9月上旬に5連敗を含む2勝9敗と大きく崩れ、独走ムードから一転して巨人に0.5ゲーム差まで詰め寄られた阪神。あのまま失速が続けば、独走ムードだったはずの優勝争いが最終盤までもつれ込む展開も現実味を帯びていた。しかしその後は落ち着きを取り戻し、9月22日時点で巨人とのゲーム差を1.5まで再び広げている。残りわずかとなった日程と、対戦相手との「相性」データから、阪神の優勝の行方を改めて分析する。
現在の状況―貯金16、巨人とは1.5ゲーム差
9月22日時点でのセ・リーグ順位は以下の通り。
| 順位 | チーム | 試合 | 勝敗分 | 勝率 | ゲーム差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 阪神 | 133 | 74-58-1 | .561 | ― |
| 2位 | 巨人 | 135 | 73-60-2 | .549 | 1.5 |
| 3位 | DeNA | 136 | 67-66-3 | .504 | 7.5 |
阪神は133試合を消化し、巨人より2試合少ない。残り試合数は阪神が10、巨人が8とみられ、いよいよ優勝争いも終盤戦に差し掛かっている。3位DeNAとも7.5ゲーム差がついており、事実上優勝争いは阪神と巨人の一騎打ちの構図で固まりつつある。
マジックナンバー「8」点灯中
現在の状況から単純計算すると、阪神の優勝マジックナンバーは「8」となる。巨人が残り8試合すべてに勝った場合の最大勝ち星は81勝で、現在74勝の阪神がそこに1勝でも上回れば優勝が確定する計算だ。つまり阪神自身の勝利と巨人の敗戦を合わせて8つ積み重なれば、胴上げの瞬間を迎えられる位置につけている。
阪神の残り試合数は10なので、単純計算では自力優勝(自チームの勝利だけでマジックを消化しきる)の可能性も十分に残っている。仮に残り10試合のうち8つを勝ち星で積み上げられれば、巨人の結果を待たずに優勝が決まる計算だ。もちろん相手のあることなので簡単ではないが、独走から一時後退した状況からここまで盛り返した勢いを考えれば、決して非現実的な数字ではないだろう。
阪神の残り日程―ヤクルト・DeNAとの対戦が中心
9月23日以降、阪神の残り主要カードは以下の通り。
| 対戦相手 | カード | 相手の順位 |
|---|---|---|
| ヤクルト | 9/23(神宮)、9/29-30(甲子園) | 5位 |
| DeNA | 9/25-26(横浜)、10/4(横浜) | 3位 |
| 巨人 | 10/1(甲子園、直接対決) | 2位 |
| 広島 | 10/3(マツダスタジアム) | 6位 |
※甲子園での広島戦2試合分の日程が未発表(9/23時点)
残りは5位ヤクルト・3位DeNAとの対戦が中心で、10月1日には甲子園で巨人との直接対決も控えている。9月に入ってからの5連敗の反省を踏まえれば、この直接対決を待たずに早い段階でマジックナンバーを減らしておきたいところだ。
日程の並びを見ると、ヤクルト戦(9/23)→DeNA戦2連戦(9/25-26)→ヤクルト戦2連戦(9/29-30)→巨人戦(10/1)→広島戦(10/3)→DeNA戦(10/4)という流れで、巨人との直接対決を挟む形でヤクルト・DeNAとの対戦が組まれている。直接対決の前にどれだけ勝ち星を積み上げてマジックナンバーを減らせるかによって、10月1日の一戦の重みそのものが変わってくることになりそうだ。また、9/8、9/10に中止となった甲子園での広島戦の日程がまだ発表されておらず、10/5~10/8の間に2試合が組まれると予想される。この場合甲子園での胴上げの可能性も考えられる。
相性データ―ヤクルト・巨人に大きく優位、DeNAとは五分に近い
残り対戦相手との今季ここまでの対戦成績を見てみよう。
| 対戦相手 | 阪神の対戦成績 | 勝率 |
|---|---|---|
| ヤクルト | 15勝7敗 | .682 |
| DeNA | 12勝10敗 | .545 |
| 巨人 | 16勝8敗 | .667 |
| 広島 | 11勝10敗1分 | .524 |
阪神は残り対戦相手のうち、ヤクルトに対して.682という高い勝率を残しており、直接のライバルである巨人にも今季16勝8敗と大きく勝ち越している。この「巨人に強い」というデータは、10月1日の直接対決においても、また仮にCSにもつれ込んだ場合においても、阪神にとって心強い材料になる。
一方でDeNA・広島に対しては12勝10敗、11勝10敗1分とほぼ五分の成績にとどまっている。特にDeNAとは9/25-26、10/4と3試合を残しており、順位こそ3位とはいえ「勝って当然」とは言い切れない相手との3連戦が、マジックナンバーの減り方を左右しそうだ。逆に言えば、5位ヤクルトとの3試合は今季の相性データ通りであれば大きく勝ち越せる可能性が高く、ここでどれだけ早くマジックナンバーを削れるかが、優勝決定のタイミングを大きく左右することになるだろう。
9月の失速から立て直した阪神
9月上旬の2勝9敗という大失速から、阪神はその後の試合でしっかりと立て直し、ゲーム差を0.5から1.5まで押し返した。チームとして崩れかけた時期を乗り越え、再びリードを広げられている点は、終盤戦を迎えるうえで大きな自信になるはずだ。
一時は藤川采配や打線崩壊が大きく取り沙汰されたが、そこから9試合を消化してゲーム差を1ポイント押し戻したことは、単なる一時的な反発ではなく、チームとして立て直しの形ができつつあることを示している。残り試合数が少なくなるほど、一度の連敗が優勝争いに与える影響は大きくなるだけに、ここからは一戦一戦を確実に取っていく戦いが求められる。
残り試合数が一桁に近づくこの時期は、選手・首脳陣ともに「優勝」という言葉が現実味を帯びてくる分、独特のプレッシャーがのしかかる時期でもある。9月上旬の大失速も、独走ムードの中で生まれた慢心や、優勝へのカウントダウンを意識しすぎたことが一因にあったとすれば、ここからの残り試合では逆にそうした意識を排し、目の前の一戦に集中する姿勢がこれまで以上に求められることになるだろう。
まとめ
残り試合数が10試合を切り、マジックナンバーも「8」まで点灯した阪神。相性データ上もヤクルト・巨人に大きく勝ち越しており、数字の上では優勝へ着実に近づいている。唯一五分に近いDeNA戦こそ油断できないが、9月の失速から早々に立て直せたことも踏まえれば、今季のセ・リーグ制覇はかなり現実味を帯びてきたと言えるだろう。
自力優勝の可能性を残しながら終盤戦を迎えられているという事実自体、8月までの独走がいかに大きなアドバンテージだったかを物語っている。10月1日の巨人との直接対決を含む残りの試合をどう戦うか、そして一時の失速から得た教訓をどこまで生かせるか、引き続き注目したい。