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新人王候補左腕・竹丸和幸の高校時代からプロ入りまでを振り返る

2026年9月13日、東京ドーム。1位阪神との首位攻防戦。大事な一戦を任された竹丸和幸は7回無失点の快投でチームを勝利に導いた。新人ながら二桁勝利を達成した竹丸のこれまでの野球人生を振り返る。

小学2年、地元野球チームでの原点

竹丸和幸は2002年2月26日、広島市生まれ。小学2年生の時に地元の野球チームに入団したのが野球人生の始まりだった。中学では軟式野球部に所属していたが、当時はチーム内で4番手投手という扱いで、特別な期待をかけられる存在ではなかったという。

身長157cmから始まった高校時代

高校進学時の竹丸の身長は157cm。とても後にドラフト1位で指名される投手には見えない体格だった。転機となったのは2年時の監督交代で、ここでようやくベンチ入りを果たす。派手な甲子園出場歴があるわけではないが、この時期に基礎を積み上げたことが、後の飛躍につながっていく。

城西大学での下積み時代

城西大学では主に救援投手としてマウンドを踏んだ。4年秋にチームが1部昇格を果たすと、竹丸は3勝1敗、防御率1.52という好成績を残す。ただしこの時点でもプロから声がかかることはなく、卒業後の進路として選んだのは社会人野球の鷺宮製作所だった。

鷺宮製作所での大変身──8kg増、球速3km/h増

社会人1年目の2024年、竹丸の野球人生を大きく変える出来事が起きる。本格的なウエイトトレーニングを開始したことで体重が8kg増加。それに伴い、球速も149km/hから152km/hへと向上した。さらに同年秋には救援から先発へとコンバートされ、ここから急成長が始まる。

2025年春の都市対抗野球では8回2失点で優勝に貢献。夏の大会では11回を投げて15奪三振という圧巻の内容を披露し、一躍「社会人ナンバーワン左腕」として名を知られる存在となった。

2025年ドラフト1位指名、巨人へ

2025年ドラフト会議で、竹丸は読売ジャイアンツから1位指名を受ける。11月20日、契約金1億円・年俸1600万円で入団が決定し、背番号「21」を託された。高校時代は無名に近かった左腕が、わずか数年で球界の頂点を争うチームから1位指名を受けるまでになったのだ。

キャンプで感じた「ファンの多さ」

プロ入り後、最初に驚いたのはファンの存在の大きさだったという。竹丸自身、キャンプについてこう振り返っている。

「ファンの多さにはちょっと驚きました」

社会人野球とは比較にならない注目度の中で調整を進め、オープン戦でも安定した投球を披露。その結果、1年目にして開幕投手というチームの信頼を一身に受ける立場を任されることになる。

球団64年ぶり、新人開幕投手での勝利

迎えた開幕戦、相手は前年のリーグ王者・阪神。並のプレッシャーではなかったはずだが、竹丸は6回3安打1失点にまとめ、見事に勝利投手となった。これは球団史上64年ぶりとなる、新人開幕投手としての白星。プロ野球ファンの間でも大きな話題を呼んだ。

「安定感」という最大の武器

竹丸自身が語る自分の強みは、派手な奪三振能力や剛速球ではない。

「安定しているところ。しっかり試合をつくることができるという部分」

そしてこう付け加える。

「ムダなフォアボールを出さないということを常に心掛けている」

最速153km/hの直球に、スライダー、カーブ、カットボールを織り交ぜる制球型左腕。シーズン中盤時点で13試合に先発し、5回未満で降板した試合はゼロ、10試合で自責点3以下という安定感は、派手さこそないが確かな実力の証明と言えるだろう。

まだ見ぬ高みへ──「左腕エース」の称号

一方で本人は現状に満足していない。「きっちりコースに投げ分けていけるか」という制球の精度には、まだ伸びしろがあると自己分析する。目標として掲げるのは、より大きな称号だ。

「いずれは左腕エースと呼ばれるような存在になりたいという思いはある」

そしてファンに向けては、こう言葉を残している。

「しっかり『結果』というものをファンに見せていけたらいい」

阿部監督が託した、新人離れした信頼

阿部慎之助監督が竹丸に開幕投手を託した背景には、オープン戦を通じて見せた制球力への評価があった。もともと巨人の先発陣は経験豊富な投手が揃うが、その中に割って入るには、単に球が速いだけでは足りない。ストライク先行でカウントを整え、無駄な四球で自滅しない安定感こそが、シーズンを通してローテーションを守るために不可欠な資質だ。竹丸はまさにその条件を、1年目からクリアしてみせた形になる。

都市対抗野球で示した"社会人ナンバーワン左腕"の実力

プロ入り前、竹丸の評価を決定づけたのが2025年の都市対抗野球だった。春の大会では8回2失点という内容でチームの優勝に貢献し、夏の大会では11回を投げて15奪三振という圧巻の投球を披露。わずか1年前まで無名に近かった投手が、社会人野球の頂点で結果を残したことで、一気にドラフト上位候補として名前が挙がるようになった。この短期間での評価急上昇は、球界内でも異例のスピードだったと言える。

総括──遠回りが生んだ、揺るがない土台

身長157cmの高校生から、球速3km/h増を経て社会人ナンバーワン左腕へ。決して一直線のサクセスストーリーではない、遠回りの多いキャリアだったからこそ、竹丸和幸の投球には土台からの強さがある。ドラフト1位ルーキーとして始まったプロ生活は、まだ始まったばかりだ。2026年、そしてその先も、この左腕の投げる一球一球から目が離せない。

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