横浜D
シーズン最終戦となった10月4日の阪神戦では、1-1の延長11回一死一、二塁の場面で、阪神の工藤泰成から右前へサヨナラ打を放った。この勝利でDeNAは阪神との差を10ゲーム未満に抑えることが確定し、CSファイナルステージで阪神のアドバンテージが2勝ではなく1勝にとどまる結果となった。エンカーナシオンの一打は、チームのCS進出の条件を守った場面として大きな意味を持つ。
eNAベイスターズは2026年のレギュラーシーズンを全日程終了した。最終成績は71勝69敗3分の貯金2。セ・リーグ3位でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージに進出し、2位・巨人と対戦する。
今季のDeNAは、5月の山本祐大のトレードを境に打線の調子が落ち、6月は4勝15敗と大きく負け越した。7月2日時点では27勝42敗2分、借金15という今季最悪の状態にまで落ち込んだ。しかしそこから流れは一変する。7月以降の成績は44勝27敗1分、勝率.620。借金15から貯金2まで一気に巻き返す、今季のセ・リーグでも屈指の劇的な後半戦だった。
この後半戦の反転を支えたのは誰だったのか。打線では牧秀悟と筒香嘉智の二枚看板に加え、7月に新加入したエンカーナシオンの活躍が大きかった。さらに宮下朝陽や古市尊ら若手、そして年間を通じて安定した働きを見せた度会隆輝の存在も欠かせない。投手陣では、エースの東克樹を軸に、新人の片山皓心、手術明けでブレイクした深沢鳳介、山本祐大のトレードで獲得した尾形崇斗らの若手が台頭。中継ぎでは育成契約から7月に支配下復帰を果たした浜地真澄が8回のセットアッパーとして躍動し、守護神の交代も勝ち星を守る大きな転機となった。
この記事では、後半戦の立役者を野手・先発・中継ぎ・抑えの順に取り上げ、今季の成績とともに振り返る。
序盤から7月初めまでの低迷―山本祐大トレードと6月4勝15敗
今季のDeNAは、開幕から5月中旬までは勝率5割前後で推移していた。5月16日には一度勝率5割に達したものの、そこから負けが込み、6月は4勝15敗と大きく崩れた。5月には山本祐大をトレードで放出し、その見返りとして獲得したのが尾形崇斗だった。チームは捕手をめぐる編成の転換期にあり、その中で打線の調子も落ち込んでいた。
7月2日時点の成績は27勝42敗2分。チーム打率は.242、OPSは.638で、本塁打も41本にとどまっていた。打線の長打力が落ち、接戦を落とす試合が続いたことが、借金の急拡大につながっている。この時点では、チームが大型の借金を返済できるかどうか、誰もが疑問を抱いていた。
後半戦の全体像―打線の長打力が借金完済の原動力に
反転の理由は、まず打線の長打力にあった。7月初めまでと7月以降で、チーム打撃の数字は大きく変わっている。チームOPSは.638から.722へと跳ね上がり、本塁打数も41本から72本へと急増した。打率自体は.242から.252へと1分ほどの上昇にとどまるが、長打が増えたことで1点の重みが増し、得点力が底上げされた。
投手陣も、先発の柱だった東克樹の安定感を軸に、後半は若手の起用が結果につながった。中継ぎ・抑えでは勝ちパターンの再構築が進み、接戦を落とさない試合が増えていく。打線の爆発と、ブルペンの整備という二つの要素がかみ合ったことで、借金15からの58試合にわたる長い巻き返しが実現したと言える。
野手の立役者①―牧秀悟、全試合出場の主砲が長打力で覚醒
牧秀悟は今季108試合に出場し、打率.283・30本塁打・75打点、出塁率.363・長打率.564(OPS.927)をマーク。チームの打線の中心としてシーズンを牽引した。
特に注目すべきは7月以降の変化だ。7月初めまでの37試合ではOPS.834・6本塁打だったのに対し、7月以降の71試合では24本塁打・47打点、打率.277と、本塁打数が大きく伸びた。打率はわずかに下がったものの、それを補って余りある長打の質の向上が数字に表れた。
月別に見ても、その勢いは一過性のものではなかった。7月に10本塁打・OPS1.064と爆発した後、8月は打率.307とさらに確実性を増した。9月は打率.233とやや落ち着いたものの、最終盤の10月も2試合で打率.444を記録した。3カ月連続で高いOPSを保ち続けたことが、牧の活躍が単なる一時的な爆発ではなく、実力そのものが一段階上のレベルに到達したことを物語っている。
野手の立役者②―筒香嘉智、OPS.657から.995への完全復活
筒香嘉智は今季99試合に出場し、打率.260・20本塁打・49打点、出塁率.364・長打率.484(OPS.848)という成績を残した。
7月初めまでの40試合では打率.220・3本塁打・OPS.657と苦しい序盤を過ごしていたが、7月以降は59試合で打率.285・17本塁打・37打点へと一気に上昇。本塁打は3本から17本へと激増し、チーム全体のOPSを押し上げる最大の原動力となった。
月別の推移も、その変化の持続性を示している。7月はOPS1.008、8月はOPS1.045と、2カ月連続で1.000前後の高い数字を残した。ベテランの復活劇がちょうど借金返済の時期と重なったことは、チームにとって大きな追い風だったと言える。
野手の立役者③―エンカーナシオン、7月加入の助っ人が打点源に
7月に新加入したエンカーナシオンは、今季64試合に出場し、打率.293・11本塁打・39打点、長打率.494(OPS.815)という成績を残した。来日後すぐにチームの中軸として起用され、加入後の64試合で11本塁打・39打点、打率.293という数字を残し、打点面で4番手以降の選手以上の貢献をした。
牧や筒香ほどの爆発力は見せていないものの、コンスタントに長打を生み出し、ランナーを返し続けた点が大きい。助っ人の加入によって打線に厚みが生まれ、牧・筒香の前後を打つ選手が固定されたことで、得点の期待値が安定していったと言える。
野手の立役者④―度会隆輝、年間を通じて攻守の中心に
度会隆輝は今季134試合に出場し、打率.274・9本塁打・51打点・6盗塁、出塁率.334・長打率.380。安打は129本、塁打は179を数え、長打と出塁の両面でチームに貢献した。二塁打21本、三振73と、長打力と選球眼のバランスも安定していた。守備でも年間を通じて多くの試合に出場した。
7月以降に限っても65試合で打率.268・4本塁打・29打点という数字を残している。派手な本塁打数こそないものの、チームの得点を生み出す出塁・つなぎの役割を、シーズンを通して安定してこなしたことが、度会の最大の貢献と言えるだろう。
野手の立役者⑤―宮下朝陽、古市尊、若手野手の台頭
宮下朝陽は今季71試合に出場し、打率.258・8本塁打・26打点、長打率.411。7月以降は49試合で打率.284・6本塁打・18打点と、シーズン中盤から中軸に近い役割を任されるようになった。若手の一発と長打が、後半戦の打線に新しい色を加えた。
古市尊は今季27試合の出場ながら、打率.359・出塁率.414・長打率.469と高い数字を残した。7月以降の24試合では打率.397と、限られた出場機会で確実に結果を出し続けた。出場機会は限られたものの、チームの層の厚さを示す存在となった。
その他にも、正捕手として出場機会を増やした松尾汐恩は89試合で打率.248・4本塁打、守備の要としての役割も大きかった。ベテラン・宮﨑敏郎も111試合で11本塁打・44打点を挙げ、勝負どころでの打点源として打線を支えている。
牧秀悟の月別推移(7月以降)
| 月 | 打数 | 安打 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 7月 | 82 | 22 | .268 | 10 | 17 | 1.064 |
| 8月 | 101 | 31 | .307 | 6 | 13 | .956 |
| 9月 | 86 | 20 | .233 | 8 | 17 | .868 |
| 10月(2試合) | 9 | 4 | .444 | 0 | 0 | 1.167 |
筒香嘉智の月別推移(7月以降)
| 月 | 打数 | 安打 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 7月 | 52 | 15 | .288 | 4 | 14 | 1.002 |
| 8月 | 72 | 21 | .292 | 8 | 13 | 1.045 |
| 9月 | 76 | 21 | .276 | 5 | 9 | .875 |
| 10月(2試合) | 7 | 2 | .286 | 0 | 1 | .929 |
その他の野手たちの役割
牧や筒香、度会らの活躍に加え、シーズンを支えた野手は他にも多い。佐野恵太は今季129試合に出場し、打率.262・8本塁打・55打点、出塁率.337・長打率.382。全試合に近いペースでフル稼働し、チャンスでの打点源として機能した。本塁打こそ牧・筒香には及ばないが、年間を通じて安定した打撃を続けたことは、打線の厚みに直結している。
宮﨑敏郎は今季111試合に出場し、打率.254・11本塁打・44打点、出塁率.333・長打率.391。ベテランとして勝負どころでの一打を放ち続け、7月以降も打点21を挙げてチームに貢献した。勝又温史は106試合に出場し、打率.283という高い打率で安打を積み重ねた。
松尾汐恩は89試合に出場し、打率.248・4本塁打・19打点。正捕手としての出場機会を増やし、守備の負担を抱えながらの打撃としては及第点の成績を残した。一方で、林琢真は75試合で打率.214、戸柱恭孝は42試合で打率.216と、打撃面で苦しんだ。しかし戸柱が9月の試合で猛打賞を記録するなど、出場機会が限られる選手も要所で存在感を示す場面があり、ベンチの層がチームの戦い方を支えていたと言える。
このように、後半戦の反転は主力の爆発だけでなく、一人ひとりの選手が与えられた役割をこなした結果でもあった。
先発の立役者①―東克樹、年間通してエースの役割を全う
東克樹は今季25試合に先発し、12勝6敗、防御率2.40、161回1/3を投げて120奪三振。勝率.667は12勝という勝ち星とともに、まさにチームのエースとしてシーズンを投げ抜いた証だ。
後半戦に限らず、東は年間を通して先発ローテーションの軸として試合を作り続けた。チームが借金を抱えた序盤から、貯金を積み上げる後半まで、東の存在がチームの最後の砦となっていたと言える。6月に苦しい時期を過ごすチームにおいて、安定して勝ち星を計算できる投手がいたことは、後半戦の反転を支える前提条件だった。
先発の立役者②―石田裕太郎、途中離脱を経ても奪三振で存在感
石田裕太郎は今季20試合に登板し、5勝8敗、防御率2.91、120回2/3を投げて117奪三振。途中離脱を経験したものの、復帰後も奪三振能力の高さを発揮し、先発の一角として安定感をもたらした。
数字の上では勝ち星が伸び悩んだ印象もあるが、防御率2.91・117奪三振という内容は、先発陣の中でも十分に評価されるべき結果だ。120回2/3を投げ切った持久力と、奪三振能力の高さは、ローテーションの中で確かな武器になっている。打線の援護に恵まれない試合も多かったが、試合を壊さず投げ続けたことが、後半戦の貯金の積み上げに間接的に寄与したと言える。
先発の立役者③―平良拳太郎、故障がちな右腕が離脱なく投げ抜く
平良拳太郎は今季21試合に先発・登板し、5勝8敗、防御率3.30、106回1/3を投げて109奪三振。これまで故障に苦しんできた右腕だが、今季は大きな離脱がなく、シーズンを通じてローテーションを守り抜いた。
勝ち星こそ5勝と伸びなかったものの、防御率3.30・109奪三振は先発として十分な内容。チームの投手陣が若手の台頭とともに厚みを増す中で、平良が安定して投げ続けられたことは、後半戦の投手運用の安定につながった。
先発の立役者④―深沢鳳介、手術明けの右腕が完全復活
深沢鳳介は今季10試合に登板し、5勝1敗、防御率2.96、54回2/3を投げて37奪三振。手術を経て戻ってきた今季、先発として完投・完封を記録するなど、一気にチームの戦力として存在感を示した。
5勝1敗という勝ち星の数字は、ポイントを押さえた投球が結果につながったことを物語る。奪三振37に対して与四球は18で、防御率2.96の中に投球の安定感が表れている。手術明けの右腕が後半戦のローテーションに食い込み、完投・完封という形で自身の復活を示したことは、チームにとって大きな収穫だった。
先発の立役者⑤―片山皓心・尾形崇斗、若手と移籍組が台頭
新人の片山皓心は今季8試合に登板し、3勝2敗、防御率2.64、44回1/3を投げて45奪三振。ルーキーながら安定した投球を見せた。新人とは思えない落ち着いた投球内容は、今後のチームの柱候補として期待される。
尾形崇斗は、5月に山本祐大を放出するトレードで獲得した投手。今季18試合に登板し、7勝3敗、防御率3.29、87回2/3を投げて88奪三振。トレードで移籍してきた右腕が、即戦力として勝ち星を積み上げたことは、トレードの成果として評価できる結果だ。
投手陣全体を振り返って―若手の台頭と先発の再編
後半戦の投手陣を総括すると、もっとも大きな変化は若手投手の台頭だった。先発ローテーションは東克樹という確かな軸を中心に、平良拳太郎と石田裕太郎が夏場以降も投げ抜き、そこに深沢鳳介・片山皓心・尾形崇斗という新しい顔ぶれが加わった。特に深沢の完投・完封、片山の安定感、尾形の即戦力としての働きは、来季以降の編成を考えるうえで大きな収穫だった。
先発陣が年間を通して試合を作れた点も見逃せない。打線の調子が落ち込んだ序盤に、投手陣がどこまで踏ん張れるかが借金の膨張を左右したが、夏場以降はローテーションが機能し、勝てる試合を取りこぼさない形に変わっていった。
一方で、中継ぎ陣も世代交代の過渡期にあった。浜地真澄が育成から支配下に返り咲き、伊勢大夢と中川虎大が勝ちパターンを支えたことで、ブルペンには複数の勝ち継投ルートが生まれた。抑えの山崎康晃が一時的に不安定となったことで、ブルペンの運用は見直しを迫られたが、レイノルズへの交代によって、その空白が埋まったと言える。
中継ぎの立役者―浜地真澄、育成から支配下、そして8回のセットアッパーへ
浜地真澄は今季、チームの後半戦を象徴する中継ぎ投手となった。33試合に登板し、1勝0敗1セーブ、21ホールド、防御率1.10。32回2/3を投げて与四球はわずか6、奪三振は22を記録している。
浜地の経歴は、今季の物語を語る上で欠かせない。2024年12月の現役ドラフトで阪神からDeNAへ移籍したが、2025年には肘の手術を経て戦力外通告を受け、育成契約で再出発した。2026年は二軍で23試合に登板し2勝0敗、防御率1.99という数字を残し、7月10日に支配下登録を勝ち取った。即日一軍に登録され、そこから勝ちパターンの一角として一気に存在感を示していく。
支配下復帰後は、8回を任されるセットアッパーとして1軍の勝ちパターンに定着した。21ホールドという数字は、全て支配下復帰後に積み上げたものであり、後半戦の勝利の方程式を支えた最大の功労者の一人と言える。与四球6という制球の良さ、右打者のインコースを突く強気の投球、そして肘の手術後に安定したフォームが、この安定感を生み出した。
育成選手からの支配下復帰は、チーム内でも大きな刺激となったはずだ。浜地の復活は、現役ドラフトで移籍してきた投手が育成の再出発を経て主力にまでなった、ベイスターズにとって象徴的な成功例となった。なお、浜地の詳しい復活の過程はこちらの記事でも取り上げている。
中継ぎの立役者②―伊勢大夢、中川虎大らブルペンの厚み
浜地とともに勝ちパターンを形成したのが伊勢大夢だ。今季52試合に登板し、2勝4敗、25セーブ、27ホールド、防御率3.02。7回から8回にかけての接戦を支え、ブルペンの柱として機能した。
中川虎大も52試合に登板し、6勝6敗、22ホールド、防御率2.45。複数の投手が勝ち継投を担えたことが、後半戦の逆転勝利を増やす要因となった。
抑えの転機―山崎康晃の不調とレイノルズの台頭
後半戦の反転を語る上で欠かせないのが、守護神の入れ替わりだ。チームの低迷期、抑えを任されていた山崎康晃は、登板ごとに失点を重ね、今季23試合で0勝3敗・14セーブ、防御率6.10と炎上する場面が目立った。特に勝ち試合の終盤で崩れた登板は、せっかく積み上げた勝利を負けに変えてしまうことが多く、チームにとって大きな痛手となった。
その状況を打開したのが、レイノルズの守護神起用だった。今季62試合に登板し4勝2敗・17セーブ、防御率1.59。奪三振は82を数え、ただし与四球は25と多めだった。守護神の交代後は、勝ち試合を確実に締める試合が増え、勝ち星を落とさなくなったことが、貯金を積み上げる後半戦の大きな転換点となった。
ブルペンの中で勝ちパターンの役割が明確になったことは、中継ぎ陣の起用全体にも好影響を与えた。浜地が8回、レイノルズが9回という流れが定着したことで、接戦の終盤を計算できるようになった点は、借金完済の大きな原動力になっている。
CS進出と今後への展望
最終的にDeNAは3位でレギュラーシーズンを終えた。借金15から貯金2まで立て直したことは、今季のセ・リーグでも屈指の巻き返しと言える。CSファーストステージでは、2位・巨人と対戦することになる。後半戦で勢いに乗った打線と、ブルペンの整備が、ポストシーズンでどこまで通用するのかが注目される。
また、7月以降も勝ち越しを最後まで維持した事実は、今季のチームが一時的な勢いではなく、確かな地力をつけてきたことの証左でもある。牧・筒香という二枚看板、そして浜地・レイノルズを軸とするブルペン、若手野手と投手陣の台頭は、来季以降のチーム編成にとっても大きな財産となるはずだ。
後半戦の立役者一覧(今季成績)
| 選手 | 区分 | 試合 | 成績 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 牧秀悟 | 野手 | 108 | .283/30本/75打点/OPS.927 | 7月以降 打率.277・24本塁打 |
| 筒香嘉智 | 野手 | 99 | .260/20本/49打点/OPS.848 | 7月以降 打率.285・17本塁打 |
| エンカーナシオン | 野手 | 64 | .293/11本/39打点/OPS.815 | 7月加入 |
| 度会隆輝 | 野手 | 134 | .274/9本/51打点/6盗塁 | 年間通して出場 |
| 宮下朝陽 | 野手 | 71 | .258/8本/26打点 | 7月以降 打率.284・6本塁打 |
| 古市尊 | 野手 | 27 | .359/OPS.883 | 7月以降 打率.397 |
| 東克樹 | 先発 | 25 | 12勝6敗/防御率2.40/120奪三振 | エース |
| 石田裕太郎 | 先発 | 20 | 5勝8敗/防御率2.91/117奪三振 | 途中離脱あり |
| 平良拳太郎 | 先発 | 21 | 5勝8敗/防御率3.30/109奪三振 | 離脱なく投げ抜く |
| 深沢鳳介 | 先発 | 10 | 5勝1敗/防御率2.96/37奪三振 | 手術明け、完投・完封あり |
| 片山皓心 | 先発 | 8 | 3勝2敗/防御率2.64/45奪三振 | 新人 |
| 尾形崇斗 | 先発 | 18 | 7勝3敗/防御率3.29/88奪三振 | 山本祐大トレードで獲得 |
| 浜地真澄 | 中継ぎ | 33 | 1勝0敗1S・21H/防御率1.10 | 育成から7月に支配下復帰 |
| レイノルズ | 抑え | 62 | 4勝2敗17S/防御率1.59 | 守護神に定着 |
| 山崎康晃 | 抑え | 23 | 0勝3敗14S/防御率6.10 | 守護神交代の経緯 |
来季に向けての課題と可能性
後半戦の反転は大きな収穫だったが、来季に向けては残された課題もはっきりしている。まず打線では、牧・筒香の二枚看板に依存する構図が続くと、どちらかが不振に陥った際に得点力が落ちるリスクがある。宮下朝陽・度会隆輝・エンカーナシオンといった中軸候補がさらに数字を伸ばし、得点源を分散できるかが鍵になる。
先発では、東克樹に次ぐ2番手・3番手の確立が求められる。深沢・片山・尾形といった若手が一年を通して投げられるかは、来季のローテーションの安定性を左右する。石田裕太郎が防御率2.91・117奪三振という内容を勝ち星に結びつけられるかどうかも注目点だろう。
ブルペンでは、浜地真澄とレイノルズという勝ちパターンの柱が確立された一方、中継ぎの層をさらに厚くすることが課題となる。山崎康晃の立ち直りや、伊勢・中川虎大らの役割の再定義など、来季の編成にとって考えるべき材料は多い。
一方で、チームが借金15から貯金2まで立て直したという事実は、今季の選手たちが積み上げた大きな自信となったはずだ。その自信をどこまで来季につなげられるかが、DeNAの次のステップを決めることになる。
まとめ
2026年のDeNAは、6月に借金15まで沈みながら、7月以降を44勝27敗1分(勝率.620)と大きく勝ち越し、最終的に貯金2でシーズンを終えた。反転の立役者は、牧秀悟と筒香嘉智の二枚看板による長打力、7月加入のエンカーナシオンの打点、そして度会隆輝・宮下朝陽・古市尊ら野手陣の厚み。投手陣では東克樹の年間を通じたエースの投球に加え、新人の片山皓心、手術明けの深沢鳳介、トレードで獲得した尾形崇斗、故障からの平良拳太郎や石田裕太郎らが先発陣を支えた。
そしてブルペンでは、育成から支配下に復帰した浜地真澄が8回のセットアッパーとして大活躍し、山崎康晃からレイノルズへの守護神交代が勝ち星を守る大きな転機となった。打線の爆発とブルペンの整備が噛み合ったことこそが、借金15からの巻き返しを実現させた最大の要因と言える。
CSファーストステージで巨人を倒し、ファイナルステージで阪神との対戦に進めるかどうか。後半戦の勢いをそのままポストシーズンに持ち込めるのか、今後の戦いにも注目したい。