10月22日のプロ野球ドラフト会議を前に、巨人の1位候補として明治大の榊原七斗外野手が急浮上していると報じられた。今季は76勝64敗3分の2位で、CSファーストステージではDeNAに2連敗で敗退。チーム防御率2.80はリーグ2位と投手陣が健闘した一方、チーム打率.234はリーグ4位と打線が振るわなかった。
この記事では、巨人の今季の成績、投手・野手の年齢構成、ポジション別のスタメン出場回数を表で確認し、チームの弱点を踏まえたドラフト戦略を考える。
今季の成績―防御率はリーグ2位、打率は4位
| 項目 | 成績 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| 順位 | 2位 | - |
| 勝敗 | 76勝64敗3分 | - |
| 勝率 | .543 | 2位 |
| 得点 | 486 | 3位 |
| 失点 | 444 | 2位 |
| チーム打率 | .234 | 4位 |
| 本塁打 | 103 | 4位 |
| 盗塁 | 99 | 1位 |
| チーム防御率 | 2.80 | 2位 |
| CS | ファーストステージ敗退(DeNAに2連敗) | - |
巨人はシーズン途中から橋上秀樹監督代行が指揮を執り、首位の阪神と2.5ゲーム差の2位でシーズンを終えた。チーム防御率2.80、失点444はいずれも阪神に次ぐリーグ2位。最多セーブのマルティネス(42セーブ)、最優秀中継ぎの田中瑛斗(42ホールド)ら救援陣が安定し、セーブとホールドの合計はリーグ最多だった。
一方、打線はチーム打率.234がリーグ4位、本塁打103本は4位。盗塁99はリーグ最多で機動力は使えたが、得点は486と、リーグ最多のDeNA(557)に70点以上の差をつけられた。橋上監督代行も「攻撃力が今シーズンの課題」と認めている。
年齢・ポジション別の戦力構成
投手
| 年齢 | 投手(右) | 投手(左) |
|---|---|---|
| 〜20 | ||
| 21 | ||
| 22 | ||
| 23 | 田和 | 代木・山城 |
| 24 | 西舘 | 竹丸・宮原 |
| 25 | 堀田 | 井上 |
| 26 | 戸郷・ルシアーノ | 北浦・横川 |
| 27 | 大勢・赤星・マタ・田中瑛斗 | 又木 |
| 28 | 山﨑・平内 | 石川 |
| 29 | ウィットリー・泉 | 森田・小笠原 |
| 30 | ハワード・船迫・マルティネス | |
| 31 | ||
| 32 | 中川 | |
| 33 | バルドナード | |
| 34 | 高梨 | |
| 35〜 | 田中将大・則本 | |
| 人数 | 18 | 14 |
野手
| 年齢 | 捕手 | 内野(右打) | 内野(左打) | 外野(右打) | 外野(左打) |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜20 | 石塚・藤井 | ||||
| 21 | |||||
| 22 | 平山 | 宇都宮 | ティマ・浅野・笹原 | 三塚 | |
| 23 | 皆川 | ||||
| 24 | 浦田・荒巻 | 中山 | |||
| 25 | 山瀬 | 小濱 | 門脇 | ||
| 26 | 湯浅・増田陸 | 知念 | |||
| 27 | リチャード | 泉口 | 鈴木 | 佐々木 | |
| 28 | |||||
| 29 | キャベッジ | ||||
| 30 | 岸田 | ||||
| 31 | ダルベック | 吉川 | |||
| 32 | |||||
| 33 | 大城 | 増田大輝 | 松本 | ||
| 34 | 甲斐 | ||||
| 35〜 | 小林 | 坂本 | 丸 | ||
| 人数 | 5 | 10 | 6 | 5 | 7 |
支配下選手を今季の年齢とポジション(投手は右左、野手は打席の右左)で分けたのが上の2つの表だ。投手は左右のバランスが良く、20代の投手も多い。野手は、外野の右打者が少なく、捕手は20代前半が1人もいない。
野手の課題―打線全体の長打力不足
主な野手の今季成績
| 選手 | 年齢 | 守備・打席 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ダルベック | 31 | 内野・右 | 135 | 543 | .252 | 25 | 81 | 0 | .772 |
| 泉口友汰 | 27 | 内野・左 | 129 | 524 | .264 | 8 | 49 | 9 | .728 |
| 浦田俊輔 | 24 | 内野・左 | 118 | 474 | .271 | 0 | 27 | 36 | .642 |
| 松本剛 | 33 | 外野・右 | 130 | 464 | .274 | 3 | 25 | 17 | .661 |
| 佐々木俊輔 | 27 | 外野・左 | 123 | 385 | .253 | 10 | 39 | 9 | .717 |
| 大城卓三 | 33 | 捕手 | 112 | 384 | .260 | 10 | 43 | 0 | .758 |
| キャベッジ | 29 | 外野・左 | 103 | 370 | .235 | 13 | 29 | 4 | .680 |
| 岸田行倫 | 30 | 捕手 | 58 | 201 | .239 | 4 | 15 | 0 | .622 |
| 吉川尚輝 | 31 | 内野・左 | 52 | 192 | .241 | 1 | 11 | 6 | .586 |
| 増田陸 | 26 | 内野・右 | 63 | 176 | .236 | 6 | 16 | 1 | .652 |
| 坂本勇人 | 35〜 | 内野・右 | 67 | 173 | .175 | 5 | 19 | 0 | .565 |
| 中山礼都 | 24 | 外野・左 | 60 | 157 | .191 | 2 | 16 | 3 | .525 |
| 丸佳浩 | 35〜 | 外野・左 | 74 | 145 | .220 | 3 | 21 | 1 | .688 |
| 石塚裕惺 | 〜20 | 内野・右 | 49 | 134 | .216 | 0 | 9 | 0 | .587 |
| 平山功太 | 22 | 内野・右 | 40 | 129 | .248 | 3 | 11 | 5 | .683 |
| 笹原操希 | 22 | 外野・右 | 45 | 106 | .212 | 2 | 15 | 1 | .611 |
100打席以上に立った野手で、OPSが最も高かったのはダルベックの.772。.800を超えた打者は1人もいなかった。2桁本塁打はダルベック(25本)、キャベッジ(13本)、佐々木俊輔、大城卓三(ともに10本)の4人だけで、長打を期待できる打者が少ない。
特に深刻なのが、右打ちの長距離打者の不足だ。右打者で2桁本塁打はダルベックだけで、松本剛(3本)、増田陸(6本)、坂本勇人(5本)と続く。坂本は打率.175に終わり、35歳以上と年齢的にも世代交代の時期を迎えている。
ポジション別のスタメン出場回数
| ポジション | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 捕手 | 大城(86) | 岸田(46) | 山瀬(5) |
| 一塁 | ダルベック(89) | 増田陸(39) | ティマ(9) |
| 二塁 | 浦田(86) | 吉川(47) | 門脇(7) |
| 三塁 | ダルベック(41) | 坂本勇(38) | 石塚(28) |
| 遊撃 | 泉口(122) | 浦田(11) | 小濱(8) |
| 左翼 | 松本(55) | キャベッジ(44) | 佐々木・丸(各13) |
| 中堅 | 佐々木(47) | キャベッジ(47) | 松本(40) |
| 右翼 | 中山(31) | 平山(28) | 佐々木(27) |
| 指名打者 | 大城(5) | 岸田(2) | キャベッジ・ダルベック(各1) |
今季143試合のスタメンをポジション別に集計した。カッコ内はスタメンでの出場試合数だ。シーズンを通してほぼ固定できたのは、遊撃の泉口友汰(122試合)と、4番のダルベック(119試合)くらい。それ以外のポジションは、複数の選手の併用が続いた。
- 三塁:ダルベック(41試合)、坂本(38試合)、石塚裕惺(28試合)と3人以上で回し、レギュラーを固定できなかった
- 外野:左翼は松本(55試合)、中堅は佐々木とキャベッジ(各47試合)が最多で、右翼は中山礼都の31試合が最多。外野の3ポジションすべてで、定位置をつかんだ選手がいない
- 二塁:浦田俊輔(86試合)が最多で、吉川尚輝(47試合)が続く。吉川は31歳で、OPS.586と数字を落とした
- 捕手:大城が86試合、岸田行倫が46試合。20代の捕手でスタメン出場したのは、25歳の山瀬慎之助の5試合だけ
外野は左打者の佐々木、キャベッジ、中山、丸佳浩に偏り、右打ちの外野手は33歳の松本と、22歳の笹原操希くらい。来季からはセ・リーグでもDH制が導入されるため、長打力のある打者の補強は急務だ。
捕手の課題―20代前半が不在
| 捕手 | 年齢 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大城卓三 | 33 | 112 | 384 | .260 | 10 | 43 | .758 |
| 岸田行倫 | 30 | 58 | 201 | .239 | 4 | 15 | .622 |
| 甲斐拓也 | 34 | 13 | 22 | .100 | 2 | 2 | .543 |
| 山瀬慎之助 | 25 | 10 | 20 | .200 | 1 | 2 | .600 |
| 小林誠司 | 35〜 | 20 | 15 | .077 | 0 | 0 | .354 |
捕手は大城(33歳)が112試合に出場し、打率.260、10本塁打、OPS.758と打撃でも存在感を示した。ただ、岸田は30歳、甲斐拓也は34歳、小林誠司は35歳以上と、30代が中心。20代は25歳の山瀬だけで、20代前半の捕手は1人もいない。数年先を見据えれば、若手捕手の獲得も必要になる。
投手の課題―右の先発のベテラン依存
| 投手 | 投 | 年齢 | 登板 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 井上温大 | 左 | 25 | 23 | 10 | 8 | 0 | 0 | 147 | 2.02 |
| 竹丸和幸 | 左 | 24 | 22 | 11 | 9 | 0 | 0 | 126.2 | 3.27 |
| ウィットリー | 右 | 29 | 14 | 3 | 4 | 0 | 0 | 81.2 | 2.31 |
| 戸郷翔征 | 右 | 26 | 14 | 5 | 3 | 0 | 0 | 80 | 2.48 |
| 田中将大 | 右 | 35〜 | 13 | 4 | 4 | 0 | 0 | 68.1 | 3.42 |
| 小笠原慎之介 | 左 | 29 | 11 | 5 | 4 | 0 | 0 | 66.1 | 2.31 |
| 則本昂大 | 右 | 35〜 | 18 | 3 | 4 | 0 | 1 | 61 | 4.72 |
| 西舘勇陽 | 右 | 24 | 14 | 2 | 4 | 0 | 0 | 57 | 3.00 |
| 田中瑛斗 | 右 | 27 | 61 | 3 | 3 | 2 | 42 | 53.1 | 1.52 |
| 赤星優志 | 右 | 27 | 42 | 6 | 4 | 0 | 6 | 53 | 2.89 |
| マルティネス | 右 | 30 | 57 | 5 | 4 | 42 | 3 | 52.1 | 1.38 |
| 堀田賢慎 | 右 | 25 | 41 | 1 | 2 | 0 | 13 | 40 | 1.13 |
| 森田駿哉 | 左 | 29 | 33 | 0 | 1 | 0 | 12 | 40 | 3.38 |
| 中川皓太 | 左 | 32 | 51 | 3 | 1 | 0 | 24 | 38.2 | 2.56 |
| ハワード | 右 | 30 | 7 | 3 | 3 | 0 | 0 | 37.1 | 1.93 |
| 船迫大雅 | 右 | 30 | 50 | 4 | 1 | 0 | 18 | 35.1 | 2.29 |
| マタ | 右 | 27 | 7 | 2 | 1 | 0 | 0 | 34 | 2.65 |
| 山﨑伊織 | 右 | 28 | 6 | 1 | 1 | 0 | 0 | 33.1 | 4.59 |
投手陣は12球団でも屈指の陣容だ。左の先発は井上温大(25歳)が防御率2.02、ルーキーの竹丸和幸(24歳)が11勝と、若い左腕が柱に育った。救援もマルティネス、田中瑛斗、堀田賢慎(防御率1.13)、船迫大雅らがそろう。
右の先発は、戸郷翔征(26歳)、西舘勇陽(24歳)に加え、ウィットリー、赤星優志らがいる。ただ、田中将大と則本昂大は35歳以上で、則本は防御率4.72と苦しんだ。右の先発の層は、厚くしておきたいポイントだ。
報道されている1位候補
巨人は1位候補を公表していないが、報道では次の選手の名前が挙がっている。
- 榊原七斗(明治大・外野手):日刊ゲンダイによると、巨人のドラフト1位候補として急浮上。「ミート率の高い『由伸2世』」と評され、スカウトからは「将来的にトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を狙える選手」との声も出ている。左投げ左打ちで、走攻守の3拍子がそろった外野手だ
- 川尻啓人(亜細亜大・投手):最速158キロの右腕で、10月13日にはノーヒットノーランを達成した。巨人の木佐貫洋スカウトは「球速と、体も大きいのでエンジンの大きさが一番の魅力」と評価している
そのほか、日本体育大の馬場拓海投手には巨人のスカウトが「上位指名でしょう」と話し、慶應大の左腕・渡辺和大投手については「1位指名もあり得る」との評価も伝えられている。
巨人のドラフト戦略
ここまでの分析を踏まえると、巨人のドラフト戦略は次のように整理できる。
1位:即戦力の外野手か、本格派の右腕
最大の課題は打線で、外野は3ポジションとも定位置が空いている。打てる野手を優先するなら、外野のレギュラーを1年目から争える榊原が有力な選択肢になる。榊原は左打ちのため、左打者に偏る外野の構成は変わらないが、走攻守の総合力で定位置をつかめる素材だ。
一方、投手を選ぶなら、右の先発候補として川尻が当てはまる。田中将大と則本が35歳以上という右の先発陣の世代交代を考えれば、158キロ右腕の獲得も大きな意味を持つ。
2〜3位:右打ちの長距離打者
1位で榊原を指名した場合、2位以降では右打ちの長距離打者を狙いたい。右打者で2桁本塁打はダルベックだけで、三塁も坂本の後継が固まっていない。12球団のドラフト戦略の記事でも触れたように、右打ちの外野手では東京ガスの藤澤涼介、大阪商業大の春山陽登らが候補になる。DH制の導入を考えれば、守備位置にこだわらず長打力を優先する指名もあり得る。
中位以降:若手捕手と右の先発
20代前半の捕手がいない状況を考えれば、中位以降で若手の捕手を加えておきたい。投手は、上位で投手を指名しなかった場合、馬場ら右の先発候補を中位で確保できるかがポイントになる。
まとめ
- 巨人は76勝64敗3分の2位。防御率2.80はリーグ2位だが、チーム打率.234はリーグ4位
- 100打席以上の野手でOPS.800超えは0人。右打者の2桁本塁打はダルベックだけ
- スタメンを固定できたのは遊撃の泉口と4番のダルベックくらい。三塁と外野3ポジションは併用が続いた
- 捕手は20代前半が不在、右の先発は田中将大・則本が35歳以上
- 1位候補には明大・榊原七斗が急浮上。亜大・川尻啓人も候補に
- 2位以降は右打ちの長距離打者、中位以降は若手捕手と右の先発がポイント
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出典
・巨人ドラ1候補に明大・榊原七斗選手が急浮上|ドラフト会議ホームページ
・最速158キロのドラフト1位候補・亜大の川尻啓人投手|ドラフト会議ホームページ
・日体大・馬場拓海投手|ドラフト会議ホームページ
・ドラフト会議2026年読売ジャイアンツ指名予想|球歴.com
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