9/3には5ゲーム差をつけられ、阪神の独走すら囁かれていた巨人。しかし9月に入って7勝3敗と巻き返し、ついに0.5ゲーム差まで迫った。過去には2008年に13ゲーム差と独走していた阪神に逆転優勝したり、1994年の中日との「10.8」決戦など、シーズン終盤の大逆転劇を演じてきた球団でもある。残り日程と対戦相手との相性から、巨人の逆転優勝の可能性を分析する。
現在の状況―消化試合数の差がカギ
9月12日時点でのセ・リーグ順位は以下の通り。
| 順位 | チーム | 試合 | 勝敗分 | 勝率 | ゲーム差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 阪神 | 124 | 69-54-1 | .561 | ― |
| 2位 | 巨人 | 128 | 70-56-2 | .556 | 0.5 |
注目したいのは消化試合数だ。巨人は阪神より4試合多く消化している。つまり残り試合数は阪神の方が多く、単純な「今のペースを維持するだけ」では巨人が自力で逆転することは難しい。阪神の連敗・引き分けを待つ必要がある一方、巨人自身も上位打線が固定され始めた9月の勢いを継続できるかが問われる。
巨人の残り日程―下位チームが中心も、DeNAとの対戦がカギ
9月13日以降の巨人の残り主要カードは以下の通り。
| 対戦相手 | カード | 相手の順位 |
|---|---|---|
| DeNA | 9/13-15、10/3 | 3位 |
| 中日 | 9/18-19 | 5位 |
| ヤクルト | 9/20、9/27 | 4位 |
| 広島 | 9/22-25、9/29 | 6位 |
| 阪神 | 10/1 | 1位(直接対決) |
| DeNA | 10/3 | 3位 |
10月1日の阪神との直接対決を除けば、残りはすべて3位以下のチームとの対戦。日程の組み方自体は阪神と同様、巨人にとっても悪くない。なお広島戦は9/22~25の4連戦を含む計5試合と、残り日程の中でも最多のカードになる。またDeNAとは9/13-15の3連戦に加えて10月3日にもう1試合が組まれており、シーズン終盤に好調のDeNAとの対戦も多い。阪神もDeNAと5試合を控えているだけに、DeNAは両チームの優勝争いのカギを握る存在だ。
相性データ―広島に圧倒、ただし阪神には大きく負け越し
残り対戦相手との今季ここまでの対戦成績(交流戦含む)を見てみよう。
| 対戦相手 | 巨人の対戦成績 | 勝率 |
|---|---|---|
| DeNA | 13勝8敗 | .619 |
| 中日 | 13勝10敗 | .565 |
| ヤクルト | 12勝10敗 | .545 |
| 広島 | 14勝6敗 | .700 |
| 阪神 | 8勝16敗 | .333 |
巨人は広島に対して今季.700という圧倒的な勝率を残しており、DeNA・中日・ヤクルトに対してもいずれも勝ち越している。残り日程の相手との相性という意味では、巨人にとって悪い材料はほとんどない。
ただし懸念材料もはっきりしている。直接のライバルである阪神に対しては、今季ここまで8勝16敗と大きく負け越している。もし優勝争いが10月1日の直接対決までもつれ込んだ場合、あるいはCSのファイナルステージで阪神と相まみえた場合、この相性の悪さが重くのしかかる可能性がある。裏を返せば、巨人が逆転優勝するシナリオの多くは「直接対決を待たずに、阪神が自滅する形で決着がつく」パターンが濃厚ということでもある。
過去の大逆転劇との比較
巨人はシーズン終盤の大逆転劇を何度も演じてきた球団だ。2008年には独走していた阪神を逆転して優勝し、1994年には中日との「10.8」決戦を制してリーグ優勝を果たしている。近年でも2024年、独走していたはずの広島が大失速し、巨人が終盤で追い抜いた例がある。いずれのケースにも共通するのは、「相手チームの失速が決定打になった」という点だ。
今回も状況は似ている。8月末に5ゲーム差をつけていた阪神が9月に5連敗を含む大失速を見せたことで、一気に差が縮まった。巨人が逆転優勝を果たすには、自身が広島・中日・ヤクルト・DeNAという相性の良い相手に確実に勝ち星を積み重ねつつ、阪神の失速を待つ「王道パターン」の再現が現実的なシナリオになりそうだ。
まとめ
消化試合数の差という不利はあるものの、残り対戦相手との相性は総じて良好で、取りこぼしを最小限に抑えられれば貯金を積み増せる位置にいる。焦点は、相性の悪い阪神との直接対決を待たずに優勝を決められるか。過去に何度も終盤の大逆転を演じてきた巨人だけに、阪神の失速が続けば一気に首位が入れ替わる可能性は十分にある。