戦ではいずれも5失点を喫したが、それ以外の20試合はすべて自責点4以内にまとめている。

1試合平均6回1/3超、少ない球数で長いイニング

エスピノーザの持ち味のひとつが、少ない球数で長いイニングを投げられることだ。今季の23試合で投げた149回1/3は、1試合平均にすると6回1/3を超える。投球数の合計は2239球で、1イニングあたりの球数はおよそ15球。無駄な四球が減ったことで、テンポよく打者を打ち取れるようになった。

100球以上を投げた試合は9試合あり、7月21日のソフトバンク戦では116球を投じて7回1失点と粘った。8月20日の西武戦では101球で8回を投げ、四球0、9奪三振、1失点と、今季を象徴するような投球を見せている。シーズンを通して先発ローテーションを守り、毎試合のように6回以上を計算できる安定感は、どの球団にとっても大きな魅力だ。

月別成績―4月は防御率0.62

月登板勝敗投球回防御率WHIP奪三振与四球被本塁打
4月44勝0敗290.620.832660
5月41勝1敗20 2/34.351.352072
6月41勝2敗26 1/33.081.102562
7月33勝0敗211.710.811441
8月42勝2敗263.121.042542
9月42勝1敗26 1/33.760.992664

月別に見ると、エスピノーザは開幕から圧倒的な投球を見せた。4月は4試合すべてで勝ち星を挙げ、29回を投げて自責点わずか2、防御率0.62。7月も3試合で3勝0敗、防御率1.71と好調だった。5月は日本ハム戦の大量失点が響いて防御率4.35となったが、WHIPは全ての月で1.35以下に収まっており、月ごとの波が小さいのもエスピノーザの特徴だ。

被本塁打は日本ハム戦に集中

今季の被本塁打11本のうち、5本は日本ハム戦で浴びたものだった。特に9月19日の日本ハム戦では、7回を投げて勝ち投手になったものの、1試合で3本塁打を許している。9月は4試合で4本塁打と、シーズン終盤に長打を浴びる場面が増えた。

来日1年目の2024年は133回2/3で被本塁打2本、2025年も129回2/3で3本と、エスピノーザはもともと本塁打を極端に打たれない投手だった。今季は四球を減らすためにストライクゾーンで勝負する場面が増え、その分だけ長打を浴びるリスクも高まったとみられる。それでも被本塁打率は0.66と低い水準にとどまっており、四球の大幅な減少と引き換えと考えれば、十分にプラスの変化といえる。

援護と勝ち星

今季のエスピノーザが13勝を挙げられた背景には、打線の援護もある。エスピノーザが登板した23試合で、オリックス打線が挙げた得点は合計89点。1試合平均は3.87点で、オリックスのシーズン全体の1試合平均(3.34点)を上回った。

ただし、6敗のうち5試合はチームの得点が1点以下だった。6月4日の巨人戦は7回1/3を2失点、9月26日の日本ハム戦は8回1失点と好投しながら、いずれも援護に恵まれず黒星がついている。過去2年は防御率2点台を記録しながら7勝9敗、5勝8敗と負け越していたことを考えれば、今季の13勝は実力相応の数字といえる。

対戦球団別成績―巨人戦は7回1/3を2失点

相手登板勝敗投球回防御率WHIP奪三振与四球被本塁打
西武54勝0敗361.750.812941
日本ハム52勝2敗30 2/34.111.082765
楽天42勝2敗23 1/33.861.5422102
ソフトバンク32勝1敗192.370.841951
ロッテ32勝0敗203.151.001841
巨人10勝1敗7 1/32.450.95921
DeNA10勝0敗60.000.83710
ヤクルト11勝0敗70.000.71510

対戦球団別では、西武に5試合で4勝0敗、防御率1.75と圧倒的な強さを見せた。ソフトバンク戦も3試合で防御率2.37と好投している。一方で、日本ハム戦は5試合で被本塁打5本、防御率4.11と苦戦し、楽天戦も4試合でWHIP1.54と走者を背負う場面が多かった。

巨人とは交流戦の6月4日に1度対戦し、7回1/3を投げて5安打、9奪三振、2失点と好投した。味方打線が1点しか取れずに敗戦投手となったが、巨人打線を相手にも十分に通用する投球を見せている。

森下暢仁、床田寛樹との比較

巨人は、エスピノーザとあわせて広島の森下暢仁、床田寛樹の調査も進めている。今季の3投手の成績を比較してみる。

項目エスピノーザ床田寛樹森下暢仁
所属オリックス広島広島
年齢・投打28歳・右投31歳・左投29歳・右投
登板232323
勝敗13勝6敗8勝6敗7勝11敗
投球回149 1/3143 1/3137 2/3
防御率2.712.763.60
WHIP1.011.231.25
奪三振率8.205.277.32
与四球率1.992.263.33
被本塁打率0.660.880.98
QS171513

3人の中で、今季の成績が最も優れているのはエスピノーザだ。勝利数、投球回、防御率、WHIP、奪三振率、与四球率、被本塁打率、QSのいずれでも3人の中でトップに立っている。年齢も28歳と3人の中で最も若い。

タイプで見ると、エスピノーザと森下は三振を奪える右腕、床田は打たせて取る左腕だ。ただし、今季の与四球率は森下の3.33に対してエスピノーザは1.99と、安定感ではエスピノーザが上回っている。今季の巨人は竹丸和幸、井上温大と左腕が先発陣の中心だっただけに、右の先発を補強したい巨人にとって、エスピノーザは最も条件に合う候補の1人といえる。

巨人の先発陣と比べると

投手登板勝敗投球回防御率WHIP
井上温大2310勝8敗1472.020.98
竹丸和幸2211勝9敗126 2/33.271.27
ウィットリー143勝4敗81 2/32.311.03
戸郷翔征145勝3敗802.481.03
田中将大134勝4敗68 1/33.421.42
小笠原慎之介115勝4敗66 1/32.310.98
西舘勇陽142勝4敗573.001.26
ハワード73勝3敗37 1/31.931.15
山﨑伊織61勝1敗33 1/34.591.47

今季の巨人で100イニング以上を投げたのは、井上(147回)と竹丸(126回2/3)の2人だけだった。エスピノーザの149回1/3は、巨人の投手陣に当てはめれば井上を上回るチームトップの数字になる。防御率2.71、WHIP1.01という数字も、100イニング以上を投げた井上(防御率2.02、WHIP0.98)に迫る水準だ。

右腕の戸郷と山﨑が不本意なシーズンに終わったこともあり、今季の巨人には1年を通して投げ続けた右の先発がいなかった。エスピノーザが加われば、井上、竹丸の左腕2人と組んで、左右のバランスの取れたローテーションを組むことができる。

獲得に向けた課題

エスピノーザ獲得に向けた課題のひとつが、外国人枠の問題だ。NPBでは一軍に登録できる外国人選手の数に制限があり、巨人には今季もウィットリー、ハワード、マタ、マルティネスらの外国人投手が在籍していた。エスピノーザを獲得する場合、来季の外国人選手の編成全体をどうするかも検討する必要がある。

また、オリックスも宮城、山下の長期離脱が見込まれる中で、今季の最多勝投手を簡単に手放すとは考えにくい。他球団も関心を寄せていると報じられており、条件面での争奪戦になる可能性が高い。さらに、エスピノーザ自身がメジャーリーグへの復帰を視野に入れる可能性も考えられ、去就は不透明だ。

本拠地となる球場の違いも気になる点だ。オリックスの本拠地・京セラドーム大阪に比べ、東京ドームは本塁打が出やすい球場とされる。今季被本塁打が増えたエスピノーザにとって、移籍後に長打をどこまで抑えられるかはひとつのポイントになるだろう。

来季からはセ・リーグでもDH制が導入されるため、投手が打席に立つ負担はなくなる。それでも、セ・リーグへの移籍となれば対戦する打者や球場が大きく変わり、新たな環境への適応が求められる。

まとめ

巨人が調査を進めるエスピノーザは、来日3年目の今季に13勝6敗、防御率2.71の成績で最多勝のタイトルを獲得した右腕だ。与四球率を大きく改善させ、WHIP1.01、QS17試合と安定感は抜群。今季の成績では、同じく調査対象とされる森下、床田を上回っている。

オリックスとの契約が今季で終了するエスピノーザが、残留するのか、それとも移籍を選ぶのか。巨人が床田、森下とあわせてどのような補強に動くのかも含めて、今オフの最大の注目株の1人になりそうだ。

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