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DeNA、戦力外10人を発表 藤浪晋太郎ら支配下6人・育成4人の今季成績を1軍2軍で徹底分析

横浜DeNAベイスターズは9月29日、藤浪晋太郎投手、小園健太投手、佐々木千隼投手、堀岡隼人投手、中川颯投手、井上絢登外野手の支配下6人と、西巻賢二内野手、松本隆之介投手、小笠原蒼内野手、近藤大雅捕手の育成4人、合計10人に戦力外通告を行った。1次通告だけで10人を超える大規模なもので、来季に向けて大きく血の入れ替えを進めるオフになりそうだ。ここでは10人それぞれの2026年シーズンの成績を、1軍・2軍の両方から詳しく振り返っていく。

支配下6人

藤浪晋太郎(投手)―1軍BB/9 12.60という深刻な制球難

1軍は3試合登板で0勝1敗、防御率6.30、10回を投げて12奪三振に対し与四球14・与死球1。BB/9(9イニングあたりの与四球数)は12.60という異常値だった。

一方の2軍は16試合で5勝3敗、防御率3.11、66.2回を投げて69安打・64奪三振・与四球26・与死球2、自責点23。WHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)は1.43、K/9は8.64、BB/9は3.51と、1軍とは比べものにならないレベルの制球力を見せていた。奪三振能力自体は2軍でも高水準を維持しており、素材の劣化ではなく"1軍という舞台だけで再現性が崩れる"という特異な制球難だったことが、この数字からも改めて裏付けられる。詳しい分析は当ブログの別記事で扱っている。

小園健太(投手)―ドラ1右腕、5年目でまさかの構想外

23歳。2021年ドラフト1位(DeNA・阪神競合の抽籤)で市和歌山高から入団した本格派右腕。1軍は2試合先発で1勝1敗、防御率9.39と結果を残せなかった。

2軍は25試合(3先発)に登板し3勝0敗・4セーブ、49.1回を投げて47安打・33奪三振・与四球20、防御率3.83。WHIP1.36、K/9は6.02、BB/9は3.65という内容で、先発・リリーフどちらでも一定の役割を果たせる数字ではあったが、突出した支配力とは言えない水準にとどまっている。先発からリリーフへの起用転換が試みられた形跡がうかがえるが、いずれの形でも1軍定着の決定打には至らなかった。

佐々木千隼(投手)―1軍防御率0.00でも構想外という現実

プロ10年目。2016年ドラフトで5球団競合(史上初)の末にロッテから外れ1位指名を受けた経歴を持ち、2023年12月の現役ドラフトでDeNA入り。今季は9月13日に初めて1軍昇格し、翌14日の巨人戦で延長12回を無失点に抑えて今季初勝利。最終的に1軍5試合・5回を投げて1勝0敗、防御率0.00という結果を残した。

2軍では17試合・20回を投げて2勝1敗、被安打12・奪三振18・与四球9、防御率0.45。WHIPは1.05、K/9は8.10と、2軍では今回の10人の中でも最も安定した支配力を示していた投手の一人だ。1軍・2軍とも数字自体は申し分ない内容だっただけに、シーズンを通じてほとんど1軍に定着できなかった出場機会の絶対的な少なさが、構想外という結論に直結したとみられる。

堀岡隼人(投手)―巨人から続く2度目の戦力外

28歳。青森山田高出身、2016年育成7位で巨人に入団し2017~23年在籍。2023年オフに巨人から戦力外通告を受け、DeNAと育成契約を結んで再起し、2024年6月に支配下復帰を果たしていた。同年のDeNA日本一にも貢献した経歴を持つ。

しかし今季は1軍6試合で防御率7.88。2軍でも31試合・29.2回で4勝0敗・4セーブながら被安打29・与四球14、防御率5.46、WHIP1.45、K/9は7.89とまずまずだがBB/9も4.25とやや高め。1軍・2軍とも安定感を欠く内容に終わり、巨人時代を含めてこれで2度目の戦力外となった。

中川颯(投手)―2軍BB/9 1.40の制球力を持つアンダースロー右腕

桐光学園高-立教大を経て2020年ドラフト4位でオリックス入団、2021~23年在籍後2024年にDeNAへ移籍したアンダーハンド投手。1軍は6試合・9.1回で0勝0敗、防御率3.86、奪三振4。

2軍では25試合・25.2回を投げて1勝1敗、被安打16・奪三振21・与四球わずか4、防御率0.70。WHIPは0.78、K/9は7.36、BB/9は1.40と、今回の10人の中でも際立って高い制球力を示していた。2軍でこれだけ隙のない投球ができていたにもかかわらず1軍で結果を残せなかったのは、被打率の差か、あるいは1軍打者への対応力の差が影響したとみられる。

井上絢登(外野手)―2軍93試合で7本塁打・48打点も1軍は打率.000

3年目、26歳。福岡・久留米商業高時代は高校通算20本塁打で「久商のギータ」と呼ばれ、福岡大を経て徳島インディゴソックスで2年連続本塁打王・打点王。2023年ドラフト6位でDeNA入団。

今季は1軍出場機会がほぼなく、打率.000・安打0・本塁打0・打点0で終わった一方、2軍では93試合・324打席に立ち、打率.270・出塁率.359・長打率.415(OPS.774)、7本塁打・48打点・3盗塁という、今回の10人の野手の中でも最も充実した内容を残している。前年の2025年は1軍12試合で打率.172ながらプロ初本塁打を満塁弾で飾っており、勝負強い長打力は健在なだけに、1軍の壁を越えられなかったことが今回の結果につながった。

育成4人

西巻賢二(内野手)―80試合で打率.274、盗塁14の俊足

27歳。仙台育英高出身、2017年ドラフト6位で楽天入団後、ロッテを経て2025年からDeNAで育成契約。2026年は2軍80試合・97打席に出場し、打率.274・出塁率.347・長打率.333(OPS.680)、本塁打1・打点11・盗塁14。長打力こそ乏しいが、出場機会に恵まれた中で一定以上のコンタクト力と盗塁数を残しており、俊足と軽快な守備が持ち味のユーティリティらしい内容だった。それでも支配下復帰には届かなかった。

松本隆之介(投手)―338日ぶり実戦復帰も、わずか1試合4回のみ

神奈川・横浜高出身、188cm・94kgの長身左腕。2020年ドラフト3位でDeNA入団後、前年に2軍戦で負傷し右膝前十字靱帯再建手術を受けていた。338日ぶりの実戦復帰を目指して育成契約で迎えた2026年、2軍で1試合・4回を投げ、被安打1・奪三振2・与四球2・与死球1、自責点0(防御率0.00)という内容だった。無失点という結果自体は悪くないが、シーズンを通じて登板がこの1試合にとどまったこと自体が、まだ本格復帰の途上だったことを物語っている。

小笠原蒼(内野手)―15試合・打率.050、出場機会そのものが乏しかった1年

20歳。愛知出身、2023年育成ドラフト3位でDeNA入団。2026年は2軍15試合・26打席に出場したが、20打数1安打・打率.050、出塁率.269・長打率.050(OPS.319)と苦しんだ。前年の2025年も2軍12試合で打率.071と結果を残せておらず、2年連続で出場機会・結果ともに乏しいシーズンとなった。まだ伸びしろの大きい年齢だけに、来季以降の巻き返しに期待したいところだったが、今回の契約満了という結果になった。

近藤大雅(捕手)―強肩が武器も、14試合17打数で無安打

兵庫出身、専大北上高では投手から捕手へ転向し140キロ台中盤の「爆肩」でスカウトの注目を集めた育成捕手。2023年育成ドラフト5位でDeNA入団。2026年は2軍14試合・17打席に出場したが、17打数0安打(打率.000)に終わっている。守備面での評価は高かったものの、打撃で結果を残せず出場機会自体も限られたことが響いた形だ。

2軍成績から見えてくる傾向

今回の10人の2軍成績を並べてみると、いくつかの興味深い傾向が浮かび上がる。

投手陣では、中川颯(BB/9 1.40)・佐々木千隼(K/9 8.10、WHIP1.05)・藤浪晋太郎(K/9 8.64)のように、2軍レベルでは十分すぎる支配力を示していた投手が複数いた。一方で堀岡隼人(WHIP1.45、BB/9 4.25)のように2軍でも制球面に課題を残していた投手もおり、"2軍でも通用しなかった"ケースと"2軍では十分だったが1軍の壁を越えられなかった"ケースが混在していることが分かる。

野手陣では、井上絢登(93試合・OPS.774)と西巻賢二(80試合・OPS.680)が、出場機会・結果の両面で一定の水準をクリアしていたのに対し、小笠原蒼(15試合・OPS.319)と近藤大雅(14試合・OPS.000)は、出場試合数そのものが極端に少なく、結果を残す機会自体が乏しかった。この対比は、支配下組と育成組との間にある出場機会の差そのものを反映している面もあるだろう。

全体を振り返って

今回の10人を見渡すと、藤浪晋太郎・小園健太・佐々木千隼という3人の"ドラ1経験者"が名を連ねている点が目を引く。かつて球団の将来を担うエース候補として指名された投手たちが、それぞれ制球難・伸び悩み・出場機会の少なさといった異なる理由で構想外になったことは、育成の難しさを物語っている。

また、佐々木千隼・中川颯・井上絢登のように、2軍では十分な数字を残しながら1軍で結果を出せなかったケースが目立つのも今回の特徴だ。とりわけ佐々木千隼の1軍防御率0.00という数字は、成績そのものではなく出場機会の絶対的な少なさが構想外の理由になったことを示しており、単純な「1軍で通用しなかった」という物語では説明のつかない編成上の判断があったことがうかがえる。

一方で、育成4人に目を向けると、西巻賢二(80試合出場)以外の3人――小笠原蒼(15試合)・近藤大雅(14試合)・松本隆之介(1試合)――は、そもそも十分な出場機会自体を得られていなかった。育成選手という立場上、支配下選手に比べて実戦機会の優先順位が下がりやすいという構造的な事情も、こうした結果に影響している可能性は否定できないだろう。裏を返せば、西巻賢二のように80試合という多くの出場機会を与えられてもなお支配下復帰に届かなかったことは、それだけ評価のハードルが高かったことを示しているとも言える。

まとめ

今季のDeNAは、羽月隆太郎の逮捕やゾンビたばこ問題など、グラウンド外の混乱にも見舞われた1年だった。その中で行われた今回の大量戦力外通告は、来季に向けたチーム編成の本格的な見直しの始まりと位置づけられる。

2軍成績を細かく見ていくと、単純に「1軍で結果を出せなかったから戦力外」という物語では説明のつかないケースが数多く含まれていることが分かる。佐々木千隼・中川颯のように2軍で高い支配力を示していた投手、井上絢登のように2軍で長打力を発揮していた野手が名を連ねている一方で、堀岡隼人のように2軍でも安定感を欠いていた投手や、育成組の中で出場機会自体を得られなかった選手も混在している。今回の10人という規模の大きさは、個々の成績評価だけでなく、球団としての編成方針そのものが大きく転換する節目にあることを示しているとも言えるだろう。

かつてのドラフト1位や、移籍・現役ドラフトを経て加入した戦力までを対象にした今回の"血の入れ替え"が、来季以降のDeNAの戦力構成にどのような影響を及ぼすのか、今後の新戦力の発表とともに注目していきたい。

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