10月22日のプロ野球ドラフト会議を前に、西武が1位指名の最終判断に向けて議論を続けている。西口文也監督のもとで戦った今季は79勝60敗4分の2位。チーム防御率2.87はリーグトップと投手陣が躍進した一方、CSファーストステージでは日本ハムに敗れ、打線の課題が改めて浮き彫りになった。
この記事では、西武の今季の成績、投手・野手の年齢構成、ポジション別のスタメン出場回数を表で確認し、チームの弱点を踏まえたドラフト戦略を考える。
今季の成績―防御率はリーグトップ
| 項目 | 成績 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| 順位 | 2位 | - |
| 勝敗 | 79勝60敗4分 | - |
| 勝率 | .568 | 2位 |
| 得点 | 503 | 3位 |
| 失点 | 464 | 2位 |
| チーム打率 | .244 | 3位 |
| 本塁打 | 109 | 4位 |
| 盗塁 | 56 | 4位 |
| チーム防御率 | 2.87 | 1位 |
| CS | ファーストステージ敗退 | - |
西武は首位のソフトバンクから11.5ゲーム差の2位に入った。原動力は投手陣で、チーム防御率2.87はリーグトップ、失点464もリーグ2位の少なさだった。一方、チーム打率.244はリーグ3位、本塁打109本はリーグ4位、得点503はリーグ3位。首位のソフトバンク(707得点)とは200点以上の差がある。
年齢・ポジション別の戦力構成
投手
| 年齢 | 投手(右) | 投手(左) |
|---|---|---|
| 〜20 | 成田・狩生・篠原 | 冨士 |
| 21 | 杉山 | |
| 22 | 山田・黒田 | |
| 23 | 堀越・豆田 | 岩城・羽田・菅井・佐藤爽 |
| 24 | ||
| 25 | 上田 | 武内 |
| 26 | 渡邉・青山 | 佐藤隼輔 |
| 27 | 平良 | 隅田・浜屋 |
| 28 | 糸川 | |
| 29 | 髙橋 | |
| 30 | 松本・甲斐野 | |
| 31 | 與座・ワイナンス・中村祐太 | |
| 32 | ウィンゲンター・黒木・E.ラミレス | |
| 33 | ||
| 34 | 森脇 | |
| 35〜 | ||
| 人数 | 22 | 10 |
野手
| 年齢 | 捕手 | 内野(右打) | 内野(左打) | 外野(右打) | 外野(左打) |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜20 | 龍山 | 齋藤 | 横田 | ||
| 21 | |||||
| 22 | 古川 | ||||
| 23 | 小島 | 滝澤 | 秋山 | ||
| 24 | 山村・佐藤太陽 | 渡部・林冠臣・長谷川 | 仲三・川田 | ||
| 25 | 牧野 | 村田 | |||
| 26 | 是澤 | カナリオ | 蛭間 | ||
| 27 | 古賀 | 仲田 | 髙松 | 茶野・西川 | |
| 28 | 児玉 | 若林 | |||
| 29 | 柘植 | ネビン | 平沢 | 林安可 | |
| 30 | 岸 | ||||
| 31 | |||||
| 32 | 石井 | ||||
| 33 | 源田 | 桑原 | |||
| 34 | 外崎 | ||||
| 35〜 | 炭谷 | 中村剛也 | |||
| 人数 | 7 | 7 | 8 | 8 | 7 |
支配下選手を今季の年齢とポジション(投手は右左、野手は打席の右左)で分けたのが上の2つの表だ。投手は20代の主力が多く、左投手も10人とバランスが良い。野手は、遊撃の源田壮亮が33歳、外崎修汰が34歳、中村剛也が35歳以上と、内野のベテランが世代交代の時期を迎えている。
野手の課題―長打力と源田の後継
主な野手の今季成績
| 選手 | 年齢 | 守備・打席 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カナリオ | 26 | 外野・右 | 133 | 529 | .247 | 16 | 54 | 13 | .705 |
| 渡部聖弥 | 24 | 外野・右 | 129 | 515 | .255 | 12 | 48 | 3 | .676 |
| 滝澤夏央 | 23 | 内野・左 | 123 | 470 | .276 | 1 | 31 | 13 | .662 |
| ネビン | 29 | 内野・右 | 103 | 428 | .265 | 21 | 48 | 0 | .825 |
| 小島大河 | 23 | 捕手 | 99 | 367 | .267 | 9 | 40 | 0 | .686 |
| 西川愛也 | 27 | 外野・左 | 99 | 321 | .226 | 3 | 28 | 5 | .574 |
| 源田壮亮 | 33 | 内野・左 | 117 | 319 | .218 | 1 | 27 | 1 | .570 |
| 平沢大河 | 29 | 内野・左 | 91 | 312 | .250 | 3 | 19 | 1 | .664 |
| 長谷川信哉 | 24 | 外野・右 | 86 | 307 | .266 | 13 | 39 | 7 | .801 |
| 林安可 | 29 | 外野・左 | 76 | 262 | .220 | 8 | 29 | 0 | .675 |
| 石井一成 | 32 | 内野・左 | 74 | 257 | .236 | 7 | 22 | 0 | .657 |
| 桑原将志 | 33 | 外野・右 | 62 | 239 | .227 | 3 | 15 | 2 | .624 |
| 古賀悠斗 | 27 | 捕手 | 91 | 235 | .266 | 4 | 27 | 2 | .724 |
| 岸潤一郎 | 30 | 外野・右 | 99 | 196 | .237 | 1 | 12 | 3 | .592 |
| 外崎修汰 | 34 | 内野・右 | 35 | 103 | .167 | 2 | 9 | 1 | .474 |
100打席以上の野手で、OPSが.800を超えたのはネビン(21本塁打、.825)と長谷川信哉(13本塁打、.801)の2人だけ。カナリオが16本塁打を放ったものの、OPSは.705にとどまった。中堅で最も多く出場した西川愛也はOPS.574、遊撃の源田は.570と、打撃で物足りない選手も多い。
ポジション別のスタメン出場回数
| ポジション | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 捕手 | 小島(83) | 古賀悠(47) | 柘植(13) |
| 一塁 | ネビン(83) | 平沢(25) | 長谷川(21) |
| 二塁 | 石井(63) | 滝澤(48) | 外崎(13) |
| 三塁 | 渡部(102) | 平沢(25) | 山村(13) |
| 遊撃 | 源田(80) | 滝澤(63) | - |
| 左翼 | 桑原(49) | 林安可(24) | 蛭間(22) |
| 中堅 | 西川(72) | 長谷川(33) | 岸(18) |
| 右翼 | カナリオ(125) | 長谷川(8) | 林安可(5) |
| 指名打者 | 林安可(36) | 渡部(24) | ネビン(20) |
今季143試合のスタメンをポジション別に集計した。カッコ内はスタメンでの出場試合数だ。
- 固定できたポジション:右翼のカナリオ(125試合)、三塁の渡部聖弥(102試合)、一塁のネビン(83試合)、捕手の小島大河(83試合)
- 遊撃:源田(80試合)と滝澤夏央(63試合)の2人で分け合った。源田は33歳で、後継は滝澤が有力だが、滝澤も1本塁打と長打力は乏しい
- 二塁:石井一成(63試合)と滝澤(48試合)の併用
- 左翼:桑原将志が49試合で最多だが、林安可(24試合)、蛭間拓哉(22試合)、平沢大河(19試合)らと併用が続き、レギュラー不在
- 中堅:西川(72試合)と長谷川(33試合)の併用
4番はネビンが85試合を務め、長打を期待できる打者はネビンと長谷川、カナリオに限られる。左翼と中堅にレギュラーがいないことを考えれば、外野で長打を担える打者の補強が欠かせない。
捕手―23歳の小島が正捕手に
| 捕手 | 年齢 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小島大河 | 23 | 99 | 367 | .267 | 9 | 40 | .686 |
| 古賀悠斗 | 27 | 91 | 235 | .266 | 4 | 27 | .724 |
| 柘植世那 | 29 | 30 | 55 | .314 | 1 | 2 | .739 |
| 是澤涼輔 | 26 | 1 | 1 | .000 | 0 | 0 | 1.000 |
捕手は23歳の小島が99試合に出場し、打率.267、9本塁打と正捕手に定着した。古賀悠斗(27歳)もOPS.724と打撃で結果を残し、柘植世那(29歳)を含めて捕手の陣容は安定している。捕手の補強の優先度は低い。
投手―若い先発陣が充実
| 投手 | 投 | 年齢 | 登板 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 隅田知一郎 | 左 | 27 | 24 | 10 | 8 | 0 | 0 | 166.1 | 2.27 |
| 平良海馬 | 右 | 27 | 23 | 12 | 5 | 0 | 0 | 146 | 1.36 |
| 武内夏暉 | 左 | 25 | 23 | 11 | 8 | 0 | 0 | 143 | 3.27 |
| 髙橋光成 | 右 | 29 | 22 | 9 | 6 | 0 | 0 | 138.1 | 2.54 |
| 渡邉勇太朗 | 右 | 26 | 20 | 5 | 7 | 0 | 0 | 127 | 3.61 |
| 甲斐野央 | 右 | 30 | 56 | 2 | 2 | 23 | 20 | 53.2 | 1.84 |
| 菅井信也 | 左 | 23 | 10 | 2 | 3 | 0 | 0 | 53 | 2.72 |
| 佐藤爽 | 左 | 23 | 10 | 2 | 1 | 1 | 0 | 48 | 3.56 |
| 篠原響 | 右 | 〜20 | 46 | 3 | 3 | 1 | 31 | 44.2 | 2.22 |
| ワイナンス | 右 | 31 | 8 | 2 | 4 | 0 | 0 | 43.1 | 5.19 |
| 豆田泰志 | 右 | 23 | 32 | 3 | 0 | 2 | 4 | 41.2 | 1.51 |
| 佐藤隼輔 | 左 | 26 | 37 | 4 | 1 | 1 | 10 | 31.2 | 4.26 |
| 岩城颯空 | 左 | 23 | 31 | 2 | 1 | 18 | 2 | 30.2 | 3.52 |
投手陣は12球団でもトップクラスだ。先発は平良海馬(27歳)が12勝5敗、防御率1.36で最優秀防御率に輝き、隅田知一郎(27歳、防御率2.27)、武内夏暉(25歳、11勝)、髙橋光成(29歳、2.54)と、20代の先発がそろう。救援も甲斐野央が23セーブ、20歳以下の篠原響が31ホールド、豆田泰志が防御率1.51と、若い投手が台頭した。
一方で、西口監督は即戦力投手を要望していると報じられている。先発の5番手以降を担う渡邉勇太朗(防御率3.61)、ワイナンス(5.19)らの安定感を考えれば、先発の層を厚くする補強も選択肢になる。
スカウトの動向
西武は1位候補を公表していない。メジャー挑戦を表明した横浜高の織田翔希投手について、広池浩司球団本部長は「あれだけの選手ですから、ドラフト会議全体に及ぼす影響は大きいと思います」と話した。織田が指名の対象から外れることで、ほかの1位候補に指名が集中する可能性もあり、西武は1位指名の決定に向けて議論を尽くす構えだ。
大学生では、亜細亜大の川尻啓人投手について、秋元宏作副本部長が「これだけ真っすぐの出力が高く、スピードもある。今年の大学生の中でも、このアベレージで投げられる投手はいない。楽しみな選手ですね」と高く評価している。
西武のドラフト戦略
ここまでの分析を踏まえると、西武のドラフト戦略は次のように整理できる。
1位:長打力のある打者か、即戦力投手
チームの最大の課題は打線だ。投手陣が若く充実しているだけに、上位から長打力のある野手を指名する価値は高い。12球団のドラフト戦略の記事でも挙げたように、関西六大学で通算12本塁打を放った春山陽登(大阪商業大)、打球速度150キロ超の藤澤涼介(東京ガス)らが候補になる。
一方で、西口監督の要望や、秋元副本部長の評価を踏まえれば、最速158キロの川尻を1位で狙う可能性もある。打線の強化と即戦力投手、どちらを優先するかが1位の分かれ目になる。
2〜3位:源田の後継となる遊撃手と外野手
遊撃は源田が33歳となり、後継の育成が急がれる。1位で投手を選んだ場合は、2位以降で長打力のある外野手と、守備力の高い遊撃手を優先したい。
中位以降:先発の層と内野の厚み
先発陣は若く充実しているが、5番手以降の層を厚くするために、中位以降でも先発候補の投手を加えておきたい。内野も、外崎や中村らベテランの後を担う選手の補強が必要になる。
まとめ
- 西武は79勝60敗4分の2位。チーム防御率2.87はリーグトップ
- 得点503はリーグ3位で、首位ソフトバンクとは200点以上の差
- OPS.800超えはネビンと長谷川の2人だけ。左翼と中堅はレギュラー不在
- 遊撃の源田は33歳で、後継の育成が急務
- 投手は平良が最優秀防御率、隅田・武内・髙橋と若い先発がそろう
- 1位は長打力のある打者か即戦力投手。2位以降で遊撃手と外野手を補強したい
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出典
・ソフトバンク三笠GM、横浜高・織田翔希投手の米挑戦にエールも指名の明言避ける、西武「影響は大きい」|ドラフト会議ホームページ
・西武、慶大・広池浩成投手を指名候補から外す|ドラフト会議ホームページ
・最速158キロのドラフト1位候補・亜大の川尻啓人投手|ドラフト会議ホームページ
・ドラフト会議2026年埼玉西武ライオンズ指名予想|球歴.com
・2026年 埼玉西武ライオンズ|スタメンデータベース
・NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム勝敗表
・NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム打撃成績
・NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム投手成績
・NPB.jp 2026年度 埼玉西武ライオンズ 個人打撃成績