秋季高校野球近畿大会の準々決勝が10月31日にわかさスタジアム京都で行われ、今春のセンバツを制した大阪桐蔭(大阪1位)は明石商(兵庫2位)に5-8で敗れた。先発したエースの川本晴大(2年)は、初回に自己最速を1キロ更新する155キロを計測した。しかし制球が定まらず、6回途中で161球、14四死球、7失点の大乱調で降板した。4強入りを逃した大阪桐蔭は、来春のセンバツ出場を当確にできなかった。センバツ連覇を狙う王者に黄色信号がともった形だが、選考の材料を見ると出場の可能性はまだ十分に残っている。この記事では、試合の流れと川本の投球内容を振り返り、大阪桐蔭のセンバツ選考の見通しを整理する。
試合結果:大阪桐蔭 5-8 明石商
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大阪桐蔭 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 5 | 9 | 1 |
| 明石商 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | X | 8 | 8 | 3 |
大阪桐蔭は2回に三島光士郎(2年)の適時二塁打で先制した。しかしその裏、川本が四死球で崩れ、明石商に3点を奪われて逆転された。6回表には谷口球児の適時打、小吹玲央の2点二塁打、宮崎球児の二ゴロの間の得点で一挙4点を挙げ、5-3と再逆転に成功する。
ところが直後の6回裏、川本は再び乱れた。1死から4番・大塚弥(2年)に二塁打を浴びると、盗塁と捕手の失策で1点を返された。さらに2つの四球と2つの死球に暴投が重なり、5-5の同点に追いつかれる。2死満塁となったところで川本は降板し、2番手の中村勇斗(2年)が米田大希に左越えの2点二塁打を浴びて勝ち越しを許した。7回にもスクイズで1点を追加され、大阪桐蔭は明石商の2番手・神本力也から得点を奪えないまま試合を終えた。
明石商は8安打で8点を奪った。大阪桐蔭の投手陣から9四球と6死球を選び、犠打も5つ決めている。少ない安打でも走者をため、確実に進めて得点につなげた明石商の攻撃が、大阪桐蔭の自滅を誘った試合だった。明石商はこの勝利で4強入りし、2020年以来7年ぶりとなるセンバツ出場を当確にした。
川本晴大が155キロも14四死球、161球で降板
| 投手 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 川本晴大 | 5回2/3 | 36 | 5 | 8 | 8 | 6 | 7 | 6 |
| 中村勇斗 | 1/3 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 梅野蒼太 | 1 | 5 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 |
| 今井幹太朗 | 1 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
川本は192センチの大型左腕で、今春のセンバツで大阪桐蔭が優勝したときのメンバーだ。来秋のドラフト候補として注目され、日刊スポーツによると、この日はMLB5球団、NPB7球団のスカウトが視察に訪れていた。
初回、先頭打者を6球目で空振り三振に仕留めた球が、球場表示で155キロを記録した。それまでの最速154キロを1キロ更新する数字だ。しかし、この回から3つの四球で2死満塁のピンチを招き、3つのアウトをすべて三振で奪って無失点で切り抜けた。
イニング別の投球内容
| イニング | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 四球 | 死球 | 四死球計 | 失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1回 | 6 | 0 | 3 | 3 | 0 | 3 | 0 |
| 2回 | 9 | 2 | 1 | 2 | 2 | 4 | 3 |
| 3回 | 4 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| 4回 | 5 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 |
| 5回 | 5 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| 6回 | 7 | 1 | 0 | 2 | 2 | 4 | 4 |
| 計(5回2/3) | 36 | 5 | 8 | 8 | 6 | 14 | 7 |
崩れたのは2回だった。先頭の高野勝斗への死球から、四球、安打、遊撃への適時内野安打で同点とされ、遊ゴロの間に勝ち越し点を奪われた。さらに大塚への四球の後、中田航平に押し出しの死球を与えて3点目を失った。2回だけで4つの四死球を出し、初回と合わせると2イニングで7四死球になった。
3回から5回は四死球を1つずつ出しながらも無失点でしのいだ。しかし味方が逆転した直後の6回に、再び4つの四死球と暴投で崩れた。5回2/3を投げて許した安打は5本で、奪三振は8つを数えたが、与えた四死球は14(8四球、6死球)。7失点のうち6点が自責点だった。7番の高野には1人で3つの死球を与え、4番の大塚には二塁打を含めて4打席すべてで出塁を許した。
1回戦は8回無失点、2試合で一変
| 試合 | 結果 | 投球回 | 投球数 | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 与四死球 | 失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1回戦 龍谷大平安(10月17日) | ○9-0 | 8 | 99 | 27 | 2 | 7 | 2 | 0 |
| 準々決勝 明石商(10月31日) | ●5-8 | 5回2/3 | 161 | 36 | 5 | 8 | 14 | 7 |
川本は10月17日の1回戦、龍谷大平安(京都3位)戦では8回を99球、2安打7奪三振、無失点に抑えていた。与四死球はわずか2で、大阪桐蔭は9-0で完封勝ちしている。今春のセンバツ王者と2014年のセンバツ王者の名門対決を制した投球から一転、準々決勝は制球に苦しんだ。球威は自己最速を記録するほど十分だっただけに、来春に向けては制球の安定が最大の課題になる。
大阪桐蔭のセンバツ出場は?近畿6枠の選考を考える
近畿地区のセンバツ一般選考枠は6校だ。4強に入った学校はほぼ確実に選ばれ、残りの2校は準々決勝で敗れた4校の中から選ばれるのが基本になる。大阪桐蔭は4強を逃して当確ランプはともらなかったが、準々決勝敗退校の中では選ばれる可能性が高いと見る。理由は次の3つだ。
1. 大阪1位校として近畿大会に出場
大阪桐蔭は秋の大阪大会を制して近畿大会に出場した。大阪大会では準々決勝で履正社を7-0、準決勝で大阪産大付を9-2、決勝で東海大大阪仰星を5-0で下し、3試合で2失点と圧倒している。府県大会の順位は選考で重視される材料の一つで、大阪の頂点に立った実績は大きい。
2. 初戦は名門・龍谷大平安に9-0で完封勝ち
近畿大会の初戦では、2014年のセンバツ王者である龍谷大平安に9-0で完封勝ちした。準々決勝で敗れた相手の明石商も4強に入った学校で、得点差は3点。2試合を通した内容は、他の準々決勝敗退校と比べても見劣りしない。
3. 8強に残った大阪勢は大阪桐蔭だけ
選考では、同じ府県に出場校が偏らない「地域性」も考慮される。今大会の8強に残った大阪勢は大阪桐蔭だけだ。大阪2位の東海大大阪仰星は1回戦で八幡商に3-10の7回コールド負け、大阪3位の関西創価は彦根総合に0-1で敗れた。大阪桐蔭が選ばれなければ、大阪から1校も出場しないことになる。一方で4強には兵庫2位の明石商が入っており、兵庫1位の報徳学園も準々決勝を戦う。府県のバランスを考えても、大阪桐蔭には追い風といえる。
もちろん、最終的な選考は他の準々決勝の結果や試合内容との比較で決まる。同じ日に行われる彦根総合-智弁学園、京都国際-智弁和歌山、報徳学園-八幡商の3試合で敗れた学校が、どのような負け方をするかも影響する。センバツの出場校は来年1月の選考委員会で決まる。大阪桐蔭が選ばれれば、2017年と2018年以来となる2度目のセンバツ連覇に挑むことになる。
まとめ
- 秋季近畿大会の準々決勝で、今春のセンバツ王者・大阪桐蔭が明石商に5-8で敗れ、4強入りを逃した。明石商は2020年以来7年ぶりのセンバツ出場を当確にした。
- エースの川本晴大は初回に自己最速の155キロを計測したが、5回2/3で161球、14四死球(8四球、6死球)、7失点の大乱調。1回戦の龍谷大平安戦で8回無失点に抑えた投球から一変した。
- 明石商は8安打ながら9四球、6死球、5犠打を生かして8点を奪った。
- 大阪桐蔭は当確を逃したが、大阪1位で初戦に完封勝ちし、8強に他の大阪勢がいないことから、準々決勝敗退校の中では選出の可能性が高い。
出典
・2026年10月31日 明石商vs.大阪桐蔭 試合出場成績|スポーツナビ
・2026年10月31日 明石商vs.大阪桐蔭 テキスト速報|スポーツナビ
・2026年10月17日 龍谷大平安vs.大阪桐蔭 試合出場成績|スポーツナビ
・大阪桐蔭が逆転負け 先発・川本が六回途中7失点、14四死球に暴投と乱調|デイリースポーツ
・大阪桐蔭・川本晴大 2回で7四死球 制球が定まらず3失点で勝ち越し許す立ち上がり|デイリースポーツ
・大阪桐蔭、準々決勝で散る 川本晴大14四死球で7失点…6回途中で161球|日刊スポーツ
・【近畿大会】大阪桐蔭 選抜当確ならず…川本晴大が155キロ計測も14与四死球の乱調|スポニチアネックス
・【近畿大会】明石商7年ぶり選抜当確!今春選抜王者の大阪桐蔭に逆転で4強|スポニチアネックス
・大阪桐蔭の155キロ左腕は6回途中、7失点、14四死球で降板…逆転を許す|高校野球ドットコム