プロ野球 ヤクルト

【2026ドラフト】ヤクルトのドラフト戦略|リーグ最少83本塁打の打線と最下位の投手陣 長打力のある内野手と先発投手が補強ポイント

10月22日のプロ野球ドラフト会議に向けて、ヤクルトの補強ポイントがはっきりしてきた。池山隆寛監督が率いた今季は61勝80敗2分の5位。チーム本塁打83本はリーグ最少、チーム防御率3.68はリーグ最下位と、投打ともに課題を残した。

この記事では、ヤクルトの今季の成績、投手・野手の年齢構成、ポジション別のスタメン出場回数を表で確認し、チームの弱点を踏まえたドラフト戦略を考える。

今季の成績―本塁打と防御率がリーグ最下位

項目成績リーグ順位
順位5位-
勝敗61勝80敗2分-
勝率.4335位
得点4495位
失点5686位
チーム打率.2363位
本塁打836位
盗塁982位
チーム防御率3.686位

ヤクルトは首位の阪神から18ゲーム差の5位に終わった。チーム打率.236はリーグ3位、盗塁98はリーグ2位と、つなぐ攻撃はできていた。しかし本塁打83本はリーグ最少で、得点449はリーグ5位。長打で一気に得点する形を作れなかった。

投手陣は、チーム防御率3.68、失点568がいずれもリーグワーストだった。先発、救援ともに安定感を欠き、投打の両面で立て直しが求められる。

年齢・ポジション別の戦力構成

投手

年齢投手(右)投手(左)
〜20鈴木蓮吾
21
22坂本
23中村優斗・山崎
24
25西舘・奥川・廣澤石原
26下川荘司・増居
27松本健吾・大道・飯田・阪口山野
28木澤・吉村・小澤・丸山翔大
29大西・ウォルターズ高橋
30清水
31リランソキハダ
32星・拓也
33
34
35〜石山・小川・高梨
人数238

野手

年齢捕手内野(右打)内野(左打)外野(右打)外野(左打)
〜20鈴木叶田中モイセエフ
21
22松川西村
23松下
24矢野内山・石井・伊藤
25長岡・武岡
26橋本赤羽・北村モンテル澤井
27並木・増田丸山和郁
28古賀
29岩田
30
31宮本
32茂木
33松本直樹・柿沼塩見
34山田・オスナサンタナ
35〜中村悠平
人数78655

支配下選手を今季の年齢とポジション(投手は右左、野手は打席の右左)で分けたのが上の2つの表だ。野手は20代前半の内野手が多い一方、主力のサンタナとオスナがともに34歳。捕手は20歳の鈴木叶が出場機会を得ている。

野手の課題―内野の長打力不足

主な野手の今季成績

選手年齢守備・打席試合打席打率本塁打打点盗塁OPS
長岡秀樹25内野・左126533.2488395.665
岩田幸宏29外野・左127456.25612639.591
サンタナ34外野・右126447.25117450.815
増田珠27外野・右123445.2939404.740
内山壮真24内野・右94348.2315263.651
古賀優大28捕手91337.2591332.602
赤羽由紘26内野・右109326.2416309.666
武岡龍世25内野・左98291.2234271.614
オスナ34内野・右78283.2208290.634
鈴木叶〜20捕手47150.1922152.501
伊藤琉偉24内野・右78146.156282.472
丸山和郁27外野・左54136.3284146.871
松下歩叶23内野・右38116.2392111.614
西村瑠伊斗22外野・左41113.2761150.690
モンテル26外野・右53103.278397.744
田中陽翔〜20内野・左37101.223291.576

最大の課題は、内野の長打力だ。100打席以上に立った内野手で、OPSが.700を超えた選手は1人もいない。遊撃の長岡秀樹が.665、赤羽由紘が.666、二塁の内山壮真が.651、一塁のオスナが.634、三塁の武岡龍世が.614。昨年のドラフト1位の松下歩叶も.614にとどまった。

打線を支えたのは外野手だ。サンタナがチームトップの17本塁打、OPS.815を記録し、増田珠も打率.293、OPS.740と結果を残した。限られた出場機会で丸山和郁(OPS.871)、モンテル(.744)も存在感を示したが、サンタナは34歳。数年先を考えれば、外野でも長打を担う打者の後継が必要になる。

ポジション別のスタメン出場回数

ポジション1位2位3位
捕手古賀(82)鈴木叶(34)中村悠(15)
一塁オスナ(68)赤羽(17)山田(14)
二塁内山(79)伊藤(23)赤羽(14)
三塁武岡(51)赤羽(41)松下(29)
遊撃長岡(120)伊藤(9)石井(7)
左翼サンタナ(108)西村(18)増田(10)
中堅岩田(103)モンテル(18)並木(12)
右翼増田(92)丸山和(21)塩見(15)
指名打者サンタナ(8)塩見(1)-

今季143試合のスタメンをポジション別に集計した。カッコ内はスタメンでの出場試合数だ。

  • 固定できたポジション:遊撃の長岡(120試合)、左翼のサンタナ(108試合)、中堅の岩田幸宏(103試合)、右翼の増田(92試合)は、ほぼレギュラーとして固定された
  • 一塁:オスナが68試合で最多だが、赤羽、山田哲人、宮本らが入れ替わった
  • 三塁:武岡(51試合)、赤羽(41試合)、松下(29試合)と併用が続いた
  • 二塁:内山の79試合が最多で、伊藤琉偉(23試合)、赤羽(14試合)らが続いた

打順を見ると、4番はオスナの45試合が最多で、増田(29試合)、サンタナ(26試合)、山田(12試合)と固定できなかった。3番でも捕手の古賀優大が31試合と最も多く、中軸を任せられる長距離打者がいないことが打順にも表れている。来季からはセ・リーグでもDH制が導入されるだけに、一塁、三塁、DHを担える強打者の補強は急務だ。

捕手―若手が育ちつつある

捕手年齢試合打席打率本塁打打点OPS
古賀優大2891337.259133.602
鈴木叶〜2047150.192215.501
中村悠平35〜3265.19001.530
松本直樹331638.26505.677
橋本星哉261316.14301.402
矢野泰二郎2475.25000.650
柿沼友哉3312.00000.000

捕手は古賀(28歳)が91試合に出場し、正捕手としてチームを支えた。20歳の鈴木叶も47試合に出場し、スタメンでも34試合でマスクをかぶった。中村悠平が35歳以上となる中で、古賀と鈴木という若い捕手の軸ができつつあり、捕手の補強の優先度は他のポジションより低い。

投手の課題―山野・奥川に続く先発

投手投年齢登板勝敗SH投球回防御率
山野太一左272512400162.12.33
奥川恭伸右2523711001562.88
吉村貢司郎右282141200113.14.84
松本健吾右27236500104.14.14
高橋奎二左2919570295.24.33
高梨裕稔右35〜15630086.22.60
星知弥右325124131482.63
ウォルターズ右2924355445.14.76
丸山翔大右2840020743.23.71
清水昇右30502452043.13.74
小川泰弘右35〜81500415.49
廣澤優右25433208412.85
リランソ右314023010381.42
キハダ左31412721237.13.86
増居翔太左2681201373.16
阪口皓亮右27340104303.30

先発では、左腕の山野太一(27歳)が12勝4敗、防御率2.33と大きく飛躍し、奥川恭伸(25歳)も156回を投げて防御率2.88と安定した。高梨裕稔も防御率2.60と好投したが、35歳以上だ。

一方、吉村貢司郎は防御率4.84で4勝12敗、松本健吾は4.14、高橋奎二は4.33と、山野と奥川に続く先発が安定しなかった。小川泰弘も35歳以上で防御率5.49と苦しんでいる。救援も、抑えのキハダが21セーブを挙げたものの防御率3.86と安定感を欠いた。リランソ(防御率1.42)、星知弥(31ホールド)らが踏ん張ったが、救援全体の底上げも必要だ。

報道されている候補選手

ヤクルトは1位候補を公表していないが、報道からは次のような動きが伝わっている。

  • 菰田陽生(山梨学院高・投手/内野手):今秋のドラフト1位指名が確実視される二刀流。10月6日にはヤクルトと面談し、青木宣親GMから「大谷選手を目指して挑戦できる17歳なのではないか」と声をかけられたと、山梨学院の吉田洸二監督が明かしている
  • 有馬伽久(立命館大・投手):最速151キロの左腕。ヤクルトの橿渕聡氏は「ストレートとスライダーのコンビネーションがいい。いいピッチャーには間違いない」と評価している
  • 米沢友翔(関西大・投手):全日本大学選手権でMVPに輝いた左腕。橿渕氏は「だいぶスピードも戻ってきている。緩急もうまく使っていますしやっぱり良いピッチャー」と話している

ヤクルトのドラフト戦略

ここまでの分析を踏まえると、ヤクルトのドラフト戦略は次のように整理できる。

1位:長打力のある内野手か、即戦力の先発投手

最も手薄なのは、一塁・三塁を任せられる長打力のある内野手だ。リーグ最少の83本塁打に終わった打線を変えるには、中軸を担える打者が必要になる。その点で、ヤクルトとの面談の日の打撃練習で約12分間に10本の柵越えを放った二刀流の菰田は、打者としても大きな魅力を持つ。

一方、リーグワーストの防御率を考えれば、即戦力の先発投手を1位で狙う選択肢もある。報道で評価の声が伝わる有馬、米沢の大学生左腕は、山野に続く先発候補として当てはまる。どちらも他球団が上位で狙う可能性が高く、1位で確保するかどうかが分かれ目になる。

2〜3位:先発投手

1位で野手を指名した場合、2位以降は先発投手を優先したい。12球団のドラフト戦略の記事でも挙げた最速154キロの宮原廉(近畿大)、最速156キロの吉川凌平(千葉商科大)ら、大学生の本格派右腕は今年の候補に多い。吉村や松本健に続く、ローテーションを争える投手の獲得が求められる。

中位以降:内野手と救援投手

三塁や二塁もレギュラーを固定できなかったため、中位以降でも内野手の補強を続けたい。救援も底上げが必要で、勝ちパターンを担える投手を加えておくことが、投手陣の立て直しにつながる。捕手は古賀と鈴木叶がいるため、優先度は低い。

まとめ

  • ヤクルトは61勝80敗2分の5位。本塁打83本はリーグ最少、防御率3.68はリーグ最下位
  • 100打席以上の内野手にOPS.700超えは0人。4番も固定できなかった
  • 外野はサンタナ(OPS.815)、増田らが打線を支えたが、サンタナは34歳
  • 先発は山野・奥川に続く投手が安定せず、救援も底上げが必要
  • 捕手は古賀と20歳の鈴木叶が育ちつつあり、優先度は低い
  • 1位は長打力のある内野手か、即戦力の先発投手。2位以降で先発、中位以降で内野手と救援を補強したい

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出典

・山梨学院・菰田陽生選手と東京ヤクルトが面談|ドラフト会議ホームページ
・立命大・有馬伽久投手|ドラフト会議ホームページ
・関大・米沢友翔投手|ドラフト会議ホームページ
・ドラフト会議2026年東京ヤクルトスワローズ指名予想|球歴.com
・2026年 東京ヤクルトスワローズ|スタメンデータベース
・NPB.jp 2026年度 セントラル・リーグ チーム勝敗表
・NPB.jp 2026年度 セントラル・リーグ チーム打撃成績
・NPB.jp 2026年度 セントラル・リーグ チーム投手成績
・NPB.jp 2026年度 東京ヤクルトスワローズ 個人打撃成績

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