10月22日のプロ野球ドラフト会議に向けて、日本ハムは10月13日の第5回スカウト会議で、約90人の指名候補の評価を確認した。新庄剛志監督のもとで戦った今季は78勝62敗3分の3位。CSではファーストステージで西武を破ったものの、ファイナルステージではソフトバンクに3連敗で敗退した。
チーム本塁打177本はリーグトップと打線の長打力は健在だが、守備や投手陣の世代交代には課題も残る。この記事では、日本ハムの今季の成績、投手・野手の年齢構成、ポジション別のスタメン出場回数を表で確認し、チームの弱点を踏まえたドラフト戦略を考える。
今季の成績―本塁打はリーグトップ
| 項目 | 成績 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| 順位 | 3位 | - |
| 勝敗 | 78勝62敗3分 | - |
| 勝率 | .557 | 3位 |
| 得点 | 591 | 2位 |
| 失点 | 529 | 3位 |
| チーム打率 | .248 | 2位 |
| 本塁打 | 177 | 1位 |
| 盗塁 | 75 | 2位 |
| チーム防御率 | 3.38 | 3位 |
| CS | ファイナルステージ敗退 | - |
日本ハムは首位のソフトバンクから13ゲーム差の3位。チーム本塁打177本はリーグトップで、得点591、チーム打率.248、盗塁75はいずれもリーグ2位と、攻撃力は高かった。一方、チーム防御率3.38、失点529はリーグ3位。シーズンの失策数88は両リーグ最多で、CSファイナルステージでも守備の乱れから逆転を許した。
年齢・ポジション別の戦力構成
投手
| 年齢 | 投手(右) | 投手(左) |
|---|---|---|
| 〜20 | 柴田・清水大暉 | 藤田 |
| 21 | 孫 | |
| 22 | 達 | |
| 23 | 大川・福島・畔柳・柳川 | |
| 24 | 浅利・山城 | 細野 |
| 25 | ||
| 26 | 金村・古林・山本・松岡・清宮虎多朗 | 矢澤 |
| 27 | 北山・ラオ・菊地 | |
| 28 | 河野・堀 | |
| 29 | 伊藤 | |
| 30 | ||
| 31 | 生田目・齋藤 | |
| 32 | 田中・池田 | 上原 |
| 33 | 島本 | |
| 34 | 玉井・有原 | 加藤・山﨑 |
| 35〜 | 福谷 | 宮西 |
| 人数 | 26 | 10 |
野手
| 年齢 | 捕手 | 内野(右打) | 内野(左打) | 外野(右打) | 外野(左打) |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜20 | 藤森 | 半田 | |||
| 21 | 明瀬 | ||||
| 22 | 常谷 | ||||
| 23 | 有薗 | 阪口・大塚 | エドポロ | ||
| 24 | 進藤 | 山縣 | 細川 | ||
| 25 | 吉田 | 宮崎・水谷 | |||
| 26 | 田宮 | 野村・奈良間 | 水野 | 万波 | |
| 27 | カストロ | 清宮幸太郎 | |||
| 28 | 梅林 | 五十幡 | |||
| 29 | 郡司・リン | 上川畑 | 今川 | ||
| 30 | マルティネス・清水優心 | 淺間 | |||
| 31 | レイエス | ||||
| 32 | |||||
| 33 | |||||
| 34 | 西川 | ||||
| 35〜 | |||||
| 人数 | 9 | 7 | 7 | 6 | 3 |
支配下選手を今季の年齢とポジション(投手は右左、野手は打席の右左)で分けたのが上の2つの表だ。投手は右の先発が充実している一方、左の先発の主力の加藤貴之と山﨑福也がともに34歳。野手は捕手が豊富な一方、外野の左打ちが少なく、若手もいない。
野手の課題―中堅と守備力
主な野手の今季成績
| 選手 | 年齢 | 守備・打席 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水野達稀 | 26 | 内野・左 | 132 | 553 | .289 | 11 | 58 | 16 | .783 |
| レイエス | 31 | 外野・右 | 128 | 531 | .313 | 32 | 82 | 0 | .946 |
| 清宮幸太郎 | 27 | 内野・左 | 135 | 513 | .237 | 23 | 65 | 2 | .758 |
| 万波中正 | 26 | 外野・右 | 119 | 466 | .257 | 21 | 55 | 0 | .772 |
| 野村佑希 | 26 | 内野・右 | 118 | 429 | .257 | 17 | 61 | 4 | .717 |
| 郡司裕也 | 29 | 捕手 | 110 | 381 | .251 | 7 | 28 | 0 | .718 |
| 田宮裕涼 | 26 | 捕手 | 94 | 289 | .266 | 7 | 30 | 4 | .695 |
| 奈良間大己 | 26 | 内野・右 | 116 | 250 | .249 | 5 | 24 | 7 | .672 |
| カストロ | 27 | 内野・右 | 71 | 222 | .215 | 8 | 24 | 4 | .644 |
| 水谷瞬 | 25 | 外野・右 | 62 | 217 | .239 | 6 | 23 | 2 | .664 |
| 進藤勇也 | 24 | 捕手 | 66 | 160 | .211 | 8 | 18 | 0 | .724 |
| 大塚瑠晏 | 23 | 内野・左 | 61 | 156 | .181 | 6 | 16 | 0 | .615 |
| 吉田賢吾 | 25 | 捕手 | 53 | 149 | .269 | 8 | 19 | 1 | .820 |
| 細川凌平 | 24 | 内野・左 | 84 | 138 | .219 | 2 | 11 | 8 | .624 |
| 有薗直輝 | 23 | 内野・右 | 35 | 127 | .227 | 1 | 11 | 2 | .650 |
| 五十幡亮汰 | 28 | 外野・左 | 101 | 127 | .224 | 0 | 3 | 13 | .526 |
| 山縣秀 | 24 | 内野・右 | 61 | 107 | .227 | 0 | 5 | 2 | .533 |
打線の中心は、打率.313、32本塁打、OPS.946の首位打者レイエスだ。清宮幸太郎(23本塁打)、万波中正(21本塁打)、野村佑希(17本塁打)と長打を打てる打者がそろい、遊撃の水野達稀もOPS.783と結果を残した。捕手の吉田賢吾も149打席でOPS.820と、限られた機会で長打力を示している。
ポジション別のスタメン出場回数
| ポジション | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 捕手 | 田宮(74) | 進藤(49) | 郡司(11) |
| 一塁 | 清宮幸(108) | 野村(10) | レイエス(9) |
| 二塁 | 奈良間(54) | 大塚(26) | カストロ(15) |
| 三塁 | 郡司(58) | 有薗(33) | 野村(30) |
| 遊撃 | 水野(122) | 大塚(9) | 山縣(7) |
| 左翼 | 野村(41) | 水谷(38) | 郡司(17) |
| 中堅 | カストロ(29) | 矢澤(25) | 五十幡(24) |
| 右翼 | 万波(111) | 野村(11) | 水谷(9) |
| 指名打者 | レイエス(117) | 柴田(5) | 野村・吉田(各3) |
今季143試合のスタメンをポジション別に集計した。カッコ内はスタメンでの出場試合数だ。
- 固定できたポジション:遊撃の水野(122試合)、指名打者のレイエス(117試合)、右翼の万波(111試合)、一塁の清宮(108試合)
- 中堅:カストロ(29試合)、矢澤宏太(25試合)、五十幡亮汰(24試合)、吉田(17試合)と、最多でも29試合。最もレギュラーが不在だったポジション
- 二塁:奈良間大己が54試合で最多で、大塚瑠晏(26試合)、カストロ(15試合)、山縣秀(14試合)と併用
- 三塁:郡司裕也(58試合)、有薗直輝(33試合)、野村(30試合)の併用
- 左翼:野村(41試合)、水谷瞬(38試合)、郡司(17試合)の併用
打順を見ると、4番も郡司(36試合)、レイエス(31試合)、万波(31試合)、野村(26試合)と4人で分け合った。長打を打てる打者はそろっている一方、守備位置が固まらず、打者の起用を優先した布陣になっている。CSファイナルステージでも、一塁や左翼の守備の乱れが敗戦につながった。特に中堅はレギュラー不在で、守備範囲の広い外野手の補強は急務だ。
捕手―人数は豊富
| 捕手 | 年齢 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 郡司裕也 | 29 | 110 | 381 | .251 | 7 | 28 | .718 |
| 田宮裕涼 | 26 | 94 | 289 | .266 | 7 | 30 | .695 |
| 進藤勇也 | 24 | 66 | 160 | .211 | 8 | 18 | .724 |
| 吉田賢吾 | 25 | 53 | 149 | .269 | 8 | 19 | .820 |
| マルティネス | 30 | 21 | 41 | .139 | 2 | 4 | .550 |
| 清水優心 | 30 | 21 | 37 | .125 | 1 | 4 | .472 |
| 梅林優貴 | 28 | 2 | 5 | .000 | 0 | 0 | .000 |
捕手は田宮裕涼(26歳)が74試合、進藤勇也(24歳)が49試合でスタメンマスクをかぶった。郡司、吉田も捕手登録で、20代の捕手が多くそろう。捕手の補強の優先度は低い。
投手の課題―左の先発の世代交代
| 投手 | 投 | 年齢 | 登板 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤大海 | 右 | 29 | 26 | 10 | 10 | 0 | 0 | 172.2 | 3.18 |
| 北山亘基 | 右 | 27 | 24 | 13 | 3 | 0 | 0 | 147.2 | 2.56 |
| 達孝太 | 右 | 22 | 27 | 5 | 8 | 2 | 5 | 124.2 | 2.96 |
| 加藤貴之 | 左 | 34 | 20 | 12 | 3 | 0 | 0 | 115 | 2.90 |
| 有原航平 | 右 | 34 | 17 | 7 | 9 | 0 | 0 | 103.1 | 4.44 |
| 福島蓮 | 右 | 23 | 27 | 6 | 4 | 1 | 5 | 80.1 | 3.14 |
| 細野晴希 | 左 | 24 | 12 | 3 | 5 | 0 | 0 | 73.2 | 3.42 |
| 山﨑福也 | 左 | 34 | 17 | 5 | 1 | 0 | 0 | 60.2 | 2.67 |
| 柳川大晟 | 右 | 23 | 53 | 4 | 1 | 30 | 5 | 52 | 1.56 |
| 上原健太 | 左 | 32 | 42 | 2 | 3 | 0 | 11 | 38 | 4.03 |
| 島本浩也 | 左 | 33 | 46 | 2 | 3 | 2 | 22 | 38 | 2.61 |
| 田中正義 | 右 | 32 | 40 | 1 | 4 | 1 | 18 | 38 | 4.26 |
| 堀瑞輝 | 左 | 28 | 43 | 4 | 1 | 1 | 19 | 34.2 | 2.60 |
| 孫易磊 | 右 | 21 | 22 | 2 | 1 | 0 | 8 | 30.2 | 2.64 |
右の先発は充実している。北山亘基(27歳)が13勝3敗で最多勝、伊藤大海(29歳)がチーム最多の172回2/3を投げ、22歳の達孝太も防御率2.96と先発に定着した。救援も柳川大晟(23歳)が30セーブ、防御率1.56と抑えに成長した。
課題は左の先発だ。加藤(12勝3敗、防御率2.90)、山﨑(防御率2.67)はともに34歳で、右の有原航平も34歳で防御率4.44と苦しんだ。若い左腕は細野晴希(24歳)が5敗、防御率3.42と、まだ先発に定着できていない。救援の左腕も、上原健太(32歳)、島本浩也(33歳)とベテランが中心だ。
スカウト会議の動向
日本ハムは1位候補を公表していない。木田優夫GM代行は、1位の事前公表について「時と場合による。今は何とも言えない」と話し、「うちはずっと一番いい選手から取っている。それに変わりはない」と方針を説明した。
大渕隆スカウト部長は、10月14日に横浜高の織田翔希投手と面談。「将来メジャーに行くかもしれないけど、日本でも頑張ってほしいなと思う」と話し、1位候補かと問われると「もちろん。担当も推していました」と答えた。ただし、織田はその後メジャー挑戦を表明しており、指名の対象からは外れる。2月の段階では、1位候補として山梨学院高の菰田陽生、青山学院大の鈴木泰成らを含む約15人をリストアップしていたと報じられている。
日本ハムのドラフト戦略
ここまでの分析を踏まえると、日本ハムのドラフト戦略は次のように整理できる。
1位:最も能力の高い選手、または左の先発
木田GM代行が話すように、日本ハムは「一番いい選手から取る」方針を続けている。織田がメジャー挑戦を表明したことで、2月から1位候補に挙がっていた菰田や鈴木泰成を1位で狙う可能性が高い。チーム事情から考えれば、加藤と山﨑の後継となる左の先発が最も必要なポジションだ。12球団のドラフト戦略の記事でも挙げたように、米沢友翔(関西大)、渡辺和大(慶應大)、有馬伽久(立命館大)ら、今年は大学生の左腕が豊富にそろう。
2〜3位:守備力の高い外野手
中堅はレギュラーが不在で、守備の乱れも課題になった。打撃では長打を打てる選手がそろっている分、2位以降では守備範囲の広い外野手を優先したい。外野の左打ちが少ないことを考えれば、王子の柴崎聖人のような左打ちの即戦力外野手も候補になる。
中位以降:二塁・三塁と左の救援
二塁、三塁も併用が続いたため、中位以降で守備力のある内野手を加えたい。救援の左腕もベテランが中心で、社会人の樋口新(王子)のような即戦力の左腕は、先発と救援の両面で戦力になる。
まとめ
- 日本ハムは78勝62敗3分の3位。本塁打177本はリーグトップ
- レイエスが首位打者、清宮・万波・野村と長打を打てる打者がそろう
- 失策88は両リーグ最多。中堅はレギュラー不在で、二塁・三塁・左翼も併用
- 左の先発の加藤・山﨑はともに34歳で、世代交代が課題
- 捕手は20代が豊富で、補強の優先度は低い
- 1位は最も評価の高い選手か左の先発。2位以降で守備力の高い外野手と内野手を補強したい
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出典
・日本ハムがスカウト会議、指名候補約90人を確認|ドラフト会議ホームページ
・ドラフト会議2026年北海道日本ハムファイターズ指名予想|球歴.com
・日本ハム黒星発進、アキレス腱の守備に次々ほころび|中日スポーツ
・2026年 北海道日本ハムファイターズ|スタメンデータベース
・NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム勝敗表
・NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム打撃成績
・NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム投手成績
・NPB.jp 2026年度 北海道日本ハムファイターズ 個人打撃成績