10月22日のプロ野球ドラフト会議を前に、DeNAはCSを勝ち抜いて日本シリーズへの進出を決めた。相川亮二監督のもとで戦った今季は71勝69敗3分の3位だったが、CSではファーストステージで巨人に2連勝、ファイナルステージでは阪神に4連勝と、無傷で日本シリーズの切符をつかんだ。
チーム得点557はリーグ最多で、打線はリーグ屈指の破壊力を誇る。一方で、主力には高齢化の波も押し寄せている。この記事では、DeNAの今季の成績、投手・野手の年齢構成、ポジション別のスタメン出場回数を表で確認し、チームの弱点を踏まえたドラフト戦略を考える。
今季の成績―リーグ最多得点の打線
| 項目 | 成績 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| 順位 | 3位 | - |
| 勝敗 | 71勝69敗3分 | - |
| 勝率 | .507 | 3位 |
| 得点 | 557 | 1位 |
| 失点 | 512 | 4位 |
| チーム打率 | .246 | 1位タイ |
| 本塁打 | 125 | 1位タイ |
| 盗塁 | 50 | 6位 |
| チーム防御率 | 3.27 | 3位 |
| CS | 日本シリーズ進出(ファイナルステージで阪神に4連勝) | - |
DeNAは首位の阪神から7.5ゲーム差の3位。チーム打率.246、本塁打125本は阪神と並ぶリーグトップタイで、得点557はリーグ最多だった。一方で盗塁50はリーグ最少と、機動力は使えなかった。投手陣はチーム防御率3.27がリーグ3位、失点512はリーグ4位と、平均的な数字にとどまった。
年齢・ポジション別の戦力構成
投手
| 年齢 | 投手(右) | 投手(左) |
|---|---|---|
| 〜20 | ||
| 21 | 武田 | |
| 22 | ||
| 23 | 島田・深沢 | |
| 24 | 篠木・坂口・石田裕太郎・マルセリーノ | |
| 25 | 松本 | 庄司 |
| 26 | 若松・宮城 | |
| 27 | 竹田・尾形・中川 | |
| 28 | 伊勢・入江・吉野・浜地・レイノルズ | 片山・岩田 |
| 29 | 坂本 | |
| 30 | ||
| 31 | ビド・平良・馬場 | 東 |
| 32 | ルイーズ | |
| 33 | 石田健大 | |
| 34 | 山﨑 | |
| 35〜 | 森原 | |
| 人数 | 23 | 7 |
野手
| 年齢 | 捕手 | 内野(右打) | 内野(左打) | 外野(右打) | 外野(左打) |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜20 | 田内 | 高見澤 | |||
| 21 | |||||
| 22 | 松尾 | 宮下 | |||
| 23 | 井上 | 小田 | |||
| 24 | 古市 | 加藤 | 森 | 度会 | |
| 25 | 成瀬 | 石上 | |||
| 26 | 林 | 勝又 | |||
| 27 | 三森 | 梶原 | |||
| 28 | 九鬼 | 牧 | |||
| 29 | 蝦名・エンカーナシオン | ||||
| 30 | |||||
| 31 | 関根 | ||||
| 32 | 京田 | ヒュンメル | 佐野・神里 | ||
| 33 | 柴田 | ||||
| 34 | |||||
| 35〜 | 戸柱 | 宮﨑 | 筒香 | ||
| 人数 | 4 | 7 | 9 | 3 | 6 |
支配下選手を今季の年齢とポジション(投手は右左、野手は打席の右左)で分けたのが上の2つの表だ。投手は右投手が23人いるのに対し、左投手は7人しかいない。野手は、三塁の宮﨑敏郎と、一塁・三塁を守った筒香嘉智がともに35歳以上。捕手は支配下に4人しかいない。
野手の課題―宮﨑・筒香の後継と遊撃
主な野手の今季成績
| 選手 | 年齢 | 守備・打席 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 佐野恵太 | 32 | 外野・左 | 129 | 522 | .262 | 8 | 55 | 0 | .719 |
| 度会隆輝 | 24 | 外野・左 | 134 | 516 | .274 | 9 | 51 | 6 | .714 |
| 牧秀悟 | 28 | 内野・右 | 108 | 474 | .283 | 30 | 75 | 2 | .927 |
| 筒香嘉智 | 35〜 | 内野・左 | 99 | 398 | .260 | 20 | 49 | 0 | .848 |
| 蝦名達夫 | 29 | 外野・右 | 104 | 385 | .240 | 5 | 27 | 6 | .652 |
| 宮﨑敏郎 | 35〜 | 内野・右 | 111 | 381 | .254 | 11 | 44 | 0 | .724 |
| 勝又温史 | 26 | 外野・左 | 106 | 357 | .283 | 4 | 33 | 3 | .669 |
| 松尾汐恩 | 22 | 捕手 | 89 | 300 | .248 | 4 | 19 | 1 | .653 |
| エンカーナシオン | 29 | 外野・右 | 64 | 252 | .293 | 11 | 39 | 1 | .815 |
| 宮下朝陽 | 22 | 内野・右 | 71 | 223 | .258 | 8 | 26 | 3 | .713 |
| 林琢真 | 26 | 内野・左 | 75 | 195 | .214 | 2 | 21 | 6 | .599 |
| ヒュンメル | 32 | 外野・右 | 59 | 148 | .209 | 5 | 18 | 0 | .668 |
| 三森大貴 | 27 | 内野・左 | 71 | 140 | .235 | 0 | 9 | 16 | .536 |
| 京田陽太 | 32 | 内野・左 | 51 | 127 | .220 | 1 | 11 | 1 | .544 |
| 戸柱恭孝 | 35〜 | 捕手 | 42 | 110 | .216 | 1 | 8 | 1 | .568 |
打線の中心は、30本塁打、OPS.927の牧秀悟だ。筒香(20本塁打、OPS.848)、エンカーナシオン(OPS.815)、宮﨑(OPS.724)らが続き、佐野恵太、度会隆輝もOPS.700を超えた。22歳の宮下朝陽もOPS.713と台頭した。
ただし、筒香と宮﨑はともに35歳以上で、佐野も32歳。牧に続く長距離打者を担ってきたベテランの後継が、数年以内に必要になる。特に右打ちの長距離打者は、牧とエンカーナシオンを除くと少ない。
ポジション別のスタメン出場回数
| ポジション | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 捕手 | 松尾(73) | 戸柱(29) | 山本(24) |
| 一塁 | 佐野(95) | 筒香(41) | ビシエド(4) |
| 二塁 | 牧(106) | 林(14) | 三森(13) |
| 三塁 | 宮崎(85) | 筒香(47) | 度会(8) |
| 遊撃 | 宮下(53) | 林(29) | 石上・京田(各25) |
| 左翼 | 度会(63) | 勝又(55) | 佐野(20) |
| 中堅 | 蝦名(84) | 三森(18) | 梶原・勝又(各16) |
| 右翼 | エンカーナシオン(58) | 度会(39) | ヒュンメル(25) |
| 指名打者 | 宮崎(4) | 筒香(2) | 佐野・ヒュンメル(各1) |
今季143試合のスタメンをポジション別に集計した。カッコ内はスタメンでの出場試合数だ。
- 固定できたポジション:二塁の牧(106試合)、一塁の佐野(95試合)、三塁の宮﨑(85試合)、中堅の蝦名達夫(84試合)
- 遊撃:宮下が53試合で最多だが、林琢真(29試合)、石上泰輝、京田陽太(各25試合)と4人を併用した。宮下は9月中旬に負傷で離脱している
- 捕手:松尾汐恩が73試合、戸柱恭孝が29試合。シーズン途中に移籍した山本祐大も24試合でマスクをかぶった
- 外野の両翼:左翼は度会(63試合)と勝又温史(55試合)、右翼はエンカーナシオン(58試合)と度会(39試合)で分け合った
打順を見ると、4番はエンカーナシオン(57試合)、宮﨑(36試合)、筒香(25試合)、佐野(18試合)と固定できなかった。牧は2番で79試合に出場しており、牧の後ろを打つ長距離打者が定まらなかったことが分かる。来季からはセ・リーグでもDH制が導入されるため、ベテランの後を担う長距離打者の補強は重要になる。
捕手―支配下はわずか4人
| 捕手 | 年齢 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 松尾汐恩 | 22 | 89 | 300 | .248 | 4 | 19 | .653 |
| 戸柱恭孝 | 35〜 | 42 | 110 | .216 | 1 | 8 | .568 |
| 古市尊 | 24 | 27 | 72 | .359 | 1 | 5 | .883 |
| 九鬼隆平 | 28 | 9 | 9 | .222 | 0 | 0 | .555 |
捕手は22歳の松尾が89試合に出場し、正捕手に成長しつつある。24歳の古市尊も27試合で打率.359と結果を残した。ただ、支配下の捕手は松尾、古市、九鬼隆平(28歳)、戸柱(35歳以上)の4人だけ。シーズン中には山本も移籍しており、捕手の層は薄い。けがや不調に備えるためにも、ドラフトで捕手の人数を確保しておきたい。
投手の課題―東に続く左の先発
| 投手 | 投 | 年齢 | 登板 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東克樹 | 左 | 31 | 25 | 12 | 6 | 0 | 0 | 161.1 | 2.40 |
| 石田裕太郎 | 右 | 24 | 20 | 5 | 8 | 0 | 0 | 120.2 | 2.91 |
| 平良拳太郎 | 右 | 31 | 21 | 5 | 8 | 0 | 0 | 106.1 | 3.30 |
| 尾形崇斗 | 右 | 27 | 18 | 7 | 3 | 0 | 0 | 87.2 | 3.29 |
| 篠木健太郎 | 右 | 24 | 13 | 5 | 2 | 0 | 0 | 71.2 | 4.65 |
| レイノルズ | 右 | 28 | 62 | 4 | 2 | 17 | 30 | 62.1 | 1.59 |
| 深沢鳳介 | 右 | 23 | 10 | 5 | 1 | 0 | 0 | 54.2 | 2.96 |
| 伊勢大夢 | 右 | 28 | 52 | 2 | 4 | 0 | 25 | 47.2 | 3.02 |
| 中川虎大 | 右 | 27 | 52 | 6 | 6 | 0 | 22 | 47.2 | 2.45 |
| 片山皓心 | 左 | 28 | 8 | 3 | 2 | 0 | 0 | 44.1 | 2.64 |
| ルイーズ | 右 | 32 | 45 | 1 | 2 | 0 | 15 | 41.1 | 3.05 |
| 若松尚輝 | 右 | 26 | 27 | 0 | 1 | 0 | 2 | 38 | 3.32 |
| 竹田祐 | 右 | 27 | 8 | 3 | 4 | 0 | 0 | 37 | 4.62 |
| 浜地真澄 | 右 | 28 | 33 | 1 | 0 | 1 | 21 | 32.2 | 1.10 |
| 坂本裕哉 | 左 | 29 | 32 | 0 | 1 | 0 | 4 | 30.1 | 3.26 |
| 入江大生 | 右 | 28 | 7 | 0 | 3 | 0 | 0 | 30 | 6.90 |
最大の課題は、左投手の少なさだ。先発で規定投球回に届いたのは、エースの東克樹(31歳、12勝6敗、防御率2.40)だけ。左腕では片山皓心が8試合で防御率2.64と結果を残したが、東に続く左の先発はまだ定着していない。
右の先発は、石田裕太郎(24歳、防御率2.91)、深沢鳳介(23歳、2.96)、尾形崇斗、平良拳太郎らがそろい、篠木健太郎(24歳)も5勝を挙げた。救援はレイノルズ(17セーブ、30ホールド、防御率1.59)、浜地真澄(1.10)、中川虎大(2.45)、伊勢大夢と、右腕が中心だ。投手陣全体で右に偏った構成を、ドラフトで改善したい。
報道されている候補選手
DeNAは1位候補を公表していないが、スカウトの評価からは次のような名前が伝わっている。
- 宮原廉(近畿大・投手):DeNAの藤田スカウトは「出力が高い。アベレージでも149キロ出ているし、カーブだったり、前の試合ではカットボールも投げて、試合ごとに修正をして、アウトを取る“引き出し”を増やす器用さがあります」と評価。DeNAのスピードガンでは154キロを計測した
- 米沢友翔(関西大・投手):全日本大学選手権MVPの左腕。DeNAの八馬幹典アマスカウティングディレクターは「ストレートの質もいいし、コントロールもいい」と評価している
- 渡辺和大(慶應大・投手):9月の立教大戦で5回1失点、6奪三振と復調し、DeNAも評価した左腕
DeNAのドラフト戦略
ここまでの分析を踏まえると、DeNAのドラフト戦略は次のように整理できる。
1位:先発を任せられる左腕
最優先は、東に続く左の先発投手だ。左投手が7人しかいない投手陣で、規定投球回を投げられる左腕は東だけ。即戦力の大学生左腕として、米沢、渡辺和大、立命館大の有馬伽久らが候補になる。米沢と有馬は他球団も上位で狙うとみられ、1位で確保できるかが焦点だ。右腕の宮原も高い評価を受けており、1位で本格派右腕を選ぶ選択肢もある。
2〜3位:右打ちの長距離打者
宮﨑と筒香の後継として、2位以降では長打力のある野手を狙いたい。大阪商業大の春山陽登は、関西六大学で通算12本塁打を放ち、連盟最多記録に並んだ長距離打者だ。DH制の導入を見据えれば、一塁、三塁、DHで長打を担える打者の補強は欠かせない。
中位以降:捕手と遊撃手
支配下の捕手が4人しかいないため、中位以降で捕手を確保したい。12球団のドラフト戦略の記事でも挙げたように、亜細亜大の前嶋藍、立命館大の西野啓也らが候補になる。遊撃も宮下が負傷で離脱し、併用が続いたポジションだ。守備力のある遊撃手を加えておけば、宮下を中心とした内野の層を厚くできる。
まとめ
- DeNAは71勝69敗3分の3位から、CSを無傷で勝ち抜いて日本シリーズに進出
- 得点557はリーグ最多。牧が30本塁打、OPS.927
- 宮﨑と筒香は35歳以上で、牧に続く長距離打者の後継が必要。4番も固定できなかった
- 左投手は7人だけで、規定投球回に届いた左腕は東のみ
- 支配下の捕手は4人。遊撃も宮下の離脱で併用が続いた
- 1位は左の先発、2位以降で右の長距離打者、中位以降で捕手と遊撃手を補強したい
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出典
・154キロ右腕・近大の宮原廉投手がリリーフで5回無失点|ドラフト会議ホームページ
・慶大の渡辺和大投手が立大戦5回1失点6Kで復調|ドラフト会議ホームページ
・大商大・春山陽登外野手が連盟最多本塁打に並ぶ通算12号|ドラフト会議ホームページ
・ドラフト会議2026年横浜DeNAベイスターズ指名予想|球歴.com
・2026年 横浜DeNAベイスターズ|スタメンデータベース
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