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メジャー1巡目、203cmの右腕はなぜ日本球界を選んだのか──ソフトバンク新助っ人ジャクソン・ラトリッジの決断

MLBドラフト1巡目、全体17位。メジャーリーグの舞台も経験した203cmの右腕が、なぜ2026年、日本球界の福岡ソフトバンクホークスを選んだのか。制球という課題を抱えながらも、日本野球への敬意を語る新助っ人、ジャクソン・ラトリッジの決断に迫る。

ミズーリ州出身、203cmの長身右腕

ジャクソン・クリスチャン・ラトリッジは1999年4月1日、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス郡フェントン出身。身長203cm、体重109kgという圧倒的な体格から投げ下ろすパワーピッチャーだ。最速160km/hを超えるフォーシームに、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜる本格派である。

2019年MLBドラフト1巡目、全体17位

アメリカでのキャリアは華々しいスタートを切った。2019年のMLBドラフトで、ワシントン・ナショナルズから1巡目・全体17位という高順位で指名を受けたのだ。契約後は複数のマイナーリーグチームを渡り歩きながら、着実にステップアップを重ねていく。

2023年、ピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビュー

マイナーでの下積みを経て、2023年9月13日についにメジャーリーグの舞台を踏む。ピッツバーグ・パイレーツ戦で先発登板を果たし、長年の夢だったメジャーデビューを実現させた。ドラフト1巡目指名選手としての、一つの到達点だった。

リリーフ転向、そして移籍

翌年以降、ラトリッジは中継ぎへと転向する。2025年には63試合に登板し、4勝2敗、防御率5.77という成績を記録。先発からリリーフへの転向は決して珍しいことではないが、防御率が示す通り、この時期は苦しんだ時期でもあった。その後、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍している。

2026年7月、福岡ソフトバンクホークスへ

そして2026年7月30日、福岡ソフトバンクホークス入団が発表される。背番号は「14」。年俸は7000万円(約45万ドル)と報じられた。補強選手登録の締切間際というタイミングでの正式契約だったという。みずほPayPayドームでの入団会見に臨んだラトリッジは、次のように意気込みを語った。

「私は日本の打者があまり対戦したことがないタイプの投手だと思うので、自分の長所を生かしたい」

そして、シーズン終盤に向けてこう続けている。

「後半戦が進み、一戦一戦が重要になっていく中で、できるだけ早く日本野球に慣れて、良いパフォーマンスができるように準備したい」

ビザ取得期間中も、NPB球で調整を継続

入団が決まってから来日までの間、ラトリッジは決して手を抜かなかった。ビザの申請手続きが進む中、球団から送られたNPB公式球を使ってピッチング練習や実戦形式のバッティング練習を継続していたという。日本球界への本気度がうかがえるエピソードだ。

「日本人投手から学びたい」──異例の敬意

ラトリッジの特筆すべき点は、来日前から示していた日本野球への強い敬意だ。メジャーの舞台を経験した1巡目指名選手が、あえてこう語っている。

「日本人投手が持っている良いコントロールについて学んで、もっと良い投手になりたい」

203cmの長身とパワーを武器にする投手が、日本野球の繊細な制球術を学びたいと公言する。この謙虚な姿勢は、来日した外国人選手の中でも異色と言えるだろう。

課題は制球力

もちろん、期待ばかりではない。MLB時代の成績が示す通り、ラトリッジ最大の課題は制球力にある。160km/hを超える速球とキレのあるスライダーという武器を持ちながら、その力を安定して発揮できるかどうかは、まさに本人が語った「日本人投手から学びたい」という言葉の通り、日本球界での成長にかかっている。

ソフトバンクが欲した"160km/h右腕"という戦力

ソフトバンクがシーズン終盤という異例のタイミングで補強に動いた背景には、投手陣の底上げという明確な狙いがあった。国内投手だけでは埋めきれない"剛速球枠"として、160km/hを超えるフォーシームを持つラトリッジの獲得は、ペナントレース終盤からポストシーズンを見据えた補強と言える。長身から投げ下ろすボールの角度は、国内の打者にとって経験の少ないタイプであり、短期決戦でこそ生きる可能性を秘めている。

マイナー時代に磨いた変化球の引き出し

ドラフト1巡目という評価を裏付けるように、ラトリッジの武器はフォーシームだけではない。マイナーリーグ時代から磨いてきたスライダー、カーブ、チェンジアップという複数の変化球を持ち、緩急と球種の多さで打者のタイミングを外すスタイルを志向している。メジャーでは制球に苦しんだ時期もあったが、その原因を「日本人投手のコントロールに学ぶ」ことで克服しようとする姿勢そのものが、単なる助っ人外国人には終わらない伸びしろを感じさせる。

総括──1巡目右腕が日本球界に懸ける再起

MLBドラフト1巡目、メジャーデビューという輝かしい経歴を持ちながら、成績面では思うようにいかなかった時期を経て、日本球界に活路を求めたジャクソン・ラトリッジ。203cmの体格から繰り出す剛球と、日本野球への敬意を忘れない謙虚な姿勢。この組み合わせが、ソフトバンクの投手陣にどんな化学反応を起こすのか。来日後の投球内容に、注目が集まっている。

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