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西武はなぜCSで勝てないのか|全35試合で10勝25敗、先制されると2勝22敗…負けパターンをデータで分析【2026年】

2026年のJERA クライマックスシリーズ パ・ファーストステージで、レギュラーシーズン2位の西武は3位の日本ハムに1勝2敗で敗れ、今季の戦いを終えた。第1戦はカナリオのサヨナラ本塁打で先勝したものの、第2戦は0-1、第3戦は1-4と打線が沈黙。3試合で奪った得点はわずか4点だった。

シーズン79勝60敗4分の2位、交流戦は14勝3敗1分で優勝と、2022年以来4年ぶりのAクラス入りを果たした西口文也監督2年目のシーズンは、またしてもCSの初戦突破を果たせずに幕を閉じた。西武が2位でファーストステージを迎えるのは5度目だが、そのすべてで敗退している。

西武がCSでファイナルステージを突破したのは、日本一に輝いた2008年の1度だけ。2009年以降は10度のステージに挑んで、突破は2011年のファーストステージ1度にとどまる。この記事では、2008年以降に西武が戦ったCS全35試合のスコアをもとに、「なぜ西武はCSで勝てないのか」、その負け方に共通点はあるのかを分析していく。

西武のCS成績一覧

年順位ステージ相手勝敗結果
20081位第2ステージ日本ハム3勝2敗突破(日本一)
20102位1stロッテ0勝2敗敗退
20113位1st日本ハム2勝0敗突破
20113位ファイナルソフトバンク0勝3敗敗退
20122位1stソフトバンク1勝2敗敗退
20132位1stロッテ1勝2敗敗退
20172位1st楽天1勝2敗敗退
20181位ファイナルソフトバンク1勝4敗敗退
20191位ファイナルソフトバンク0勝4敗敗退
20223位1stソフトバンク0勝2敗敗退
20262位1st日本ハム1勝2敗敗退

※勝敗はリーグ優勝チームに与えられるアドバンテージの1勝を含まない、実際の試合結果。

西武がCSに出場したのは2008年以降で10シーズン、戦ったステージは11。突破したのは2008年のファイナル(当時の名称は第2ステージ)と2011年のファーストステージの2度だけで、それ以外の9ステージはすべて敗退している。

特に目立つのが、リーグ優勝した2018年と2019年のファイナルステージだ。2018年は88勝53敗2分、勝率.624で10年ぶりのリーグ優勝を果たしながら、ファイナルでソフトバンクに1勝4敗。翌2019年も連覇を達成したが、再びソフトバンクに4連敗を喫した。2年連続でアドバンテージを持ちながら、日本シリーズにたどり着けなかった。

CS全35試合の結果

年ステージ試合相手スコア勝敗
2008第2第1戦日本ハム10-3○
2008第2第2戦日本ハム0-5●
2008第2第3戦日本ハム4-7●
2008第2第4戦日本ハム9-4○
2008第2第5戦日本ハム9-0○
20101st第1戦ロッテ5-6(延長11回)●
20101st第2戦ロッテ4-5(延長11回)●
20111st第1戦日本ハム5-2(延長11回)○
20111st第2戦日本ハム8-1○
2011ファイナル第1戦ソフトバンク2-4●
2011ファイナル第2戦ソフトバンク2-7●
2011ファイナル第3戦ソフトバンク1-2(延長12回)●
20121st第1戦ソフトバンク1-2●
20121st第2戦ソフトバンク8-0○
20121st第3戦ソフトバンク2-3●
20131st第1戦ロッテ1-11●
20131st第2戦ロッテ15-0○
20131st第3戦ロッテ1-4●
20171st第1戦楽天10-0○
20171st第2戦楽天1-4●
20171st第3戦楽天2-5●
2018ファイナル第1戦ソフトバンク4-10●
2018ファイナル第2戦ソフトバンク13-5○
2018ファイナル第3戦ソフトバンク4-15●
2018ファイナル第4戦ソフトバンク2-8●
2018ファイナル第5戦ソフトバンク5-6●
2019ファイナル第1戦ソフトバンク4-8●
2019ファイナル第2戦ソフトバンク6-8●
2019ファイナル第3戦ソフトバンク0-7●
2019ファイナル第4戦ソフトバンク3-9●
20221st第1戦ソフトバンク3-5●
20221st第2戦ソフトバンク2-8●
20261st第1戦日本ハム3-2(延長10回)○
20261st第2戦日本ハム0-1●
20261st第3戦日本ハム1-4●

2008年から2026年までの全35試合の通算成績は10勝25敗、勝率.286。総得点は150点、総失点は171点だった。得失点差はマイナス21点にとどまるにもかかわらず、勝敗では15もの負け越しになっている。この「得失点の割に勝てていない」という点に、西武のCSでの負け方の特徴が隠れている。

勝つ時は大勝、負ける時は打てない

項目勝ち試合負け試合
試合数1025
1試合平均得点9.02.4
1試合平均失点1.76.2
西武が先制83
相手が先制222
1点差17
5点差以上89

35試合を勝ち試合と負け試合に分けると、極端な差が浮かび上がる。勝った10試合の平均得点は9.0点。2013年ファーストステージ第2戦の15-0、2018年ファイナル第2戦の13-5、2017年ファーストステージ第1戦の10-0、2008年第2ステージ第1戦の10-3と、10点以上を挙げた試合が4度もある。10勝のうち8試合は5点差以上の大勝で、1点差で勝ったのは2026年ファーストステージ第1戦(延長10回サヨナラ)の1試合しかない。

一方、負けた25試合の平均得点は2.4点。2点以下に抑えられた試合が15試合あり、完封負けも3試合ある。打線が爆発する日と沈黙する日の落差が大きく、勝った試合の得点で総得点が押し上げられているのが、得失点差の割に勝敗が悪い理由だ。

接戦にも弱い。1点差試合は1勝7敗、延長戦は2勝3敗。短期決戦では1試合の大勝よりも、競った試合をいくつ拾えるかが勝ち抜けを左右する。西武は「勝つ時は派手に勝つが、競った試合を落とす」という負け方を、CSの舞台で繰り返してきた。

負けパターン①先制を許すと2勝22敗

もう一つの顕著な傾向が、先制点の有無だ。35試合のうち、西武が先制した試合は8勝3敗。それに対して、相手に先制を許した試合は2勝22敗と、ほとんど勝てていない。負けた25試合のうち22試合は、相手に先に点を取られている。

先制を許して逆転勝ちしたのは、2011年ファーストステージの2試合だけだ。第1戦は1回にダルビッシュ有から2点を先制されたが、7回、9回に1点ずつを返して追いつき、延長11回にフェルナンデスの2点適時打などで3点を勝ち越した。第2戦も4回に先制されたが、5回に追いつき、8回に勝ち越し、9回に6点を奪った。逆に言えば、それ以降の15年間、西武はCSで先制されてから一度も逆転勝ちできていない。

さらに、1回に失点した試合が多いのも特徴だ。負けた25試合のうち10試合で、1回に先制点を奪われている。特に2017年から2019年にかけての負け試合では、10試合中8試合で1回に失点した。試合開始直後から追いかける展開になり、そのまま押し切られるケースが目立つ。

負けパターン②大勝の翌日に沈む

「勝つ時は大勝」の裏返しとして、大勝した翌日の試合に勝てないというジンクスもある。5点差以上で勝った試合の次の試合は、1勝6敗。唯一の勝ちは、2008年第2ステージ第4戦(9-4)の翌日の第5戦(9-0)だけだ。

2012年ファーストステージは、第1戦を1-2で落とした後、第2戦で3回に一挙7点を奪って8-0と大勝。しかし第3戦は2-3で敗れた。2013年も第1戦に1-11で大敗した後、第2戦はプレーオフ記録となる20安打で15-0。それでも第3戦は1-4で敗退した。2017年は第1戦で菊池雄星が完封し10-0で先勝したが、第2戦は1-4、第3戦は2-5と連敗した。

2018年のファイナルも同様だ。第1戦を4-10で落とした後、第2戦は栗山巧の6打点の活躍などで13-5と大勝し、アドバンテージを含めて2勝1敗とリードした。ところが第3戦は投手陣が崩れて4-15で大敗し、そこから3連敗。大勝で流れをつかんだかに見えても、翌日には打線が湿り、勢いが続かない。

特に2012年、2013年、2017年の3度のファーストステージは、いずれも1試合を8点差以上で大勝しながら、残りの2試合を落として1勝2敗で敗退している。3試合で勝負が決まるファーストステージで、1試合の大勝は勝ち抜けにつながらないことを示している。

時代によって変わる負け方

時期試合勝敗平均得点平均失点
2008年53勝2敗6.43.8
2010~2013年134勝9敗4.23.6
2017~2019年122勝10敗4.57.1
2022・2026年51勝4敗1.84.0
通算3510勝25敗4.34.9

ここまで通算の傾向を見てきたが、時代ごとに区切ると、負け方の中身が変わってきていることも分かる。大きく分けると、渡辺久信監督時代の2010~2013年、辻発彦監督時代の2017~2019年、そして2022年と2026年の3つの時期で、それぞれ異なる敗因が見えてくる。

2010~2013年:終盤に競り負ける

この時期の西武は、CSで13試合を戦って4勝9敗。しかし得点55、失点47と、得失点では相手を上回っていた。9敗のうち5試合が1点差負けで、接戦を終盤に落とす試合が続いた。9敗で喫した44失点のうち、21点は8回以降に奪われたものだ。

象徴的なのが2010年のファーストステージだ。第1戦は8回に4点を奪って5-1とリードしたが、9回に涌井秀章の降板後、救援陣が金泰均と里崎智也に2点適時打を浴びて同点に追いつかれた。延長11回に福浦和也に勝ち越し本塁打を浴び、5-6で敗れた。第2戦も1回に3点を先制しながら、2回、6回、7回に1点ずつを返され、9回に里崎に同点本塁打を浴びると、延長11回に井口資仁の適時打で勝ち越された。2試合とも、リードを守り切れずに延長戦で敗れている。

2011年のファイナルでも、第3戦は涌井が9回まで無失点と好投し、延長10回にフェルナンデスの適時二塁打で先制した。しかしその裏に長谷川勇也の適時二塁打で追いつかれ、12回に長谷川にサヨナラ打を浴びた。第2戦も2回に逆転してリードしたが、6回に再逆転され、8回に代打・松中信彦に満塁本塁打を浴びている。

2012年は第1戦を1-2、第3戦を2-3と、いずれも1点差で落とした。第1戦は牧田和久が9回を完投しながら打線が援護できず、9回の無死満塁でも1点しか奪えなかった。2013年の第3戦は1-2の8回に、救援の涌井が盗塁と捕手の悪送球で走者を三塁に進められ、四球で一死一、三塁のピンチを招くと、角中勝也に2点三塁打を浴びて勝負が決まった。この試合、西武は安打数ではロッテを8-7と上回っていたが、あと1本が出なかった。

この時期の負け方をまとめると、「リードしても終盤に救援陣が打たれる」「好機であと1本が出ない」の2つになる。力負けではなく、競り負けて敗退してきた時期といえる。

2017~2019年:投手陣が序盤から崩壊

辻発彦監督のもとで「山賊打線」と呼ばれる強力打線を築いた2017~2019年は、負け方ががらりと変わる。この3年間のCSは12試合で2勝10敗、得点54に対して失点は85。1試合平均7.1失点と、投手陣が大量失点を重ねた。

2018年のファイナルでは、ソフトバンクに5試合で44点を奪われた。第1戦は先発の菊池雄星が5回6失点。第3戦は榎田大樹が3回4失点で降板すると、2番手の十亀剣が2回で8点を失い、4-15の大敗を喫した。第4戦は先発の今井達也が1回に柳田悠岐、2回に甲斐拓也に2ラン本塁打を浴び、第5戦も1回に柳田の走者一掃の二塁打で3点を先制された。2018年の西武は、リーグ優勝しながらチーム防御率4.24がリーグワーストという、打線で勝ち抜いたチームだった。その弱点が、短期決戦で最も厳しい形で表れた。

2019年のファイナルも、チーム防御率4.35でリーグワーストのまま連覇した投手陣が4試合で32失点。第1戦は3回に中村剛也の適時打と外崎修汰の2点三塁打で逆転したが、8回に追いつかれ、森友哉の捕逸で勝ち越しを許した。第3戦は千賀滉大に8回2安打10奪三振に抑えられて完封負け、第4戦は今宮健太に3本塁打を浴びて3-9で敗れた。

この時期の負け試合10試合で奪われた80点のうち、28点は3回までに失ったものだ。山賊打線が1試合平均4.5点を奪っても、それ以上の点を序盤から取られて追いつけない。2010~2013年とは逆に、打ち負けて敗退してきたのがこの時期だ。

2022・2026年:打線が沈黙

直近の2度のCSでは、今度は打線が沈黙している。2022年と2026年のファーストステージ計5試合で、西武が奪った得点はわずか9点。1試合平均1.8点で、負けた4試合に限れば計6点、1試合平均1.5点しか取れていない。

2022年は第1戦で千賀に8回11三振を奪われ、3回に柳田に3ランを浴びて3-5で敗戦。第2戦も3回に柳田に満塁本塁打を浴び、2-8で敗れた。2試合を通じて一度もリードを奪えないまま敗退している。2026年も、投手陣は3試合で7失点と踏ん張ったが、第2戦は髙橋光成が7回1失点の好投を見せながら0-1で敗戦。第3戦も5安打1得点に終わった。

2017~2019年は投手陣が打たれて負けたが、直近2度のCSは打線が点を取れずに負けている。時期によって敗因は異なるものの、「先制を許し、そのまま押し切られる」という展開は共通している。

本拠地でのファーストステージは5度とも敗退

ファーストステージは、2位チームの本拠地で3試合すべてが行われ、引き分けの場合も2位チームが勝ち上がる。2位チームにとって有利な仕組みだが、西武はこの条件を生かせていない。2位で本拠地にファーストステージを迎えた2010年、2012年、2013年、2017年、2026年の5度はすべて敗退し、試合単位でも4勝10敗と大きく負け越している。

5度のうち4度は第1戦か第2戦で1勝を挙げながら、残りの試合を落としての敗退だった。2012年と2013年は第2戦の大勝で1勝1敗としながら第3戦に敗れ、2017年と2026年は第1戦に勝ちながら2連敗した。1勝すれば王手、引き分けでも勝ち上がれる状況で、あと1勝が遠かった。

ファーストステージで勝ち上がったのは、3位だった2011年だけ。敵地の札幌ドームで、ダルビッシュ有から粘って延長戦をものにし、第2戦も終盤に突き放した。有利な条件で迎えた本拠地のファーストステージよりも、挑戦者として敵地に乗り込んだ時の方が結果を残しているのは皮肉だ。

ソフトバンクにCS通算2勝15敗

相手試合勝敗得点失点
ソフトバンク172勝15敗62107
日本ハム106勝4敗4929
ロッテ51勝4敗2626
楽天31勝2敗139

対戦相手別に見ると、ソフトバンクとの相性の悪さが際立つ。2011年のファイナル、2012年のファーストステージ、2018年・2019年のファイナル、2022年のファーストステージと、CSで5度対戦して5度とも敗退。試合単位でも2勝15敗で、得点62に対して失点は107にのぼる。

特に2018年と2019年は、リーグ優勝した西武がアドバンテージを持って迎えたファイナルで、2年続けて2位からファーストステージを勝ち上がってきたソフトバンクに敗れた。2年間の計9試合で76失点と、ソフトバンク打線を止められなかった。

一方で、日本ハムには6勝4敗と勝ち越しており、2008年の第2ステージ、2011年のファーストステージと、西武が突破したステージはいずれも日本ハムとの対戦だった。ただ今季は、その日本ハムにも敗れた。

2026年ファーストステージの3試合

試合日付スコア勝敗西武先発勝利投手敗戦投手
第1戦10/103-2(延長10回)○平良豆田細野
第2戦10/110-1●髙橋光成達髙橋光成
第3戦10/121-4●武内伊藤武内

今季のファーストステージも、ここまで見てきた負けパターンをなぞる形になった。第1戦は平良海馬が先発し、5回2失点、8奪三振。1回に平沢大河のソロ本塁打で先制し、4回に奈良間大己の2ランで逆転されたが、5回に追いつき、延長10回にカナリオのサヨナラ本塁打で先勝した。

しかし第2戦は、髙橋光成が127球を投げて7回1失点と好投しながら、打線が日本ハムの達孝太を打ち崩せず、5回の1点に泣いて0-1で敗戦。第3戦は先発の武内夏暉が2回に先制を許し、4回には万波中正にソロ本塁打を浴びた。打線は5回に1点を返したのみで、5安打1得点。1-4で敗れ、ファイナル進出を逃した。

3試合の得点は計4点。2試合連続で先制点を奪われ、その後一度も追いつけなかった。投手陣が3試合で7失点と踏ん張っただけに、打線の沈黙が響いた形だ。

まとめ

西武は2008年以降のCSで10勝25敗。突破したステージは2008年の第2ステージと2011年のファーストステージの2つだけで、2位でファーストステージを迎えた5度はすべて敗退、リーグ優勝した2018年・2019年もファイナルで敗れている。

35試合を振り返ると、負け方にははっきりとした共通点がある。

  • 先制を許した試合は2勝22敗。先制されてからの逆転勝ちは2011年を最後にない
  • 勝ち試合の平均9.0得点に対して、負け試合は平均2.4得点。打線の好不調の波が大きい
  • 5点差以上の大勝の翌日は1勝6敗。大勝しても勢いが続かない
  • 1点差試合は1勝7敗。接戦をものにできない
  • ソフトバンクには2勝15敗

時期ごとに見ると、2010~2013年は終盤に競り負け、2017~2019年は投手陣が序盤から崩れ、2022年と2026年は打線が沈黙した。負けた理由は時代とともに変わったが、どの時期も、相手に先制を許してそのまま押し切られる展開が多い。

今季の西武は、投手陣は短期決戦でも十分に戦える力を示した。来季こそ、先制点を奪い、接戦を拾える打線を整えられるか。2008年以来となるファイナル突破、そして日本シリーズ進出に向けて、課題ははっきりしている。

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