9月14日、DeNAが巨人に延長12回サヨナラ勝ちを収め、今季最大15あった借金をついに完済した。5月16日以来、実に4カ月ぶりの勝率5割復帰となる。最大借金15からの生還は、プロ野球史においてどれほど珍しい出来事なのか。過去に借金14以上を抱えながら勝率5割に舞い戻ったチームと比較しながら振り返る。
DeNAの2026年シーズン――借金15の底から58試合かけての生還
自チームで収集した今季全試合のデータをもとに、DeNAの貯金・借金の推移を追跡した。
| 日付 | 試合数 | 成績 | 勝率 | |
|---|---|---|---|---|
| 勝率5割(1回目) | 5/16 | 40試合 | 19勝19敗2分 | .500 |
| 最大借金到達 | 6/30 | 71試合 | 27勝42敗2分 | .391 |
| 勝率5割(完済) | 9/14 | 129試合 | 63勝63敗3分 | .500 |
5月16日に一度勝率5割に達した後、そこから借金が急拡大し、6月30日に今季最大の借金15(27勝42敗2分)を記録。そこから9月14日の完済まで、58試合で36勝21敗1分(勝率.632)という長期にわたる巻き返しを見せた。約2カ月半かけての完済は、球団にとっても大きな意味を持つ復活劇だ。
借金14以上から勝率5割に復帰した球団は史上9例
NPBの歴史において、レギュラーシーズン中に借金14以上を抱えながら勝率5割まで戻したチームは、DeNA以前に9例ある。
| 年度 | チーム | 監督 | 最大借金 | 最大借金時点 | 5割到達日 | 到達までの戦績 | 最終順位 | 首位差 | CS/日本シリーズ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1962 | 南海ホークス | 鶴岡一人 | 20 | 6/18(14勝34敗2分) | 8/9 | 41試合30勝10敗1分(.750) | 2位 | 5.0 | ― |
| 1966 | 阪神タイガース | 藤本定義 | 19 | 8/16(34勝53敗2分) | 10/7 | 42試合29勝10敗3分(.744) | 3位 | 25.0 | ― |
| 1972 | ヤクルトアトムズ | 三原脩 | 15 | 7/1(21勝36敗2分) | 9/24 | 52試合33勝18敗1分(.647) | 4位 | 14.5 | ― |
| 1991 | オリックス・ブルーウェーブ | 土井正三 | 16 | 5/22(9勝25敗0分) | 9/7 | 77試合45勝29敗3分(.608) | 3位 | 18.5 | ― |
| 1994 | 近鉄バファローズ | 鈴木啓示 | 15 | 6/16(19勝34敗1分) | 7/27 | 27試合21勝6敗0分(.778) | 2位 | 7.5 | ― |
| 2010 | 北海道日本ハム | 梨田昌孝 | 14 | 6/4(11勝25敗1分) | 7/1 | 39試合26勝12敗1分(.684) | 4位 | 3.0 | ― |
| 2010 | 東京ヤクルト | 高田繁 | 19 | 6/8(17勝36敗2分) | 8/24 | 55試合37勝18敗0分(.673) | 4位 | 6.5 | ― |
| 2011 | 埼玉西武 | 渡辺久信 | 15 | 8/31(42勝57敗5分) | 9/27 | 23試合18勝3敗2分(.857) | 3位 | 20.5 | CSファイナル敗退 |
| 2022 | 阪神タイガース | 矢野燿大 | 16 | 4/23(4勝20敗1分) | 7/24 | 69試合42勝26敗1分(.618) | 2位 | 12.0 | CSファイナル敗退 |
| 2026 | DeNA | 相川亮二 | 15 | 6/30(27勝42敗2分) | 9/14 | 58試合36勝21敗1分(.632) | ―(シーズン継続中) | ― | ― |
DeNAの借金15は、これで史上10例目の「借金14以上からの勝率5割復帰」となる。過去9例の中では、1962年南海の借金20が最多で、今回のDeNAの15はその次のグループ(1972ヤクルト、1994近鉄、2011西武と並ぶ)に位置する。
巻き返しのペースを比較する
過去9例と比べると、DeNAの巻き返しにはある特徴がある。5割到達までにかけた試合数は58試合で、これは2022年阪神の69試合に次いで2番目に長い。勝率も.632と、他の多くのケース(.6〜.8台)と比べるとやや控えめな数字だ。つまりDeNAの今回の生還は、一気呵成の爆発的な巻き返しというより、長い期間をかけてじわじわと借金を返済していった「持久戦型」の完済と言える。
一方で、最大借金を記録した6月30日の時点で71試合を消化しており、そこから129試合目(9月14日)での完済までに、シーズンの半分近くを費やしている。過去の例では2011年西武(104試合目に最大借金、127試合目で完済)のように、シーズン終盤にようやく借金を抱えたケースもあれば、1991年オリックスのように早い段階(34試合目)で借金16まで転落しながら長い時間をかけて立て直したケースもある。DeNAは後者に近いパターンだ。
過去の9例、その後の順位は?
借金14以上から勝率5割に戻った9チームのうち、最終的にAクラス(3位以内)でシーズンを終えたのは8チーム、クライマックスシリーズまで勝ち上がったのは2011年西武と2022年阪神の2チーム(ともにファイナルステージで敗退)。借金を完済すること自体が「そこからAクラス入りできる可能性が高い」ことを示すデータとも言える。
DeNAは9月13日時点でセ・リーグ3位につけており、借金完済はCS進出争いに向けた大きな弾みになりそうだ。過去の例に倣うなら、ここからさらに勝率を上げてAクラスを確保できるかが焦点になる。
まとめ
借金15からの生還は、プロ野球史上10例目という非常に稀な記録だ。過去9例を見ても、最大借金を記録したチームの多くがその後Aクラス入りを果たしており、今回のDeNAにとっても明るい前例と言えるだろう。5月16日以来4カ月ぶりの勝率5割復帰を弾みに、CS進出争いをどう戦っていくか注目したい。