10月22日のプロ野球ドラフト会議を前に、オリックスは投手陣の立て直しが急務になっている。岸田護監督のもとで戦った今季は65勝76敗2分の4位。チーム防御率3.96、失点605はいずれもリーグワーストで、本塁打96本もリーグ最少だった。
この記事では、オリックスの今季の成績、投手・野手の年齢構成、ポジション別のスタメン出場回数を表で確認し、チームの弱点を踏まえたドラフト戦略を考える。
今季の成績―防御率と本塁打がリーグ最下位
| 項目 | 成績 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| 順位 | 4位 | - |
| 勝敗 | 65勝76敗2分 | - |
| 勝率 | .461 | 4位 |
| 得点 | 483 | 5位 |
| 失点 | 605 | 6位 |
| チーム打率 | .241 | 4位 |
| 本塁打 | 96 | 6位 |
| 盗塁 | 42 | 6位 |
| チーム防御率 | 3.96 | 6位 |
オリックスは首位のソフトバンクから26.5ゲーム差の4位に終わった。投手陣はチーム防御率3.96、失点605がリーグ最下位。打線もチーム打率.241はリーグ4位だったが、本塁打96本、盗塁42はいずれもリーグ最少で、得点483はリーグ5位にとどまった。投打の両面で、長打と投手力の不足が目立ったシーズンだった。
年齢・ポジション別の戦力構成
投手
| 年齢 | 投手(右) | 投手(左) |
|---|---|---|
| 〜20 | 藤川・森陽樹・山口・陳 | 佐藤龍月 |
| 21 | 宮國 | 東松 |
| 22 | 齋藤 | |
| 23 | 髙谷 | |
| 24 | 山下・寺西・片山・川瀬 | |
| 25 | 吉田 | 宮城・佐藤一磨 |
| 26 | 椋木・東山・入山・才木・権田 | 曽谷 |
| 27 | 東・古田島・本田・髙島 | |
| 28 | エスピノーザ・山﨑 | |
| 29 | 横山楓・博志・ジェリー | 富山 |
| 30 | 田嶋 | |
| 31 | 山岡 | |
| 32 | ||
| 33 | マチャド | |
| 34 | ||
| 35〜 | 九里・岩嵜 | |
| 人数 | 30 | 7 |
野手
| 年齢 | 捕手 | 内野(右打) | 内野(左打) | 外野(右打) | 外野(左打) |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜20 | 窪田 | ||||
| 21 | 堀 | 横山聖哉 | |||
| 22 | 内藤 | ||||
| 23 | 池田 | ||||
| 24 | 紅林 | 麦谷・来田 | |||
| 25 | 太田 | ||||
| 26 | 山中 | 宜保 | 杉澤 | ||
| 27 | 福永 | 野口 | 渡部 | ||
| 28 | シーモア | ||||
| 29 | 廣岡 | 平沼 | |||
| 30 | 中川 | 宗 | |||
| 31 | 若月・森友哉・石川 | ||||
| 32 | 西川 | ||||
| 33 | 大城 | ||||
| 34 | |||||
| 35〜 | 杉本 | ||||
| 人数 | 6 | 6 | 5 | 3 | 6 |
支配下選手を今季の年齢とポジション(投手は右左、野手は打席の右左)で分けたのが上の2つの表だ。投手は左投手が7人しかいない。野手は二遊間の紅林弘太郎(24歳)、太田椋(25歳)が若い一方、外野の右打ちが少ない。
野手の課題―一塁・DHの長距離打者
主な野手の今季成績
| 選手 | 年齢 | 守備・打席 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 西川龍馬 | 32 | 外野・左 | 143 | 612 | .271 | 13 | 54 | 1 | .702 |
| 宗佑磨 | 30 | 内野・左 | 134 | 541 | .245 | 14 | 65 | 6 | .724 |
| 紅林弘太郎 | 24 | 内野・右 | 136 | 532 | .260 | 18 | 60 | 1 | .764 |
| 太田椋 | 25 | 内野・右 | 125 | 515 | .280 | 9 | 50 | 0 | .751 |
| 中川圭太 | 30 | 内野・右 | 113 | 438 | .252 | 6 | 33 | 3 | .652 |
| 来田涼斗 | 24 | 外野・左 | 103 | 356 | .260 | 9 | 43 | 4 | .710 |
| 山中稜真 | 26 | 捕手 | 92 | 353 | .259 | 2 | 26 | 2 | .669 |
| 若月健矢 | 31 | 捕手 | 114 | 342 | .221 | 2 | 19 | 0 | .578 |
| 森友哉 | 31 | 捕手 | 66 | 252 | .243 | 7 | 24 | 0 | .697 |
| 渡部遼人 | 27 | 外野・左 | 97 | 252 | .226 | 3 | 13 | 18 | .604 |
| 野口智哉 | 27 | 内野・左 | 83 | 166 | .223 | 4 | 21 | 2 | .625 |
| シーモア | 28 | 内野・左 | 42 | 144 | .158 | 3 | 15 | 0 | .433 |
チームトップの本塁打は、遊撃の紅林の18本。宗佑磨(14本)、西川龍馬(13本)が続くが、20本塁打以上の打者は1人もいない。OPSでも紅林の.764が最高で、太田(.751)、宗(.724)、来田涼斗(.710)、西川(.702)と、.700台の打者が並ぶ。打線全体で長打力が不足している。
ポジション別のスタメン出場回数
| ポジション | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 捕手 | 若月(101) | 森友(20) | 福永(11) |
| 一塁 | 山中(58) | 太田(52) | シーモア(26) |
| 二塁 | 太田(72) | 野口(31) | 西野(16) |
| 三塁 | 宗(128) | 西野(7) | 野口(4) |
| 遊撃 | 紅林(134) | 野口(4) | 横山聖(4) |
| 左翼 | 西川(92) | 中川(23) | 山中(15) |
| 中堅 | 渡部(59) | 中川(46) | 麦谷(18) |
| 右翼 | 来田(73) | 中川(35) | 廣岡(12) |
| 指名打者 | 西川(51) | 森友(43) | 杉本(16) |
今季143試合のスタメンをポジション別に集計した。カッコ内はスタメンでの出場試合数だ。
- 固定できたポジション:遊撃の紅林(134試合)、三塁の宗(128試合)、左翼の西川(92試合)、捕手の若月健矢(101試合)
- 一塁:山中稜真(58試合)、太田(52試合)、シーモア(26試合)の併用。シーモアは打率.158、OPS.433と苦しんだ
- 中堅:渡部遼人(59試合)、中川圭太(46試合)、麦谷祐介(18試合)の併用
- 指名打者:西川(51試合)、森友哉(43試合)、杉本裕太郎(16試合)、シーモア(12試合)と固定できなかった
最も手薄なのは、一塁と指名打者を任せられる長距離打者だ。本来は長打を期待されるポジションで、併用が続いた。4番も太田が80試合を務めたが、太田は9本塁打。中軸を担う長距離打者の獲得が、打線の立て直しに欠かせない。
さらに、中堅や右翼を守った中川は国内FA権を取得し、阪神が獲得調査に乗り出すと報じられている。中川が流出すれば、外野と一塁の層はさらに薄くなる。
捕手―若月を中心に3人
| 捕手 | 年齢 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 山中稜真 | 26 | 92 | 353 | .259 | 2 | 26 | .669 |
| 若月健矢 | 31 | 114 | 342 | .221 | 2 | 19 | .578 |
| 森友哉 | 31 | 66 | 252 | .243 | 7 | 24 | .697 |
| 福永奨 | 27 | 28 | 36 | .125 | 1 | 2 | .402 |
| 堀柊那 | 21 | 12 | 25 | .160 | 0 | 1 | .320 |
| 石川亮 | 31 | 10 | 8 | .000 | 0 | 0 | .000 |
捕手は若月(31歳)が101試合でスタメンマスクをかぶり、森友(31歳)は指名打者での出場が中心だった。山中(26歳)も捕手登録ながら一塁で多く出場している。21歳の堀柊那らの若手もいるが、まだ1軍の戦力にはなっていない。
投手の課題―左の先発と投手陣の再建
| 投手 | 投 | 年齢 | 登板 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 九里亜蓮 | 右 | 35〜 | 27 | 9 | 12 | 0 | 0 | 163.2 | 3.19 |
| エスピノーザ | 右 | 28 | 23 | 13 | 6 | 0 | 0 | 149.1 | 2.71 |
| ジェリー | 右 | 29 | 21 | 3 | 10 | 0 | 0 | 112 | 3.38 |
| 髙島泰都 | 右 | 27 | 23 | 7 | 6 | 0 | 1 | 99.1 | 4.98 |
| 曽谷龍平 | 左 | 26 | 14 | 5 | 8 | 0 | 0 | 78.1 | 4.14 |
| 田嶋大樹 | 左 | 30 | 18 | 2 | 5 | 0 | 1 | 62.2 | 5.89 |
| 寺西成騎 | 右 | 24 | 27 | 4 | 3 | 0 | 9 | 54 | 4.17 |
| 山﨑颯一郎 | 右 | 28 | 52 | 4 | 4 | 0 | 25 | 53 | 2.21 |
| マチャド | 右 | 33 | 51 | 3 | 1 | 35 | 7 | 52.1 | 1.20 |
| 椋木蓮 | 右 | 26 | 49 | 2 | 4 | 1 | 33 | 47 | 1.91 |
| 片山楽生 | 右 | 24 | 30 | 2 | 1 | 0 | 1 | 43 | 3.77 |
| 権田琉成 | 右 | 26 | 27 | 1 | 0 | 0 | 1 | 35.2 | 3.79 |
| 入山海斗 | 右 | 26 | 39 | 1 | 0 | 0 | 4 | 35 | 3.09 |
| 博志 | 右 | 29 | 21 | 3 | 0 | 0 | 0 | 35 | 2.31 |
投手陣はリーグワーストの防御率に沈んだ。先発で安定していたのは、13勝6敗、防御率2.71で最多勝を分け合ったエスピノーザと、35歳以上の九里亜蓮(防御率3.19)くらい。ジェリーは3勝10敗、髙島泰都は防御率4.98と、ローテーションの後ろが崩れた。
特に深刻なのが、左の先発だ。曽谷龍平(26歳)は5勝8敗、防御率4.14、田嶋大樹(30歳)は5.89と苦しみ、宮城大弥も今季は3試合の登板に終わった。12球団のドラフト戦略の記事でも触れたように、今季の投球回に占める左投手の割合は約16%と、12球団で最も低かった。
救援は、マチャドが35セーブ、防御率1.20、椋木蓮が33ホールド、山﨑颯一郎が防御率2.21と、右腕を中心に安定していた。
オリックスのドラフト戦略
ここまでの分析を踏まえると、オリックスのドラフト戦略は次のように整理できる。
1位:先発を任せられる左腕
最優先は、先発を任せられる左腕だ。左の先発が崩れ、投手陣全体でも左投手が不足している。今年は米沢友翔(関西大)、渡辺和大(慶應大)、有馬伽久(立命館大)ら大学生の左腕が豊富で、社会人では樋口新(王子)もいる。他球団も左腕を求めるだけに、1位で確保できるかが焦点になる。
2〜3位:一塁・DHの長距離打者
一塁と指名打者の固定、そしてリーグ最少の本塁打の改善には、長距離打者の補強が欠かせない。12球団の記事でも挙げたように、大阪商業大の春山陽登は関西六大学で通算12本塁打を放った長距離打者だ。頓宮裕真が戦力外となり、一塁の長打力はさらに不足しており、上位での指名が求められる。
中位以降:右打ちの外野手と先発の層
外野の右打ちが少なく、中川のFA流出の可能性もあるため、右打ちの外野手も補強したい。東京ガスの藤澤涼介のような即戦力の右打ちの外野手は、外野の層を厚くする。投手陣の再建には、中位以降でも先発候補の投手を複数加えておきたい。
まとめ
- オリックスは65勝76敗2分の4位。防御率3.96と本塁打96本はリーグ最下位
- 20本塁打以上の打者はおらず、一塁と指名打者は併用が続いた
- 二遊間の紅林・太田は若く充実している
- 左の先発が崩れ、宮城も3試合の登板にとどまった。左投手の投球回の割合は12球団で最低
- 中川圭太が国内FA権を取得し、流出の可能性がある
- 1位は左の先発、2位以降で一塁・DHの長距離打者、中位以降で右打ちの外野手と先発候補を補強したい
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出典
・【阪神】8年ぶりのFA補強へ オリックス・中川圭太&中日・上林誠知を調査|スポーツ報知
・2026年 オリックス・バファローズ|スタメンデータベース
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