2020年の高校野球九州秋季大会は長崎県の大崎高校が優勝を決め、センバツ出場を確実にしました。
九州大会制覇となるとセンバツでも優勝の可能性が大いにありそうですね。
今注目を浴びる長崎県立大崎高校に関して調べてみました。
大崎高校は長崎県の離島大島にある高校
大崎高校は長崎県の西海市の離島大島にある高校です。
大島の人口はわずか5000人。大崎高校の生徒数は114人と全国で見ても規模の小さな学校です。
生徒数は少ないですが、野球部員は1・2年生が29人、引退した3年生が18人と全校生徒の約4割が野球部に所属しています。
県立の高校ですが、寮があり、練習環境が充実しています。
清水央彦監督の経歴
大崎高校野球部の監督を務めるのが清水央彦監督 。
清水監督は清峰高校時代部長として2006年にセンバツ準優勝、2009年にはエース今村を擁してセンバツ優勝へ導きました。
また、佐世保実業時代は監督として2012年、2013年に夏の甲子園に連続出場を果たすなど指導者としてすばらしい実績を残しています。
しかし、佐世保実業時代の2013年8月、退部を申し出た1年生が3年生の元部員に殴られ、あごの骨折などの怪我を負う暴力事件がありました。
この事件に清水監督が関与していることが明らかになり、高野連より無期限の謹慎処分を受けました。
2016年に謹慎処分が解除されると、2018年より大崎高校の監督に就任しました。
就任時は部員がわずか5人と廃部寸前でしたが、清水監督の指導により2019年秋、2020年夏、秋と県内3連覇を果たしました。
県内の弱小校が3年足らずで甲子園に出場を決めるとは漫画のような展開ですね。
大崎高校の九州大会での勝ち上がり
1回戦
1回戦では熊本の新開高校と対戦。
エース坂本投手は初回に2点を失いますが2回以降は無失点のピッチング。
打線は4回に9番山口選手の2点タイムリーで逆転すると、6回には打者一巡の猛攻で5点を挙げリードを広げます。
試合は11安打9得点の猛攻で8回コールドで勝利しました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開新 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | |
大崎 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 5 | 0 | 1x | 9 |
準々決勝
準々決勝では宮崎の延岡学園と対戦。
延岡学園というと2013年夏の甲子園準優勝と実力のある学校です。
この試合もエース坂本投手が登板。初回は無失点に抑えますが、2回に暴投より先制を許します。
5回まで無得点が続いていた打線でしたが、3番村上選手の犠牲フライで同点に追いつくと、4番調選手、6番坂本選手のタイムリーで2点の勝ち越しに成功します。
坂本選手は8回に1点を失いますが、最後までリードを守り切り、3-2で延岡学園との接戦を制しました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
延岡学園 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
大崎 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | X | 3 |
準決勝
準決勝は大分の明豊高校。昨年の九州大会優勝校です。
大崎高校は2回に8番村田選手のタイムリーで1点を先制します。
この試合も先発の坂本投手は4回まで無失点に抑えてきましたが、5回にタイムリーを打たれ同点に追いつかれます。
6回以降は両チーム点を与えない投手戦を繰り広げ、延長戦に突入します。
10回表、明豊が2本のヒットと四球で1死満塁のチャンスを作ると、犠牲フライでついに1点を勝ち越します。
10回裏、大崎高校はヒット2本で2アウトながら1,2塁のチャンスを作ると2番の乙内選手がタイムリーを放ち、土壇場で同点に追いつきます。
先発坂本選手は12回まで投げ切ると、12回裏、2死2塁からまたも乙内選手がタイムリーを放ち、大崎高校がサヨナラ勝ちで明豊を破り決勝に進出しました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明豊 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
大崎 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1X | 3 |
決勝
決勝戦は福岡の福岡大大濠と対戦。
この試合は九州大会初登板の1年生勝本選手。
初回にホームランを浴び1点を失いますが、直後に5番松本選手のタイムリーで同点に追いつきます。
同点の4回には9番の山口選手のタイムリーで勝ち越しに成功。5回、7回にも得点をあげリードを広げていきます。
先発の勝本選手は2回以降点を与えず、9回1失点の完投で大崎高校が初優勝を果たしました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福岡大大濠 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
大崎 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | X | 5 |
大崎高校野球部メンバー
九州大会でのベンチ入りメンバーはこちら。
氏名 | 背 | 投 | 打 |
---|---|---|---|
坂本 安司 | 1 | 右 | 右 |
調 祐李 | 2 | 右 | 右 |
田栗 慶太郎 | 3 | 右 | 左 |
村上 直也 | 4 | 右 | 左 |
川口 蒼生 | 5 | 右 | 右 |
村田 慶二 | 6 | 右 | 右 |
松本 慶一郎 | 7 | 右 | 右 |
池田 晃弥 | 8 | 右 | 右 |
秋山 章一郎 | 9 | 右 | 左 |
小宮 勝輝 | 10 | 右 | 右 |
勝本 晴彦 | 11 | 左 | 左 |
乙内 翔太 | 12 | 右 | 右 |
井元 隆太 | 13 | 右 | 左 |
乙内 駿斗 | 14 | 右 | 左 |
山口 剛大 | 15 | 右 | 左 |
中野 文太 | 16 | 右 | 右 |
福浦 蓮翔 | 17 | 右 | 右 |
今岡 大翔 | 18 | 右 | 両 |
本多 矢的 | 19 | 右 | 右 |
井手 闘羽 | 20 | 右 | 右 |
県立である大崎高校はメンバー全員長崎県内の選手です。
九州大会 個人成績
個人成績はこちら。
野手
背 | 選手名 | 打 数 | 安 打 | HR | 打 点 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|
15 | 山口 剛大 | 14 | 7 | 0 | 4 | .500 |
12 | 乙内 翔太 | 16 | 7 | 0 | 2 | .438 |
7 | 松本 慶一郎 | 12 | 5 | 0 | 2 | .417 |
4 | 村上 直也 | 12 | 5 | 0 | 3 | .417 |
3 | 田栗 慶太郎 | 10 | 4 | 0 | 1 | .400 |
1 | 坂本 安司 | 9 | 3 | 0 | 1 | .333 |
2 | 調 祐李 | 17 | 5 | 0 | 4 | .294 |
6 | 村田 慶二 | 12 | 1 | 0 | 2 | .083 |
8 | 池田 晃弥 | 14 | 1 | 0 | 0 | .071 |
11 | 勝本 晴彦 | 2 | 1 | 0 | 1 | .500 |
9 | 秋山 章一郎 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 |
16 | 中野 文太 | 2 | 0 | 0 | 0 | .000 |
13 | 井元 隆太 | 0 | 0 | 0 | 0 | - |
18 | 今岡 大翔 | 0 | 0 | 0 | 0 | - |
合計 | 121 | 39 | 0 | 20 | .322 |
ホームランは0本ですが、チーム打率が3割2分2厘。4割越えのバッターが5人とどこからでもチャンスが作れる打線です。
投手
背 | 投 | 選手名 | 回数 | 三振 | 安打 | 四球 | 安打 | 自責 | 防御率 | whip |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 右 | 坂本 安司 | 26 | 15 | 11 | 5 | 11 | 6 | 2.08 | 0.62 |
11 | 左 | 勝本 晴彦 | 9 | 5 | 4 | 3 | 4 | 1 | 1.00 | 0.78 |
合計 | 35 | 20 | 15 | 8 | 15 | 7 | 1.80 | 0.66 |
ピッチャーは右のエース坂本投手に決勝戦1失点完投の左腕勝本投手の2本柱です。